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- / ISBN・EAN: 4589921400428
感想・レビュー・書評
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この作品の世界はどうも私には受け入れがたい物が有る。
登場人物全てが狂ったと感じてしまう展開と把握しづらい時系列。そして激しく変化させている画面などで本当に観づらい作品でした。
中島監督の作品では他の作品でも同じ様な印象を受けた記憶が有る。それが彼の世界だと云ってしまえばそれまでだが、就いて行きづらい面が多々ありました。
それでも我慢(笑)して最後まで観ると、観た事が無駄で無かった様な印象が残った事も事実でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
深町秋生のノワール小説『果てしなき渇き』を、『告白』『下妻物語』の中島哲也が監督した作品。
原作を読んだときにも読後感の悪さに驚いたものだが、映画版は原作にも増して不快な作品。
ただ、その不快さはいわゆる「イヤミス」(後味悪いけどクセになるミステリー)系のそれであって、ねじれた魅力に満ちており、最後までグイグイ引き込まれる。
全編、暴力とエロスに毒々しく彩られた作品。なのに、CM出身の中島哲也はあたかもCMのようにポップで美しい映像で暴力とエロを描き出しており、そのギャップが不思議な酩酊感をもたらす。
豪華キャストの中でも、主演の役所広司とその娘役の小松菜奈の存在感が抜きん出ている。この2人のためにあるような映画だ。
役所広司は、正義のヒーローや無難な善人の役だけ選ぼうと思えばできる立場なのに、あえてこんな汚れ役を引き受けるところが素晴らしい。アメリカならハーヴェイ・カイテルあたりが演じそうな、ぶっ壊れた元刑事役なのだ。
まあ、1996年の『シャブ極道』では、「ワシが日本中をシャブで幸せにしたる」なんて言う役をいきいきと演じていた人だから……。人畜無害なお茶の間俳優に収まるタマではないのだ。
小松菜奈は、スチルで見るとやや不気味な印象だが、映像で見るとまさに「魔性の美少女」で、本作のヒロインにピッタリ。
役所広司と小松菜奈の怪演・熱演を味わうためだけにでも、観る価値のある作品。 -
手を出したら最後、破滅に向かうしかない感じ、まさにドラッグ。むしろドラッグより絶望的だ。目を合わせたら最後とかじゃなく、見つかったら最後だもの。
この映画は距離を置いて観なきゃダメだ。色んな意味で。どの人物にも共感しなくていいし、共感させる気もないはずだ。
『告白』の記憶があったので映像・音楽ヤバそうだなーとは思ってたんだけど本当にヤバかった。 加奈子が踊っているシーンが凄く魅力的だった。 毒々しさというものを引き立たせるのが上手い。でも手法の一辺倒感は否めない気がする。私、次の作品飽きずに観れるかな。
個人的には妻夫木さんがツボというか。ベストオブ嫌らしさ賞でした。 -
加奈子の夢にみんな振り回されてかき乱されて。
狂ってる。狂ってる。狂ってる。 -
役所広司のぶっ飛び具合、怪演とはまさにこのこと。
だがしかし、日本において狂気が受け入れられにくいというのもまたわかる。
やはりどこかお話の世界という枠組みから飛び出せなかった。 -
中島哲也監督の『下妻物語』は何度も見返すほど大好きだけど、これはどうも苦手。『嫌われ松子の一生』も『告白』も苦手。
刺激系エログロ系を好む私でも、やっぱりある程度の陰陽の波は欲しくて、見所も山もなく、常にガチャガチャゴチャゴチャ同じテンションの狂気と暴力シーンが続いて、途中から疲れてしまって、もう早く終わってほしいとさえ思っちゃいました。
最後の雪のシーンは必要だったのかも謎。
妻夫木聡さんのニヤニヤ笑顔が一番いい味出てました。
小松菜奈さんは、清純派風と魔性の女を演じなくてはならなくて、笑うシーンが多くて難しい役だっただろうな。
役所広司さん、始終血みどろの狂ったテンションの演技で本当にお疲れ様でした。
黒沢あすかさんは個人的に大好きな女優さんだけど、登場した瞬間、その後のバイオレンスと濡れ場が想像できちゃって、ストーリーが読めてしまって、驚きの展開は皆無でした。 -
「告白」を見たときは「この監督は天才だ」と思ったものですが、ん、どうしてこうなった?
見ている者をイライラさせるのはこの監督の作風だとは思いますが、血だらけ&暴力だらけの画面にはうんざり。もちろん小松菜奈の可愛さはずいぶんと画面を浄化してくれていますが、まぁ、ミステリーとしてカタルシスがあれば救われるんですけどねぇ(「告白」にはそれがあったと思うのです)。 -
登場人物の語彙力が少ないから、映像で、狂気で物語を運んでいく。
演技に力が入っているし、俳優陣も豪華。
けれど、肝心のストーリーの動きにあまりついていけなかった。
時系列を分解してかなこを探すストーリー自体は把握できた。
テーマはタイトル通り渇き。なのだろう、それぞれ何かに渇いていてそれに突き動かされて狂気へ至っている。
最後が少し冗長だった。
小松菜奈は抜群にハマリ役だったと思う。 -
行方不明になった娘を探す元刑事は知らなかった娘の狂気ととんでもない事態を知ることになる。
これはストーリーの分かりやすさよりも疾走感を重視したんでしょうなぁ。最初は役所広司のやかましさが腹立つんだけど、だんだんと気にならなくなっていく。ただ、ひきこまれるとまではいかなかった印象。こういう映画だともうちょっと狂気を強く描いた方がいいのかなぁ。
小松菜奈はすっごいと思いました。 -
品行方正だった娘・加奈子(小松菜奈)が部屋に何もかもを残したまま姿を消したと元妻から聞かされ、その行方を追い掛けることにした元刑事で父親の藤島昭和(役所広司)。自身の性格や言動で家族をバラバラにした彼は、そうした過去には目もくれずに自分が思い描く家族像を取り戻そうと躍起になって娘の足取りを調べていく。交友関係や行動を丹念にたどるに従って浮き上がる、加奈子の知られざる素顔に驚きを覚える藤島。やがて、ある手掛かりをつかむが、それと同時に思わぬ事件に直面することになる。
時系列が滅茶苦茶で分かり難いですし、目まぐるしく切り替わる映像、ブレるカメラワーク、統一性のないBGM、演者達のギャーギャーピーピー煩いセリフが気に障り、観ていてかなり疲れました。
本作が映画デビューだった小松菜奈はとても魅力的でしたが、橋本愛、妻夫木聡、オダギリジョーは脇役過ぎて要らなかったですし、中谷美紀はネタバレ気味。キャスティングは失敗していると思いました。