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感想・レビュー・書評
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人間の心を含めた知能がどのように働いているかを探る学問「認知科学」の歴史や著者が関わった研究について述べられている。
私が認知科学自体に馴染みがないため、初見で感想を述べることが難しい。ハイライト部分のみ記載する。
【ハイライト部分】
・シャンクは、人間が文章には書いていない内容までかなり正確に類推することができるのは、「人間にはある標準的な状況で組織化された知識が備わっている」からだと考えました。
・この「人間は人間の知能を記述できるか」というテーマには、細かく分けると二つの要素が含まれていることがわかります。 一つはまず「人間の知能を構成する情報を、人間が解明できるか」ということ。もう一つは「それが解明できたとして、その内容を人間が記述することができるか」ということです。
・さらに、「人間は何か失敗をしたとき、仮説を立てて説明しようとし、それがインデックスとなって記憶になる」という考え方に基づいて、「Explanation Patterns(エクスプラネーション・パターンズ)」という概念が生まれてきました。
・神経細胞が伝える情報は、基本的にはその細胞が興奮(活性化)しているか、していない(沈静化している)かです。
・「ゲシュタルト」とは「全体性を持ったまとまり」のことで、「全体は必ずしも部分の総和では表せない」とする考え方のことです。
・「必要のないことは考えなくていい」と指示を出しても、何が必要で何が必要でないかをひたすら考えるという作業が始まってしまうわけです。
・関連性のないものを集めて関連性を見出す作業というのは、抽象度の階段を上がらないとできません。この抽象度の階段を上がるという作業は、今のところ、人間にしかできないことのようです。
・「フレーム問題」で大事なことは「人間には内省的意識がある」ということだと思います。人間は「今、私は部屋の掃除をしている」と認識する能力がありますが、ロボットにはありません。 -
内容が著者の研究に寄っているのでだいぶ古い。
昔の研究はこんな感じだったのかと、古典的な流れを知るのには良い。
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フレーム、スクリプトなどの概念はあくまでまだ仮説の段階にすぎず、科学的というよりは哲学的な内容に感じました。
そのためそういう考え方もあるかー程度だったのが正直な感想です。
認知科学は機械学習をベースに発展しており、機械学習は深層学習によりブレイクスルーが起きたので、深層学習誕生後の最新の見解が気になります。 -
入門にしては難しい。
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認知科学という学問分野の解説。人間が言葉や物事をどのように把握しているか、あるいはコンピュータが人間と同様に認知することができるようにするためにはどのような論理が必要か、そういったことを研究しているようだ。
その分野はかなり興味深いと思うが、この本はむしろ著者の自叙伝のような面が強い。しかも最後の方では少々オカルトじみた「超情報場仮説」なるものが登場する。著者は本気のようだが、少なくとも現時点ではとても広く受け入れられる理論ではないと思われる。
ちょっとどう受け止めていいかわからない本だった。 -
たまごが先かにわとりが先か。
全体が先か部分が先か。
ゆるやかに連携している。同時。 -
途中まで認知科学の歴史や研究者等の詳細が述べられており、参考になったが、後半の持論や仮説が飛躍し過ぎてピンとこなかった。
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難しかった。特に前半は。後半は興味を持てたので、面白く読めた。
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脳科学者である著者。認知科学の道に進んだ経緯から、認知科学の歴史や現状、そして未来についてまとめた入門書。
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<認知科学に興味を持った人向け>
人工知能と人間との違いは興味深かった。人を人たらしめるものは何か、という問いは、哲学にも通じるものがあると思う。