私の男 [DVD]

監督 : 熊切和嘉 
出演 : 浅野忠信  二階堂ふみ  モロ師岡  河井青葉  山田望叶  高良健吾  藤竜也 
  • Happinet(SB)(D)
3.16
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953063402

感想・レビュー・書評

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  • 原作は昔々に既読で、大筋と、でも原作は時系列が逆だったよなということしか覚えていないので粛々と観ました。
    順列にしたことで、どうして淳悟と花があれほどまでお互いだけになったのかがあまり感じられないな…と思ってしまいました。ちょっとすっ飛んでる?と。
    でも花に感じる、無邪気さと妖艷さはさすが二階堂ふみさんでした。学生時代はイメージぴったりだったなぁ。大人になってからは…でも、影のあるいい女でした。
    淳悟の浅野忠信さんもわかる。。
    北海道の流氷って、あんなにキイキイ鳴ってるのですね。世界観が見られて良かったです。

    「俺はお前のものだ」「あれは私の全部だ」

    「父親になりたかった」「家族になりたかったんですよね」

    どこで間違ったのか。許される事ではないです。
    でも、ふたりにはきっとお互いしかいないのだろうと思いました。離れようとしても、離れることはないんだろうな。
    閉じられた頽廃的な物語で好きでした。

    淳悟と花が睦みあってるときに血塗れになっていくところで「ギリギリ歯軋りレッツゴー♪」と脳内で流れてきて…もう!となりました。。

  • 原作は、桜庭一樹さんで、遠い昔に読んで衝撃を受けたことを記憶している。
    原作は、現在から過去へと遡っていく逆時系列で、その相乗効果もあって、父娘の固い絆を感じれた。

    映画は、順時系列で構成されており、それはそれで良かったような気もするし、逆時系列の方がより良かったのかもしれない、という半々の気持ち。

    映画を見る前から、拍手喝采を送りたいぐらい納得の配役。

    少女のようなあどけない無邪気さと、少女から急に女の顔へと化ける妖艶さを演じることができる、この難しい役を演じれるのは、私も二階堂ふみさんしか思いつかない。

    浅野忠信さんも、イメージ通りのすごく格好良くて、同時にすごくカッコ悪い男を演じてて、素晴らしかった。

    北海道の雪景色と流氷がすごくふたりの世界観に合っていた。
    しんしんと降り積もる雪背景や、その静けさの中でキィキィと不気味な音を立てる流氷の音、凍えるような寒さの中で無性に人肌が恋しくなるこの環境が、余計にふたりの絆を深めていったように気がする。
    これは、原作では味わえなかった感覚。

    経験したふたりにしか到底分からないであろう、歪んだ愛。
    絶つことのできない強固な繋がり。
    その確かな愛を守るためには、罪だって犯してしまう。
    そしてその罪が、ふたりの絆をより一層深めてしまう。

    最後のほうの花は、嫉妬心にかられる淳悟をただただ楽しんでいる悪女のようにも見えるし、淳悟の嫉妬心を呼び起こしてどん底から生きかえらせようとしてるようにも見える。
    まるで、淳悟の彼女に嫉妬していた幼い頃の自分のように。

  • 静かにゾクっとする映画だった
    ゾクゾクしたのは深い積雪とギシギシ鳴く流氷の真っ白な景色の寒さのせいかもしれない

    無邪気そうに笑いながらオンナの顔をみせる二階堂ふみにゾクっとした
    浅野忠信が独占したいほどの良い男なのかはともかく、放ってはおけない気持ちにはなった

    頑さと危うさ
    心理描写を表現する編集がすごいと思った

  • 総括して面白かったです!多少グロだったけど園子温映画見慣れてるからへいき

    死体処理的なあれそれでつっこみたくなったけど、終わり方好きでしたね、日本人向けのねっとりした感じ笑

    おんなの裸体が出るたびに「いい体ですね…」みたいな見方するのどうにかしたい
    でもほっそいのに肉付き程よく胸もあるんだよ!どうなってんの!二階堂ふみ!

    「わたしもあのひとも子供だったんですよね」からの結婚劇もびっくりしたけど、結局お互いがお互いのことしか欲してないから未来も見えますねって感じ
    でもガキな浅野忠信大変よかった…だめんずうぉーかーとしては

    血が滴る演出すごくよかったなー、最初は何かとおもったけど
    なるべくしてなった自然な関係ともいえるし、でも幼女が突然「キスして」ってあんたどこで覚えたん…みたいな気持ちにもなりつつ(どこから目線)

    道ばたでキスをせがまれて人目を気にしつつもちゃんとしてあげるのとかよかった、対等な感じでよかった、そこに上下や優劣が発生してない感じがとても
    一切の子供扱いをしてなかったよね

    家族になりたくてこころを捧げて受け取ってもらえてしかも注いでももらえて幸せだったはずなのに同じ方向を向いてたはずの「家族」の定義が変わっちゃって、
    ていうか全部欲しがって全部あげてたはずなのにそれが家族なんだっけ、なりたかった家族ってなんだっけ、みたいな

    実際どんな気持ちだったのか本人もつかめてないんだろうな、淳悟は
    なんの愛なのか、愛なのか情なのか、ただの依存なのか、どう思い込めばいいのか、でも欲してるし欲されてるし、それだけでいいだろ的な

    恋愛においてはほんと思考停止が唯一の希望なのでしょうなー

  • この監督の作品を観るのは「夏の終り」に続いて2作目。
    抑えた光や台詞で、役者の演技で魅せるという印象。
    この作品も配役がとても良い。

    幼さに包まれていた「女」の部分がだんだんむきだしに
    なっていく様を演じた二階堂ふみがすごい。
    淳悟と花の関係はちっとも憧れるようなものではないけど、
    「あれは私の全部だ」って言い切れるのはちょっと羨ましい。

    他人には理解できない2人だけで完結されている世界。
    何かに執着して壊れてしまっている人の物語って
    どうしてこんなに惹かれてしまうんだろう。

  • 2014年Myベスト作品。

    とどのつまり愛は、
    ふたりだけがわかっていればよいし、
    誰ひとりとして、
    ふたりの愛を理解などできないのは、
    普遍的な真実である一方、
    2人はあまりに幼かった。

    美しく、苦しく、
    匂い立つ悲劇。

  • 2013年 日本
    監督:熊切和嘉
    原作:桜庭一樹『私の男』
    音楽:ジム・オルーク
    出演:浅野忠信/二階堂ふみ/河井青葉/山田望叶/高良健吾/藤竜也/モロ師岡
    http://watashi-no-otoko.com/

    導入部~中盤まではすごく良かった。これは久々に、原作ものの当たり映画だな、と思いつつ見ていたのだけれど、終盤の収束がやや急激で、いささか雑に終わった印象。
    時系列を逆にしてあった原作を、あえて順列に直したことで見やすくはなっていましたが、「なんか凄惨な状況にいる人たち(結果)」をまず描いて、「なんでそうなったか(原因)」を遡る原作の構成ならば、「そっか、じゃあそうなっちゃったのも仕方ないね」となんとなく納得させられた部分が、順列になると「結局このひとたち全然成長しなかったな」というネガティブな印象になってしまった気がします。

    そもそも普通の恋愛ものと違って、父娘の近親相姦という基本的にはタブーである関係を扱っているだけに、順列=自然な感情の流れで共感、は少々難しい。「なんでそんなことになっちゃったか」をミステリー的に種明かししていった原作の構成のほうが、選択肢のない説得力があったと思いました。

    映像化の利点としてはやはり北海道の風景のインパクト。流氷がぎしぎしと鳴るあの海の光景は、文章だけでは想像しきれなかった迫力と美しさがありました。あとは生活感、みたいなものかな。二人が生活している部屋のリアリティは、映像ならではの良さだったと思う。「新世界より」の使い方など、音楽も良かった。

    二階堂ふみは中学~高校生くらいの頃の演技が素晴らしかったです。淳悟の恋人・小町さん(河井青葉)が感じているであろう花という女の子の異質さ、世界に馴染んでいない違和感、そして女性同士にしかわからない牽制と攻撃性、なんかがヒシヒシと伝わってきて、なんて怖い子なんだろうとドキドキしました。

    しかし成長し、後半大人の女性になるにつれて、その頃の魅力がどんどん薄れていった気がして、ちょっと残念でした。映画化、そしてそのキャスティング聞いたときに、このキャスト(浅野忠信と二階堂ふみ)なら絶対間違いないだろうと思い、そしてやっぱり予想通りに二人ともハマリ役だったのだけれど、なんていうか、ハマリ役すぎて、後半になるにつれて「淳悟と花」じゃなく「浅野忠信と二階堂ふみ」にしか見えなくなっちゃったんですよね(苦笑)駄目な男なのになぜかモテる浅野忠信、エキセントリックでエロティックな少女・二階堂ふみ。ハマリ役すぎて意外性ゼロで、逆に新鮮な面白みがなかったなんて言ったら贅沢かなあ。

    そのせいか、終盤で尾崎美郎(高良健吾)が登場したときも、役としてではなく「やっと高良くん出た!」みたいな感覚になっちゃったし(結局、浅野忠信にセクハラまがいのことされてあっさり退場、かわいそかわいいだけで終了)、原作では花と婚約するのは彼だったと思うのだけれど、それが別人になっていた意味もあまりわからなかった。

    脳内で原作情報を自分で補完しているから理解できた部分も(淳悟の過去とか)、映画だけだと全部は伝わらないからどうなんだろう。ラストにもカタルシスはなく、きれいになったというよりは俗っぽくなってしまった花のメイクも下品にうつり、開き直りは性質が悪い、と若干の嫌悪感を覚えてしまった自分はしょせん常識人でした(苦笑)

  • 10歳で孤児となった少女・花(二階堂ふみ)。彼女を引き取ることになった遠縁の男・淳悟(浅野忠信)。孤独だったふたりは、北海道紋別の田舎町で寄り添うように暮らしていた。
    6年後。冬のオホーツク海、流水の上で殺人事件が起こる。
    桜庭一樹の同名小説の映画化。
    暗い北の海から逃げるように出ていく淳悟と花は、互いに深い喪失と、ふたりだけの濃厚な秘密を抱えていた。「この人しかいないという信仰めいた確信」を持った強い絆で結ばれている淳吾と花。
    マメで優しいかと思えば、思いがけないいじわるな面もある淳吾を軽妙に絶妙に演じた浅野忠信、言い表せない愛おしさと離れたい気持ちに引き裂かれながら淳吾から離れられない花を演じた子猫のような二階堂ふみ、2人の禁断の愛と恵まれない出自から家族を持って愛したいと願う淳吾の孤独や健気に淳吾を愛し抜き浅野忠信との愛のためなら殺人も辞さない花のモラルを超えた濃密な愛を、淳吾の恋人の小町や地元の名士の目線も交えて描き(流氷の上での二階堂ふみと二階堂ふみを浅野忠信から引き離そうとする藤竜也のやり取りのサスペンスが秀逸)、濃密な愛を描いた傑作サスペンス映画です。
    あどけない女子高生の中に、淳吾に対する独占欲や濃密な愛を演じた二階堂ふみ、素敵でした。

  • 二階堂ふみの演技が凄かった。子供時代の無邪気ではあるけど女のドロドロの芽が出てきてる感じ。成長してからはぐっと大人っぽくなる。メイクや表情なのかなぁ。雰囲気ががらっと変わって面白い。
    雪景色とどんより曇った空が綺麗だった。流氷のシーンも迫力あっていい。
    原作は未読だが、相違点もあるみたいなので原作も読んでみたい。

  • ふみさんやばいな。情緒がすこし不安定になった。雪景色と流氷にとらわれそうになる。

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