新装版 46番目の密室 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 火村シリーズ第1作。

    臨床犯罪学者の火村と私こと推理小説家の有栖川は大物推理小説家の真壁の別荘に招かれる。
    クリスマスの朝、2つの密室で2人の死体が発見された……。

    トリックもだし犯人もわからなかった。
    火村よくわかったね。すごいわ。
    火村と有栖川のバディも良いし、面白かった。

  • 火村とアリスが天皇陛下と同い年だったとは。

  • 物語の矛盾に引っかかりがちなタチである。特に推理小説の場合、矛盾が推理の妨げになることもあり許容しづらい。この本では『壺』が該当するだろう。
    それ以外もツッコみどころの多い話だった。


    【物語の矛盾】
    ・不審者を目撃したあとに各自の部屋が荒らされたのに、外部犯の可能性を考慮して家の中を捜索しないのか?
    ・上述が内部犯だと確信していたなら、未婚の女性の部屋に無断侵入したことを咎めなくていいのか? 度が過ぎたイタズラだと思うが。
    ・腕に覚えはなく武器もないのに、独りで侵入者の確認に向かう危機感のない主人公
    ・壺といえば大抵陶器だと思うが、あの高さから落として割れないのか? 4階建て相当(2階建て+屋根裏+煙突+地下)の高さから頭蓋骨に着地だぞ??
    しかも金属製とは書かれていない。壺が割れればトリックは台なしになるので、犯人が考慮しないはずがないのだが。


    【殺人が始まる前から犯人をばらすしかけ】
    白いプレゼントの中でトリックに使えそうなネタといえば石灰のみ。この時点で動機がわからなくても犯人はわかる。
    犯人が判明すればあとは消化試合。動機から犯人を推察させる流れは、昔から典型的なミスリードだしなあ。


    探偵役も助手役も魅力はなく、たびたび語られるペダントリーはなんの役にも立っていない。(ホームズのペダントリーは彼の知識の広さと、手がけた事件の多さを示しているが、近代の小説に登場するペダントリーの多くはマニアをにやりとさせるぐらいしか役立っていない。この小説も同様)
    文章から筆力も感じられない。

    密室トリック好きにはお薦めできるが、ネタバレチェックをつけた感想で推薦してもな(苦笑)。

  • 作家アリスシリーズ。ようやく手に取ることができた。やっぱり有栖川有栖さんは面白くて一番好きな作家さんだと思う。密室殺人でなぜ密室にしたのかまで説明している作品ってありますか?

  • 今度ミュージカルになるとのことで、予習として。
    ミステリー小説としては割と軽快な調子でストーリーが進むので3日くらいでサクッと読むことができた。
    複雑奇怪なトリックを使った完全犯罪が展開されるというわけではなく、トリック自体はごく単純なものだが、偶然が重なった結果、複雑なミステリーとなったという展開がリアル。
    どちらかといえば動機の方が予想のナナメ上の展開だった。動機もよくある動機ではあったんだけど、「えっ、そっち??」という読者の意表を突いたものだった。
    ただLGBTが叫ばれてる今だからかもしれないけど、そんなことで…??という思いが勝ってしまった。一昔前は違ったのかな。その辺りの感覚がたぶん現在とは全く違うだろうから、最後のオチがちょっと消化不良気味。アリスが最後、犯人に少し同情気味だったのが、あまり感情移入できなかったなぁ。


  • 既に古典な気もする新本格。
    作家アリスシリーズ第一作です。
    今読むと古臭い感じはあるけれど、それも本格の味。
    僕は大好物。
    そして、劇的な密室殺人のトリックももちろん、火村とアリスの名コンビが誕生したこの場面に、みな立ち会うべし。



  • 火村英生シリーズ1冊目▲日本のディクスン・カーと称され、45の密室トリックを発表してきた推理小説の大家。彼は自らの46番目のトリックで殺されたのか▼『りら荘』読直後で警察が仕事をしていると新鮮!タイトルに密室を掲げているのに館の地図すら無いと、そこが主では無いのか。火村助教授は常識的な人でフィールドワークも地道です。ワトスン役が等身大的、関西弁なので会話の区別がつきやすく、ふたりのやり取りが絶妙で人気が出そう。長いシリーズになるわけだ。ミステリとしては、あっさりしていましたが、あとがきが濃厚(1992年)

  • ドラマ化、コミカライズ化もされている人気シリーズ、
    作家アリスシリーズの第一作目。

    犯人やトリックに驚かされるということはないですが、
    臨床犯罪学者・火村の事件や犯人に向かう姿勢には
    強く惹かれるものがありました。
    火村とアリスの間に流れる雰囲気や
    何気ないやり取りも魅力的!
    とにかく一度火村先生の講義を受けてみたいです!

    他の方も書かれていますが、
    大ボリュームの巻末のあとがきと
    綾辻行人さんによる解説がまた堪らない!

  • 火村シリーズの一番目の作品。改訂版ではない物を読了。
    1992年に刊行。もうすでに30年前。古さは全然感じず、コテコテの推理小説っぽくもなく、密室の謎や犯行の動機とか少し後付け?ぽくてうーんって思うところもあったけど、読みやすくって楽しめました。火村とアリスの掛け合いも楽しいし、今年はこのシリーズをゆっくり読んでみたいと思う。(火村シリーズを少しだけドラマで見たことがあったので、どうしても火村が斎藤工さん、アリスが窪田正孝さんになってしまっている・・・でもまだ火村に色気と殺人に魅入られているあの不思議な雰囲気は感じられず・・・)今後の展開が楽しみ。

  • 犯罪学者・火村と推理作家有栖川のコンビ第1作目。
    今年はこのコンビものを順に読んでいこうと決めた。
    密室もの!とタイトルで引っ張っているがそれほどの謎があるわけでもない。
    本編は一番最後の解説だ!
    新装版ということもあり、あとがきとあとがきのあとがきがあり、さらに解説と解説の解説がある。最後の解説を書いているのが綾辻行人。最初の解説を書いてから10年以上してから再び解説を書くとどうなるのか、という点と2人が意外に仕事で絡むことが多く仲が良いという、あまり話されない逸話が多く書かれている。
    この本はそこが一番面白かった。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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