数学文章作法 基礎編 (ちくま学芸文庫) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • デザインパターン書いている人。
    文章の書き方についてわかりやすく説明してあった

    ・数字はアルビア数字使う
    ・文は意味のある区切りを行う
    ・文章は短く
    ・です・ます調をそろえるなど

    数学にとらわれず文章の書き方が記載されている

  • P.2020/4/18

  • とても良かった。特に前半。
    後で、抜き書き追記する。
    英文のライティングの本に通じるところが大。

    書評 <a href=\"http://ruumania.postach.io/shinpurudechuan-waruwen-zhang-woshu-kutameni-jie-cheng-hao-shu-xue-wen-zhang-zuo-fa-ji-chu-bian-chikumaxue-yun-wen-ku-wodu-nde\" target=\"_blank\">シンプルで伝わる文章を書くために。[結城浩:数学文章作法 基礎編(ちくま学芸文庫)を読んで]</a>
    <a href=\"http://www.tjsg-kokoro.com/2014/04/06/sugakubunshosaho-kisohen/\" target=\"_blank\">
    読者のことを考えるって、こういうことだったのか!結城浩著『数学文章作法 基礎編』(ちくま学芸文庫)</a>

  • 「推敲編」の評判がいいので、まず、「基礎編」から読んでみました。タイトル通り、数学の文章の書き方です。小説の書き方にはあまり役に立たないけど、仕事の文章の書き方には役立つな。

  • 簡潔でとても分かりやすい。数学のみならず、すべての文章を書く際に当てはまる話ばかり。「読者のことを考える」という基本原則は普遍だ。読むべき一冊。

  • 読みやすい文章を書くための指南書

    私自身が文章を書く際に、当たり前だけど出来ていなかったことが改めて明文化されていた。この一冊を読むことで、文章の書き方を見直すことができたと思う。

  • 久しぶりに文章系の本を読みました。

    読んだ理由はボランティアスタッフとして関わっているNPOで文章を書く機会が出てきたためです。
    普段は児童養護施設で子どもたちに勉強を教える、という完全に現場に出る活動に携わっているのですが、最近新たに関わり始めた仕事では調査研究みたいなことをした後に、その結果を報告書にまとめることになりました。
    普段本業の方では文章を書く機会なんてメールぐらいですので、長い文章を書くのも、公的に人に提出する文章を書くのも卒論以来です。そこまで格式張った文章を書くことを求められている訳ではないのはわかっていたのですが、せっかくの機会なのでもう一度基本から勉強し直そうかなと思い、欲しい物リストの中から選んで手にしたのがこの本です。

    ■誰にとって役立つ本か

    この本は「数学文章作法」です。タイトルに「数学」と冠されている通り、数学に関連した文章を書く人を想定して書かれた本です。数式の書き方であったり、定義・定理といった数学的な用語の使い方であったりと数学に特化した内容も含まれます。ただ、それだけではない。一般的な文章の書き方に「加えて」数学的な部分も書かれているということですので、数学文章を書く人にとってはもちろんのこと、それ以外の文章を書く人にとっても幅広く有用な、総合力の高い本です。


    ■基本を大事にすることで文章のレベルは上がる

    この本は「数学文章作法」であり、その「基礎編」でもあります。

    段落の付け方、字体の選び方、漢字とかなの使い分け、引用の仕方

    などといった国語の授業で習うような文章のルールを丁寧に説明してくれます。ものすごく基本的です。
    基本的だけど、きっちりと守れているかというとなかなか自信を持てない人も多いのではないでしょうか。
    特に日常的に文章を書く機会のない人にとっては、国語の授業で習ったことも全部が全部頭に残っているものではないと思います。
    そうした基本をもう一度見直しましょう、というのが著者の結城さんの主張です。

    「形式の大事さ」形式を整えるだけで文章の読みやすさはぐっと上がる。
    形式のあまりに整っていない文章はそれだけで損をしている。

    文章のうまさというとどうしても、話の「筋」がすごいとか、言い回しが上手いなどといった側面に目が行きがちですが、形式の整っていないい文章はそれだけで読む気が削がれてしまいがち。内容の前に文字を追うだけで疲れてしまいますからね。特に昨今は、ネット上で文章が毎日毎秒腐るほど生み出され続けている時代ですので、読みにくい文章などそれだけで切り捨てられてしまいます。内容の面白さ以前の問題。
    逆に言えば、そうした形式の整っていない読むに耐えない文章が溢れている状況ですので、形式を整えるだけでとりあえず通して読める文章の仲間入りを果たすことができる、とも言えます。


    ■分かりやすい文章を書くためのコツ

    形式の大事さにつづいて分かりやすい文章を書くためのコツも次々と提示されます。
    ここで提示されるものもやはり基礎的なものです。
    文章の書き方なんてテーマに興味を持つ人であれば、この本を読むまでもなくどこかで目にしたことのある指摘が多いのではないかと思います。

    以下は、僕が改めて意識しなければなーと感じたことです。

    <文を短く>

    文章を分かりやすくしたければ文を短くすべし。これは文章術の本を読んでいるとよく見かける指摘です。結城さんは「長い文が常に読みにくいというわけではありません。文章を書き慣れた著者なら、長くて読みやすい文を書くこともできるでしょう。しかし、一般には短い文を心がけたほうが無難です」と言います。まさにその通りでしょう。
    分かってはいるのですが、ついついやってしまいます。一番やってしまうのが結城さんも特に注意すべきいう「逆説ではない『が』」です。

    -------------------
      悪い例:逆説ではない「が」
       次に複素平面を考えることにするが、すべての複素数は複素平面上の一点として表現できる。

      上の例に出てくる「が」は、「しかし」で置き換えられないので逆説ではありません。この「が」は背景や文脈を提示するためのものです。これは文を長くする原因となりますので、できれば削除しましょう。

      改善例:逆説ではない「が」を削除した
      次に、複素平面を考えることにしよう。すべての複素数は複素平面上の一点として表現できる。
    -------------------


    長い文を短くする例にも心当たりがありました。

    -------------------
      長い 円周率を計算することができる。
      短い 円周率を計算できる。

      長い この実験などのような体験ができたりします。
      短い この実験のような体験ができます。
      さらに このよう体験ができます。
    -------------------

    「~することができる」「できたりする」は使ってしまっていますね。気をつけよう。

    また、この後に続く「文は明確に」の節もやってしまいがちな例が出ていました。
    「その定義は正しいといえなくもないのではないか」というような言い切らない表現は使うべきではないという指摘です。個人のブログ記事だとわりとよく見かけます。自分も身に覚えがあります。言い切る自信がないんですよね。

    言い切る自信がないものに対しては、主張を明確にすべきだといいます。それができなければ読者には何も伝わらない、とばっさりです。

    もしも、著者が「そんなに言い切りたくない。もう少し含みを持たせたい」としたら、どう書けばいいのでしょう。著者が含みを持たせたいなら、その「含み」とは何かを明確にする必要があります。「その定義は正しい」とは言い切れない理由を分析しましょう。

    自信の持てないことに対してなんとなく含みをもたせて、それっぽく分かってる感を出すだけでは意味が無いということですね。だいたいバレますからね、「分かってる感」って。

    <例の立て方>

    典型的な例、極端な例、あてはまらない例などなど例の立て方の具体例を分かりやすく示してくれます。具体例をいくつも示した後に「例とはそもそも何のためのものか」を改めて説明します。この説明が面白い。「適切な例を挙げるのは、読者の心に概念の姿を正確に描く助けとなるのです」とのこと。これは言われてみれば不思議なことでもなんでもないのですが、インターフェースデザインの分野で「メンタルモデル」というものを勉強してきたのですが、文章においても共通するものがあるんだな、というのはなかなか面白い気付きでした。

    読者に正しく概念を伝えるために適切な例を挙げなければならない、というのは、
    あらゆる道具やサービスを正しく使ってもらうためには適切なインターフェースデザインでなければならない、というのと同じですね。

    そして、例示は理解の試金石というスローガンを提示するのですが、これもデザインに共通しますね。
    ユーザに何をして欲しいのか、どう使って欲しいのかが明確になっていなければ良いデザインはできませんし、
    伝えたいことは明確に理解できれていなければ例を作ることはできません。

    <問いと答え>

    例と同じく読者の理解を助けるものとして「問いと答え」も一章を割いて説明しています。問いかけを適切に使用している文章は格好いいですよね。ただ、ここでもあくまで大事なのは基本をおろそかにしないことです。「問いを立てたらきちんと答える」「問いと答えは呼応させる」「否定形の問いかけを避けるなど適切な問いかけをする」といった基本ルールを守りましょう。


    ■読者のことを考える

    本書のまとめとして結城さんが掲げる「たったひとつの伝えたいこと」は、読者のことを考えるという原則です。
    日記などごく一部の例外を除き、ほとんどの文章には想定される読者がいます。本書で語られてきたすべてのルールは「読者のことを考える」という原則に則ったものであり、それこそがすべて、ということです。
    非常に当たり前の結論にも感じますが、本書を順に読み通してくると非常に納得感があります。「適切な例が説明を助ける概念」と「インターフェースデザインにおけるメンタルモデル」という文章とデザインの共通点について書きましたが、この結論もデザインと共通するものですね。すべてはユーザのためにあるのです。


    ■以上

    ということで、以上です。
    読後に頭がすっきりとまとまる良い本でした。文章のルールということに関しては網羅的に書かれていますので、基礎から勉強し直したい、という人にはとても良い本です。

    最初に書いた通り、もともと読み始めたのはNPOで報告書的な文章を書く機会があったためだったのですが、読み進めていくうちに、本業におけるメールや、このブログなど、自分が文章を書く場面すべてを省みることになりました。

    例えば本業においても相手を思い遣った文章が書けるか、というのは非常に重要です。
    web系という業界柄もあると思いますが、メールやチャットといった文字によるやりとりはものすごく多いです。極端な場合はすぐ隣にいる人ともチャットで会話するぐらい。
    こういうメール・チャット文化な環境においては、文字のやりとりのうまさというのが、仕事のできる・できないに与える影響は少なくないです。仕事のできる人のメールやチャットはとても分かりやすいです。仕事というのは基本的にキャッチボールで進んでいくものですので、ただただ豪速球を投げることが良いのではなく、相手が受け取りやすい場所に投げることが求められます。挨拶、用件、期限、前提…などなど様々な要素を過不足なく適切に組み立てられた情報が届くととても仕事は進めやすいです。

    仕事のメールのために何も作文的なルールを勉強する必要はないだろう、と感じる人もいるかもしれませんが、そうした作文的なルールの一つ一つがどのように読者の役に立つのかを理解することで、相手が求めている情報について考えるための視点を身につけることができます。仕事にも絶対使えます。
    個人的にも最近仕事をもう少しスピードアップしたいなーと思っていたところなので、仕事相手に投げるメールの書き方をブラッシュアップしてキャッチボールのスピードを早めていきたいなと思います。

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著者プロフィール



「2023年 『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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