- Amazon.co.jp ・電子書籍 (396ページ)
感想・レビュー・書評
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良く出来た社会的ミステリー。味としては宮部みゆきの「火車」に似ている。
国分寺のマンションで見つかった鈴木陽子という名前の腐乱死体。本書は、この平凡な40代前半の女性が何故死ななければならなかったのか、どんな人生を送ったのかを追って行く。
何を書いてもネタバレになりそうなので、詳しくは書けないが、ひと言で言えば、非常に怖い小説。鈴木陽子と母との会話、父との会話の中のちょっとした文章にすら、計算つくしたであろう仕掛けがあり、不気味。ミステリーだが、再読したくなる気持ちにさせる。
事件を追う女性警察官、冒頭で殺されてしまうNPOの代表、巨大掲示板でネトウヨになってゆくホストを始め、人物形成がうまい。特に、鈴木陽子の母親の描写は、すごいとしか言いようがない。また、何気ないセリフ、例えば「食べられちゃったか」というセリフもぞーとする。
読み始めると、やめられない小説。寝床で読むと、寝不足必至。2014年文春ミステリーベスト6位。趣味の問題と思うが、個人的には、1位の満願より、面白かった。ラスト、奇妙な爽快感を味わえる。お勧めの★5つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミステリーとしてのレベルはとても高いと思った。独白部分の使い方もひとひねりあって、本格通には受けるのではないかと思う。ただ、人間の悪意の描き方がリアル過ぎて、読んでいて疲れてしまった。気分が落ち込んでるいるときには読まないほうがよいと思う。
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すごいで、これは。絶叫。。