絶叫 [Kindle]

著者 :
  • 光文社
4.20
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 12
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (396ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 良く出来た社会的ミステリー。味としては宮部みゆきの「火車」に似ている。

    国分寺のマンションで見つかった鈴木陽子という名前の腐乱死体。本書は、この平凡な40代前半の女性が何故死ななければならなかったのか、どんな人生を送ったのかを追って行く。
    何を書いてもネタバレになりそうなので、詳しくは書けないが、ひと言で言えば、非常に怖い小説。鈴木陽子と母との会話、父との会話の中のちょっとした文章にすら、計算つくしたであろう仕掛けがあり、不気味。ミステリーだが、再読したくなる気持ちにさせる。

    事件を追う女性警察官、冒頭で殺されてしまうNPOの代表、巨大掲示板でネトウヨになってゆくホストを始め、人物形成がうまい。特に、鈴木陽子の母親の描写は、すごいとしか言いようがない。また、何気ないセリフ、例えば「食べられちゃったか」というセリフもぞーとする。

    読み始めると、やめられない小説。寝床で読むと、寝不足必至。2014年文春ミステリーベスト6位。趣味の問題と思うが、個人的には、1位の満願より、面白かった。ラスト、奇妙な爽快感を味わえる。お勧めの★5つ。

  • ミステリーとしてのレベルはとても高いと思った。独白部分の使い方もひとひねりあって、本格通には受けるのではないかと思う。ただ、人間の悪意の描き方がリアル過ぎて、読んでいて疲れてしまった。気分が落ち込んでるいるときには読まないほうがよいと思う。

  • すごいで、これは。絶叫。。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

葉真中顕

1976年東京都生まれ。2013年『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。2019年『凍てつく太陽』で第21回大藪春彦賞、第72回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。

「2022年 『ロング・アフタヌーン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

葉真中顕の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×