山に登る前に読む本 運動生理学からみた科学的登山術 (ブルーバックス) [Kindle]
- 講談社 (2014年8月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (216ページ)
感想・レビュー・書評
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期待したほど科学の話ではなかった。まぁでもこんなもんなのかな。エネルギー供給系と食事成分の話が参考になった。インターバル速歩トレーニングという簡単なトレーニングも紹介。
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運動生理学からみた科学的登山術、という副題がバカバカしくくだらなくて読んだ。
こういう、無駄を無くしましょう、能率的に、的な雰囲気の本のタイトルにはほんとうんざりするんだけど、本書を読むかぎり、高峰の登山者に同行した医師としての経験がある程度生きていて面白い。
きっと、副題は担当編集者か誰かがなまじっかに決めたのだろう。「山に登る前に読む本」だけのほうが、よほどそそられるのに。
新型コロナウィルス騒動が始まって以来、週末は妻と娘とともに、ひたすら人が少なそうな1000メートル前後の山を選んでせっせと登っている。満ち溢れる植物たちが、猿や、鹿や、猪や、カモシカたちが、(熊にはまだ出会っていない)、コロナなんてどこ吹く風な感じであることに、心動かされている。
科学的、と銘打たれると否定したくなるけど、本書には登山の「知恵」が詰まっている。へたに科学とか、いわないでほしい。最近、頻繁に使われる科学という言葉には、「正統」「専門家以外にはわからないから黙って従っておけ」という意味合いしかこもっていなくて、ものすごく鼻につく(厚生省はそれを利用してるわけだが)。
コロナを克服する方法すらわかっていないのに。でも非難しているわけではない。わからなくて当然なのだ。だから必要なのは、マスクの確保ではなくて(友人の医師によると、マスクなんて実はほんの気休めにすぎないらしい(まさに単なる「エチケット」))、ある種の、毅然とした生きる覚悟だ。
もちろん、これは根性論ではない。感染するかしないかは、偶然でしかないのだから。人間いつ死ぬかわからない。それって、コロナにかかわらず、いつだって真理だったことだ。
そりゃ生きたいよ。でも、同時に不意に死ぬかもしれない想像力は必要だと思う。そう、想像することは、覚悟に近い。さらに悔しいのは、これはハイデガーをそのままなぞっている気がするから。
新たな発見。そうすると、ハイデガーは特攻隊を正統化するためにおおいに利用できるかもしれない。