山に登る前に読む本 運動生理学からみた科学的登山術 (ブルーバックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 期待したほど科学の話ではなかった。まぁでもこんなもんなのかな。エネルギー供給系と食事成分の話が参考になった。インターバル速歩トレーニングという簡単なトレーニングも紹介。

  • 運動生理学からみた科学的登山術、という副題がバカバカしくくだらなくて読んだ。

    こういう、無駄を無くしましょう、能率的に、的な雰囲気の本のタイトルにはほんとうんざりするんだけど、本書を読むかぎり、高峰の登山者に同行した医師としての経験がある程度生きていて面白い。

    きっと、副題は担当編集者か誰かがなまじっかに決めたのだろう。「山に登る前に読む本」だけのほうが、よほどそそられるのに。

    新型コロナウィルス騒動が始まって以来、週末は妻と娘とともに、ひたすら人が少なそうな1000メートル前後の山を選んでせっせと登っている。満ち溢れる植物たちが、猿や、鹿や、猪や、カモシカたちが、(熊にはまだ出会っていない)、コロナなんてどこ吹く風な感じであることに、心動かされている。

    科学的、と銘打たれると否定したくなるけど、本書には登山の「知恵」が詰まっている。へたに科学とか、いわないでほしい。最近、頻繁に使われる科学という言葉には、「正統」「専門家以外にはわからないから黙って従っておけ」という意味合いしかこもっていなくて、ものすごく鼻につく(厚生省はそれを利用してるわけだが)。

    コロナを克服する方法すらわかっていないのに。でも非難しているわけではない。わからなくて当然なのだ。だから必要なのは、マスクの確保ではなくて(友人の医師によると、マスクなんて実はほんの気休めにすぎないらしい(まさに単なる「エチケット」))、ある種の、毅然とした生きる覚悟だ。

    もちろん、これは根性論ではない。感染するかしないかは、偶然でしかないのだから。人間いつ死ぬかわからない。それって、コロナにかかわらず、いつだって真理だったことだ。

    そりゃ生きたいよ。でも、同時に不意に死ぬかもしれない想像力は必要だと思う。そう、想像することは、覚悟に近い。さらに悔しいのは、これはハイデガーをそのままなぞっている気がするから。

    新たな発見。そうすると、ハイデガーは特攻隊を正統化するためにおおいに利用できるかもしれない。

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著者プロフィール

能勢博(のせ・ひろし)
医学博士 信州大学医学部特任教授
1952年生まれ。京都府立医科大学医学部卒業。京都府立医科大学助手、米国イエール大学医学部博士研究員、京都府立医科大学助教授、信州大学学術院医学系教授(疾患予防医科学系専攻・スポーツ医科学講座)を経て、現在、同大学医学部特任教授。画期的な効果で、これまでのウォーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、20年余りで8700人に運動指導をしてきた。趣味は登山。長野県の常念岳診療所長などを歴任し、81年には中国・天山山脈の未踏峰、ボゴダ・オーラ峰に医師として同行、自らも登頂。著書に『いくつになっても自分で歩ける!「筋トレ」ウォーキング』(青春出版社)、『山に登る前に読む本』『ウォーキングの科学』(共に講談社)など。NHK「ためしてガッテン!」「ラジオ深夜便」などマスコミ出演も多数。

「2020年 『最高の歩き方 やせる!若返る!疲れにくくなる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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