石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門 [Kindle]

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著者 : 岩瀬昇
  • 文藝春秋 (2014年9月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (155ページ)

石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門の感想・レビュー・書評

  • 面白かった。
    副題の「エネルギー情報学入門」の通り、エネルギーについての基礎知識が短時間で得られる新書。

    実際、我々は、石油について、説明できないことが多い。
    例えば、
    なぜ、日本は高いLNGを輸入しなければならないのか?
    なぜ、ロシアや中国ではなく、米国でシェールガス革命が起きたのか?
    なぜ、石油の埋蔵量はゼロにならないのか?


    著者は、三井物産入社後、一貫してエネルギー事業に携わってきたサラリーマン。エネルギー論議になると、原発の是非といったバイアスがかかってしまう場合があるが、この本は、実務の中心で働いていた人が書いているだけあって、記述は客観的で分かりやすい。
    石油の先物取引については、分かりにくい部分もあるが、これは誰が書いても分かりにくいだろう。

    現在の原油安が始まる前に書かれた本なので、原油安に関する直接的な説明はない。しかし、その世界的な影響について考察するだけのヒントは与えてくれる。
    読んで損はない★4つ。

  • 筆者も書かれているように、エネルギーと言えば普段使う電気や石油しかイメージがなかった。しかし、現実にはそれら二次エネルギーの前に一次エネルギーが存在し、地下資源に乏しい我が日本では政治リスクも考慮した上で備蓄や調達をする必要がある。なんとなくは理解できたが、まだまだ入門。シェールガスが話題になる昨今再読に値する一冊。

  • 結論として、今後を長期的な視点で考える上で役立つ良書です。エネルギー、資源問題は現代人としてつきまとう問題のため本書はそれを考えさせる一冊でした。
    ディベートの課題図書として使いたい本です。

    著者はライフネット生命の岩瀬社長のお父様が書かれた本で、エネルギー業界に関わらない人間からすると資源の輸送インフラ整備、採掘のタームの長さ、中東・アメリカの関係性、シェールガスと新鮮な話ばかりでした。
    但し、1点最大の欠点を言えば単純な単語一つを取っても素人には分からない内容があり、それをいちいち調べるのが古典でもないのになかなかに大変でした。
    特にそもそもシェールガスって?液化天然ガスって定義ってなんなの?とか。

    エネルギーなしではもう生活できない現代人なら是非読んでおきたい1冊です。

  • OPECは2015年の原油見通しを日量2892万バレルと従来予想から28万バレル引き下げた。サウジアラビアは11月に8万バレル減らし、リビアの政情不安などを背景に10月から39万バレル減少したというがそれでも、3005万バレルあり来年見通しは更に100万バレルの原産になる。サウジアラビアのシェールつぶしという話もあるがそれ以上にロシアやベネズエラが苦しんでいる様だ。

    2014年4月エネルギー庁が中心となり「エネルギー基本計画」を策定したが著者の岩瀬氏はその内容に違和感を覚えたという。「国の根幹に関わるエネルギー基本政策が、エネルギーミックスに関する比率目標を持たず、もっぱら電源エネルギーをどうするかを中心にきじゅつされているからだ。また、我が国における「緊急事態」「非常時」が「3.11」のように国内でしか発生しない前提で書かれているのも気になる。エネルギー基本政策とは、「根本的な脆弱制を抱えている」一次エネルギーをどうするか、から始まるのではなかろうか。地下資源に乏しい我が国が先ず考えるべきは、一次エネルギーをいかに確保するか、であろう」

    日本の一次エネルギー比率@2013(BP統計集2014)は石油44.1、ガス22.2、石炭27.1、原子力0.7、水力3.9、再生エネルギー2.0となっている。原発が稼働していた2010と比べると石油+4、ガス+5、石炭+2.4、再生+1で原子力の減を補った。次に消費の面から見てみると2011年で投入が21.1百万テラJに対し最終消費が14.5百万、6.6百万がロスとして熱になって消えている。2次エネルギーでは発電で投入が9.2百万に対し発電ロスが5.4百万で自家消費と送電ロスを除くと電力として使用されるのが3.4百万このうち百万が産業用で、家庭が同じく百万、民生の業務用が1.2百万ほどだ。最終消費は民生家庭が2.1百万、民生業務が2.9百万、運輸旅客が2.1百万、運輸貨物が1.3百万そして産業用が6.2百万となっている。電気が足りる足りないと言ってるのは一次エネルギー投入からすると16%ほどのことなのだ。運輸と産業用はまず石油が一番で鉄鋼などは石炭が必要になる。石化製品も石炭や天然ガスから作られるC1ケミカルが増えて来ているとは言えまだまだこれから。

    日本が高いLNGをスポットで買っているのもちゃんと理由がある。元々天然ガスは消費地が近くにないと輸送と貯蔵に問題がある。天然ガスのほとんどは生産地で消費されており、貿易量は生産量の30%さらにその70%がパイプラインで輸送されている。LNGは生産量のわずか10%しかなくそのうち37%が日本向けだ。日本では公害対策として発電用に使われたのがきっかけのため原油連動になった。電力価格が原価積み上げ方式だったため天然ガスも熱量等価で原油リンクとしたわけだ。その後アメリカでは天然ガス先物市場が確立しスポット売買が始まるとともに価格も日本向けとはリンクしなくなっていった。現物決済をしなくていい先物市場ができたからこそ、買い手の決まっていない天然ガス開発プロジェクトも進められる様になった。天然ガス田の開発プロジェクトをするためにはどうやって需要地まで運ぶかもセットになり新たにパイプラインを作るにせよLNG基地とタンカーを作るにせよ1兆円規模のプロジェクトになる。売り手ー買い手と輸送方法がセットできないと銀行団のファイナンスが組成できない。これが長期契約の日本のLNGが高いといわれた原因となっている。

    中国の空気汚染の大きな原因は石炭だがこれも多くは国内で消費され世界最大の産出国の中国も輸入している。輸出余力があるのはオーストラリア、インドネシア、ロシアと南アぐらいしかない。これにアメリカ、インドを加えると世界生産の9割ほどになる。一次エネルギー全体... 続きを読む

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