【いつの世も男と女は…】
ストーリー上での廻り舞台
そこでの『四谷怪談』の演出が非常に凝っていて、なかなか良かった。
海老蔵さんの演技は、等身大の私生活を彷彿(苦笑)とさせるような?
美雪が調理器具を煮沸、局部にシャワーをあてながら堕胎するシーンは衝撃的。
また、 浩介の頭を右足で踏みつけ、転がし弄ぶラストに妙にスカッとさせられた。
浩介が新人女優とイイ仲になり、彼女の父親が海外で起業家として財を成していることを背景に、ベッドでプロポーズを受ける浩介が、そこで言う台詞…
「僕は、芝居しかやったことがないから…」は、
海老蔵さんとまさしく 重なるものがあり…。それもその筈、本作品の企画に海老蔵さんが名を列ねているとあって、まさに自身を投影させての役者魂を見せてくれていると言えそうである。
稽古場に入る前、その日の出席の際に引っくり返す共演の役者たちの名札。その序列、美雪(柴咲コウ)がトップで次いで浩介という辺りや、車中や家庭での夫婦の会話の少なさに然り気無く、すでに浩介の心が美雪の心に重なっていないのだな…と思わせてくる。
洗面台の下のダストボックスに、何本も捨てられている使用済みの妊娠検査薬のスティックや、大量にパスタを茹でているシーンには、ぞっとさせられた。
【余談として…】
先日観たウィノナ・ライダー主演の『パラノイド・シンドローム』と、どこか重なるものを感じた。