最貧困女子 [Kindle]

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著者 : 鈴木大介
  • 幻冬舎 (2014年11月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (113ページ)

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最貧困女子の感想・レビュー・書評

  • ここ何年か女性の貧困がしばしば取り上げられるが、その中でも特にセックスワークに従事する貧困女性に注目する。そうした女性たちの貧困は不可視状態、つまり貧困として補足されづらい状態にあり、その結果、行政や社会の救済の手から漏れ落ちてしまう。そうした彼女たちの実際を、多くのインタビューにより明らかにしていく。
    彼女たちに共通するのは3つの無縁と3つの障害だと著者はいう。3つの無縁とは家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁、3つの障害とは精神障害・発達障害・知的障害だという。もちろん、無縁や障害とは無関係にセックスワークを選択する女性もいるだろうが、そうでない女性たちの中にはそうした無縁や障害のためにセックスワーク(特に違法な売春行為)に絡め取られる者も多い。彼女たちにとってセックスワークは生きるための一種のセーフティネットとして機能するが、それはまったく不完全で不健全なものでしかない。確かに一時の食事、一時の宿を得るのには役に立つが、長期的なセーフティネットにはなり得ずしばしば貧困が継続してしまう。そうした救済から漏れた最貧困の女性たちの姿には、自己責任論で済ますことのできない問題が浮き彫りになる。彼女たちをどのような形で救済していくのか、それは極めて難しい。本書でも一応の解決策を提示してはいるものの、必ずしも包括的でなく、また現実的でもない。対応策の議論としてはまだまだ不十分。とはいえ、こうした可視化されないこの問題を目に見える形で提示したことには、問題提起として意義のあることだとは思う。

  • 金もなく、縁もなく、知力にも恵まれず、傷だらけで放置されている女性たちのルポ。セックスワーカーのあいだでのあまりの格差の大きさが衝撃的。

  • あっという間に読了。こういう実態は存在すると仕事柄薄々は感じていた。ただ、何よりセーフティネットにすら入れない惨状に胸が痛くなる。
    著者の胸が痛すぎてこれ以上追えなかったという文に、彼の実感と本音がこもっていて、じわじわとくる。

  • 一介のルポライターである著者が、セックスワークをせざるを得ない貧困女性を中心に密着取材を重ね、彼女らを取り巻く環境や人間関係、生きづらさを渾身を振り絞って書き記した力作。

    まえがきから抜粋するが、著者による考察として、人が貧困に陥るのには低所得に加え「三つの無縁」と「三つの障害」があると言う。

    前者は「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」、後者は「精神障害・発達障害・知的障害」である。

    例えば、同じ年収125万円前後でも、プア充やマイルドヤンキーと呼ばれるように、非常に生き生きとした生活を送る女性がいる一方、何人も子供を抱えて生活保護を受けるシングマザーもいる。

    ショックだったのは、売春を選ばざるを得ないシングルマザーの中に、正にその場から排除を受ける人がいるという事実。

    容姿に恵まれ、正社員の地位がありながら、小遣い稼ぎのために週一のペースで性風俗の仕事に就く女性。十代で家出をして、非行を繰り返し、そのまま風俗業界へ入り抜け出せない元少女。

    競争が激化する風俗業界にあって、若さや容姿に恵まれない女性は容赦なく切り落とされるのだ。

    「風俗の世界へ足を踏み入れるのは自己責任だ」「風俗は稼げる仕事だ」、これは現代では明らかな間違いである。

    貧困の底辺で喘ぐ女性たちは、また一方で非常にやっかいな性格で、かわいくないし、扱いづらく、近寄りがたいのである。筆者のように、日常的にアンダーグラウンドの世界に密着している人間であっても、数十分も接していれば気が滅入ってくるのだ。それだけに、彼女らの存在は見えづらい。



    最後に、あとがきから抜粋。

    『抱えた痛みは同じなのに、なぜ彼女らを救おうとするものがこれほどまでに少ないのか。彼女らを放置することは、例えば同じ病院の待合室で同じ病気で苦しむ人々がいるとして、一方を診察室に入れ、一方を放置する状態となんら変わりない。果たしてこれが正しい社会とはとても思えないし、これを見過ごすことは絶対的に悪ではないのか』

    この正義感と使命感に心を打たれた。

  • とても意義のある問題提起だったと思う。
    (学童のくだりは目から鱗というやつだった)
    読んだからと言って何ができるわけでもないんだが……。

    新書を読むのに目元を拭いたのは初めてだ。
    正直読みたいのに読み進めるのが辛かった。

  • 再貧困の女子は、稼ぐ能力の低い女子は、地縁・血縁を消失すると本当の貧困になってしまうという書籍。
    更にルックスが良ければ夜の商売で稼げるが、更にルックスも×となると、もう救いようがない状態となる。
    とても悲惨な女性がここにはいるが、これを性をとわず、再貧困の人たちの状態なのだとも思う。
    一方で、北関東のプア充女子の生活力には驚いた。年収150万円でも地縁・友縁を駆使して何不自由なく、充実した生活を送っている女子も、初めて知るライフスタイル。人間、人間関係がいかに重要かがよくわかりました。

  • 問題の根深さがよくわかった。が、実際的かつ有効な対応策が見つからないことが読んでいて本当に苦しい。とはいえ、こうした状況を広く一般に知らしめたという点だけでも価値のある著作だろう。

  • 「一方で貧困とは、低所得は当然のこととして、家族・地域・友人などあらゆる人間関係を失い、もう一歩も踏み出せないほど精神的に困窮している状態。」

    体を売り、一日を生きていく女性に焦点を絞った本。
    興味深く、久々にどんどん先を読みたいと思った作品。

    著者は、貧困は自己責任ではないと言う。この本に出てくる女性たちの多くは知的に障害を持っており、貧困に陥っている。私は貧困は自己責任の部分が大きいと考える。しかし、本書で自己責任ではない、と言われているのはもっともである。なぜなら、知的障害に起因する貧困は自己責任ではないからだ。知的障害者をサポートする社会作りが求められるが、障害故の貧困を一般的な貧困と同じくくりで扱うのはよろしくないと思われる。

  • 「当世売春事情」というところか。週刊誌的な内容。
    格差問題などの内容を期待して読むと辛いかも

  • 貧困やセックスワースと知的障害の関係など、新たに知らされることは多かったし、田舎出身者としていわゆるマイルドヤンキー層のリアルな声を読めたのはおもしろかった。

    貧困女子のセーフティネットであるセックスワースを法的に認め、その代わりに最低限の労働環境を整える。日本では難しいかもしれないが、個人的にはそうなって欲しいと思う。

  •  「貧困」の定義は色々あるだろうが、基本的には「お金がない」「収入がない」ということだろう。しかし本書で取り上げられている最貧困女子は「お金を得る能力が根本的に欠けている」という状態だ。そういう人が女性であればセックスワーカーになるのは古今東西同じパターンであろう。

     同じパターンとは言いながら、具体的にどの様な経緯で彼女たちがそうなっていったのかきちんと調査した事例は少ないのではないか。その理由もまた本書で指摘されている。すなわち、彼女たちは取材に答えることもまともにできない(だから普通の仕事が成り立たない)し、その周囲の人々もいわゆる裏稼業であり、役所の調査にはなじまない世界だからだ。

     ハッピーエンドになることは到底望めない彼女たちの人生を少しでも救うために、誰に何ができるのか。著者はいくつかの提言を述べているが、そうそうなんとかなるようには思えない。恐らく著者自身も感じているのだろう。ただ絶望だけが残る。

  • 経営側からすれば、病んだ男子と女子が惹かれ合い、そこで「会えるのは基本的に店」という縛りだけつけておけば、自動的に店に金が落ちるシステムでもあり、いわばこれがホストの経営

    読んだ記録だけ残したいと思います。何を書いても薄っぺらくなりそうなので。

  • とりあえず貧困女子がいるらしいことがわかる。そして貧困女子の暮らしが少しわかる。

  • 読むと割と胸糞悪くなります。

    世の中には馬鹿でどうしようもない人がいるってことがわかります。どうしてそこでそれを選ぶのかと問い詰めたくなります。

    馬鹿だから最悪の選択をして、性格が悪くて助ける人がいなくて、公的援助からも逃げ出し、ブスだから性産業ですら需要がない。

    救いがなくて読むと気が滅入ります。

    彼女達に非が無いわけじゃない。でも彼女達だけのせいでもない。公的援助から逃げ出すのは彼女達だけに問題があるわけじゃない。

    貧困女子は気が滅入る問題です。でも放置すれば無くなるわけもなく、社会が劣化し続ければ一番ワリを食うのは一般庶民ですからね。なんとかしなきゃ、なんとかなるのかな?

  • アンダーグラウンドな売春と、その貧困について書かれた本。

    サンプルサイズは小さいけれど、実態として、どうにもならない貧困を目の当たりにしたことを書いてあるのはよかった。また、非難を承知の上で、正直に書いてるところも凄いと思った。
    対策や議論を、「専門家に任せる」と書いているのは逃げのような印象を受けた。

    確かに週一のデリヘル嬢とかが出てきたら、容姿があまり良くない最貧困女子は、余計苦しくなりそうだ。

  • 貧困のためセックスワーカーとして生きている女性について書かれています。同じ風俗業の中でも、そこにいる事情というものは違っていて、貧困のため(金銭的にも地縁的にも)、また他の方法を知らないために、そこに居るほかない状態。なぜそうなのかについて、私たちが表面的に見ているだけで感じていることとは違う点について、著者なりに「分かってほしい」という想いで書かれていると思います。
    そこで働かざるを得ない女性は、確かにそこでしか生きられない状態にあります。しかしそれは良いことではもちろんありません。それをどのようにして修正していくべきか。著者もその困難さについて非常にマイナスの意識を持たれています。せめてその現状について正確に知って欲しい、まずそこからという想いが伝わってきます。
    道で倒れている人が居たら、手を差し伸べるでしょうが、その人が睨みつけてきたら助けないでしょう。助けられない人には何らかの理由があります。だから助けないというにはあまりにも多くの、そのような人がいるということ。これは、この貧困は風俗業の世界だけではなく、他にもあると思います。身近で言えば、私たちの職場でも、周囲になじめない、問題のある従業員など、すぐに思い当ります。それを本人の問題と切り捨てることに、ちょっとした疑問を持たないといけないということを感じました。

  • 育てられた環境がひどかったり、障害があったり、まともな教育を受けられなかったりで、こういう働き口しかみつけられない女性達がいる。
    それが社会のセーフティーネットになっている。
    歳を取ったりで、それさえもできなくなることに不安を覚えつつ。

    ホントに現代の日本なのかなって思うような。
    筆者が取材自体が辛いと吐露していた、無力感がよくわかる。
    でもこういう提起によってみんなが知ることは大事なんだろうな。

  • 「三つの無縁」と「三つの障害」が最貧困女子を生み出す原因だと書かれている。
    三つの無縁は「家族の無縁・地域の無縁・制度の無縁」、三つの障害は「精神障害・発達障害・知的障害」である。
    貧困にあえぐ人々は女子に限らず同じ無縁がそれぞれにあると思う。
    以前読んだ反貧困という本に溜が無いと貧困に陥るという事が書いてあったが、それがこの無縁と同じ事である。
    この本は女性にスポットを当てて貧困をルポしているが、女子に限らず貧困はこういう問題が大きいと思う。
    自己責任と批判する人は少なくともこの三つの無縁ではなく何か縁があり溜があるから救われるという事があたりまえだと考えられるポジションの人だと思う。
    貧困というものを自分の想像の中でとらえられる目線を持たないと切り捨ててあたりまえだという立ち位置になると思う。
    貧困はこれから高齢者も含めて襲ってくる社会問題だと思うので、しっかりとこの事を考え捕らえておきたいと思う。

  • 本書に書かれている実態は、筆者ですら心が折れそうなほどに深刻で、どうしようもない状態である。筆者の提案する解決策を誰がどのように実行できるのか?少なくとも個人レベルでできるようなものではない。

  • 読み進めるのがつらくて、何度も閉じては深呼吸、閉じては深呼吸…を繰り返し、ようやく読了。感想は週末にまとめて。

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