ファシリテーションの教科書―組織を活性化させるコミュニケーションとリーダーシップ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ファシリテーションは最高のビジネススキルの一つです。
    ロジカルシンキングも一緒に学べて非常に参考になりました。
    繰り返し読み返したい内容です。

  • ファシリテーションの部分では多くがコーチングと共通スキル部を感じられる。
    その点で会議は誰も議事を送らない傾向にあるため、まずは自発的に送ることから改めてそのうえで、それをみんなができるようにしていく。

  • ファシリテーションとプレゼンテーション。社会人になって必要なスキルだなと思っていた内の一つを詳しく説明した本だった。会議の進め方のような本も読んだことがあるが、この本はすごく詳しい。そしてファシリテーションがいかに難しいか分かってしまう本だった。できるようになると誰からも必要とされると思う、

  • ファシリテーションという難しいスキルについて、論理的かつ詳しく書かれている。ただ、長いのでサブタイトル中心に読んで、気になったところだけ読んだ。

  • ファシリテーションとは奥が深い。仕込みのために論点の地図の把握、場の空気の設定、さばきのために議論の方向づけなど、マルチタスク。

  • 「ファシリテーション(facilitation)」
    人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。
    集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味するもの。
    特定非営利活動法人、日本ファシリテーション協会HPより

    「ファシリテーター型リーダー」のコミュニケーション技術、それを支える思考、持つべき基本姿勢について詳述した本。

    「どうしたら『考える組織』をつくることができるのか?」
    ➔企業、組織が直面する課題の行きつく問い。

    「ファシリテーター型リーダー」
    ・メンバーが考えるべき重要な「問い」を提示する。
    ・メンバーの思考投入量を最大化する。
    ・メンバーの知恵と意欲を引き出す。

    正しい認識を持つ。
    「望ましい議論とはどのようなものか」
    =場をつくれる思考・コミュニケーションの力を持つ。


    <はじめに>
    「考えが伝わらない」
    「考え方の違いが越えられない」
    「相手が何を考えているのかわからない」
    「伝えたつもり」
    「わかったつもり」
    =深く理解し合えていない。

    課題の真因=コミュニケーションのあり方

    考える組織とは)
    組織の1人ひとりがそれぞれの持場で何を解決すべきか。
    ➔なぜそうなているのか。
    =どうするべきかを自ら考え行動すること。
    +自らの考えを積極的に発言すること。
    +知恵を出し合うこと。
    +組織として最適な結論を素早く導くこと。

    立場や利害の違いを越えて合意を形成する。
    ➔納得したうえで一気呵成に動く。

    「議論の場を活性化し、議論の質を上げる」
    ➔不可欠なこと。

    「ファシリテーション」
    さまざまな思考とコミュニケーションの力を総合して実践することが求められる高度な技術。

    正しい理解にもとづいて訓練を繰り返す。
    ➔誰でも能力を向上させることができる技術。

    <第1章 ファシリテーション>
    変革リーダーのコアスキル
    【Q】
    ・人々の意欲を高め、知恵を引き出し、行動に駆り立てるためには何が必要なのか?
    ・ファシリテーションとは何か。誰のための、どのような技術なのか?
    ・ファシリテーターが議論の場で陥りがちな点は何か、その壁はどのように乗り越えることができるか?

  • 読んでよかったです。体系的にファシリテーションを学べます。論理的思考ができることが前提になるので、先にグロービスの「MBA クリティカル・シンキング」や安宅さんの「イシューからはじめよ」、内田さんの「論点思考」等を先に読んでからの方がいいと思います。

  • 動画と組み合わせて見ると良い復習になった

  • ・議論の最終目的は「行動の決定」
    ・その過程で「より良い結論を導くこと」と「結論の納得感を高めること」が重要
     ┗これがないなら議論せずに誰か1人が決めて周りは従うだけでいい
    ・ファシリテーションには「仕込み」と「さばき」のスキルが重要

    ①仕込み(=議論前の事前準備)
    ・仕込みで行うことは3つ
     1. 議論の出発点と到達点を明確にする
      - 出発点:どこから議論を始めるか認識合わせする
      例)キャンペーン実施有無から?実施は確定済で内容から?
      - 到達点:どんな最終結論を出したいかを決める
     2. 参加者の状況を把握する
      - 参加者が「何を」「どれくらい」知っているか想定しておく
      - 賛否の意見は「理由」「背景」まで聞き出す/イメージする
     3. 議論すべき論点を洗い出し・絞り・深める
      - 論点=意見の裏にある「問い」
      - 論点の把握はファシリテーターにとって最も重要
      - ただし1つの意見には複数の論点があるのが普通
      例)売上上がらないから新商品開発しましょう
        論点①:売上の上がらない原因は何か?
        論点②:新しい商品を開発するべきか?
      - 議論すると論点がズレていって混乱することがままある
      - 事前に重要と思われる論点を整理しておく必要がある

    ②さばき(=議論中のスキル)
    ・さばきで行うことは3つ
     1. 発言を引き出す
      - 参加者の発言意欲を高め、発言内容を迷わないように誘導する
      例)当社の現状をどう思うか?→売上低迷に関して◯◯さんの業務の中で思い当たる原因は何かありますか?
     2. 発言を深く理解する
      - 主張と根拠を整理する
      - 分からない点は深掘りしていく
      例)◯◯すべきかに対してYES/NOどちら?なぜそう思ったのか?
     3. 議論を方向づけ、結論づける
      - 論点を意識する
      - 重要でない論点の場合は次回に回す(結構難しそう)
      例)今日はキャンペーンのターゲットが論点なので、コストの話は一旦後回しにしましょう
      - 話がまとまらなかった場合は、「何が合意できて」「何が合意できなくて」「どうすれば結論が出るのか」をまとめて終わらせる

  • 「伝え、説得し、動かす」コミュニケーションはうまくいかない。組織でうまくいくコミュニケーションは「引き出し、決めさせ、自ら動く」ことを目的としなければならない。

    そのためには、事前準備=仕込みと対話の具体的な技術=さばきが大事であると説く。事前準備の部分は一般的な会議の教科書の域を出ない。具体的な技術は骨格を説明しているが、正直なところ才能に依存する部分であるので難しい。定式化は良く、見取り図は頭に入るのだが、それ以上でもそれ以下でもないという感。

  • ファシリテーションについて丁寧に書いてある本。再読する。

  •  ファシリテーター必読の書。
     ファシリテーション技法は多種多様ある。複数のものからその真髄を学ぶのが良さそうだ。本書はその中でも重要な視座を読む人にもたらしてくれる。
     ファシリテーションに関しては別の本*1をおすすめしていた。本書はファシリテーションの流れの捉え方や観点が異なっている。とはいえ、基本的に流れているものは同じである。ステップが異なる等は些細なことである。本質の理解にはこの本の内容は研究に値すると思う。

    *1: ファシリテーション入門〈第2版〉 (日経文庫) https://amzn.to/3z9MO41

    以下引用:

    ■ 頭のキャパシティの限界を超える「仕込み」
     ファシリテーションの現場において自身が考えることを減らすしかありません。つまり事前に十分な準備をし、本来あるべき議論の姿をイメージしておく。そして、その場で出てくる発言を適切に位置づける地図を頭の中に持っておく必要があります。私はこれを「議論の仕込み」と読んでいます

    ■ 適切にメンバーの思考を導く「さばき」
     議論を乗り越えるには、1つひとつの発言に対し、ファシリテーターがどのように向き合い、対応するのか、その基本的となるコミュニケーションの原則を理解し、訓練を積むことが必要です。具体的には「意見を引き出す」「話を聴き、理解する」「話を導く」「話をまとめる」という基本的なステップを押さえ、それぞれのステップで何を考え、どのように反応・対応すべきかを知ることです。こうした具体的なコミュニケーションの手法を、私は「さばき」と呼んでいます。

    ■問題解決の難所
    (問題解決においてやりがちな誤り) → (その結果) → (やるべきこと)
     決め打ち → 見落とし、抜け漏れ → 広げて
     絨毯爆撃 → 無駄が多い → 絞る

    - 「さばき」の基本動作
    - 発言を引き出す
    - 発言に対する意欲を高める
    - 発言をしやすいような刺激を与える
    - 発言を理解し、共有する
    - 発言を受け止め、理解を確認する
    - 発言を位置づけ、共有する
    - 議論を方向づける
    - 広げる
    - 深める
    - 止める
    - まとめる
    - 結論づける
    - 議論の到達点を確認する
    - 行動につなげる

  • 先日、酷い会議を主催したので読んでみたファシリテーションの教科書。

    そもそも、ゴリゴリのごり押しで会議進めようとしていたことを反省したい。事前に考えるべきことが何となく理解できたので、もっと「仕込み」に時間をかけなくてはいけないなぁと思った。

    前回の酷い会議では、問題や課題の共有が不足していたり、会議に参加する人の関係性や、どう議論を進めるべきなのか、議論を想定してツリーを作っておくなどの仕込みが足りずに、会議の半ばで課題の共有に入ったり、決裁者への問いかけを怠ったり、出てきた意見をうまく整理するさばきが全然できてなかったことが、この本を読んでよくわかった。まぁ、いきなりできるようになるとは思わないけど課題感が見えただけでもよしとしたい。

    初めて読んだファシリテーションの本なので何から何まで目新しく素晴らしい内容だと思えたので評価は星五個にしていますが、こういった実用書の価値って読む人によって大きく変わるよなぁ。と思ったり。

  • ファシリテーションの奥深さを教えてもらった。
    しかし非常に難しく冗長的に書かれているので読み難く、結果として頭に残らないです。

  • ファシリテーションと言いつつ半分以上は論理的に物事を進めるための方法論という内容。それでも感情や気持ちを大事にしながら議論を始め、進めていく方法なのかな。
    ファシリテーション以上に、議論をするときや他者に意見を求めるときに参考になる話が色々書いてあった。

  • 議論を適切にファシリテートするには、そのための「仕込み」が必要だ。

    これは結論をファシリテーターが決めておくということではない。
    仕込むべきなのは、「議論すべきこと」。

    何を議論すべきかをあらかじめファシリテーターの方で掴んでおき、そこに向かって参加者の思考を誘導していく。

    なぜか?

    議論終了後に、その決定内容が熱量高く実行されるためには、過程が重要だからだ。
    参加者を意思決定に関与させ、それに納得してもらう必要がある。
    結論だけ用意しても駄目なのだ。

    正しい結論を出すことではなく、その後正しく実行されるようにすること。
    ここまでがファシリテーターの役割である。

    そしてそのためには、ファシリテーターは誰よりも、テーマについて深く知っておかなければならない。


    本書はファシリテートの技術について、特に「議論の仕込み」について書かれた本である。
    「議論すべきことに向けて誘導していく」という発想はなかったので、色々参考になった。

    ただこの本、とても長いという欠点がある。
    タイトルは「ファシリテーションの教科書」だが、悪い意味で『教科書的』なのだ。

    全体を網羅しようとして、かつそれぞれを均等に細かく書くものだから、全体的に冗長になってしまっている。
    もっと要点を絞って、価値の薄い部分はバッサリ切ってほしかった。
    また各章冒頭で出てくるたとえ話も、いちいち長い。

    この本の全部を頭に入れるのは難しく、そういう意味で「あまり役に立たない」本となってしまった。
    そこが残念である。
    (長けりゃいいってもんじゃないぞ、である)

    内容自体は良いと思うので、要約本の登場を望む。

  •  ファシリテーターの奥義は合気道にありという。会議の運営を司る者の頼りとなる本である。
     会議の司会をするとき、自分の立ち位置にはいつも戸惑う。結論を急ぐのがよいのか、時間をかけても合意を得て、団結力を高めることに力点を置くべきか。
     本書によれば、ファシリテーターは高所に立って議事を見わたす能力を求められるのだという。論理の流れを予測して到達点を見定めておく配慮がいるようなのだ。
     言うは易し、でも何をやるべきなのかは行き当たりばったりになりがちだ。本書はそれを言語化している。目新しいことはないが、これまで手探りでやってきたことを類型的に整理できることでファシリテーターに近づける。そんな気にしてくれる本である。

  • Amazonのセールコーナーで見かけて気になり、評判も良さそうだったので購入。いかにも教科書でよい、という評判が多かった。読みかけて、確かにそうだと感じる。ビジネス現場での会議でのファシリテーションの話なんだけど、研究会に応用したいところです。一番困ってるのはそこで。

  • 今やっている仕事がまとめ役なので、焦って読んでみた。どうしたら参加者が『腹落ち』するかの方法について、いろんなタイプのやり方で図解してあり、文章だけよりも、振り返りがしやすくてよかった。

    実際やってみて思ったのは、脱線なのか、有意義な自由な論議の延長ととらえるか。全体見てコントロールするのは難しいと思った。偉い人からあんまり知らない人までいるパターンなので、特にそうなのかも。

    一通り読んで、毎回自分で試行錯誤に取り入れるしかないかなとは思う。実践あるのみ。

  • 私たちが持つ考えの偏りや知りうる情報の限界を超えるためにこそ、衆知を集め議論する意味がある

    ファシリテーターやりました、全くできませんでした。議論の内容を完全に理解できていなかったのは勿論、出席者の質問の意図を掴むのも一苦労で、議論の幅を広げる余裕がありませんでした。

    少なくとも、議論する内容に関する実体験は必要かなと思います。そうでないと、言葉に重みがないというか、説得力がありません。

  • 会議設計〜会議のふるまい、捌き方

    とても参考になる、密度濃い。
    もう一回ハイライトしたとこ読み直してレビュー書く

  • リーダーシップを具現化するために必要なスキルがファシリテーション。ファシリテーションによって腹落ちを生み出し、仲間の納得感を醸成することで高い成果を実現する。
    具体的には以下の様なことをする。

    「仕込み」
     議論の骨格:出発点と到達点、合意形成プロセス、参加者の状況
     「論点」:広く洗い出し、絞り込み、深める
     合意形成:場の目的→What(何が問題か)→Where(どこが問題か)→Why(なぜそうなっているか)→アクション選択と合意→実行プランの確認共有
    「さばき」
     発言を引き出す→理解し共有する
     議論を方向付け(広げる・深める。・止める・まとめる)、結論付ける
     対立をマネジメントする(対立原因をとらえ、背後に有る認識と感情を扱う)
     感情に働きかける

    同書ではファシリテーションは合気道のようなものと言及していて、確かに納得できる。
    また、改めて読んで感じるが、自分の思考回路で行われていることを、潜在意識に任せず丁寧に分解し、そしてそれを順番に皆で確認・議論することが本質なのだと感じた。

    分かりやすく整理されているので、読みやすい本だった。

  • グロービスのファシリテーションの授業の内容を更に厚くした内容。

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著者プロフィール

グロービス
1992年の設立以来、「経営に関する『ヒト』『カネ』『チエ』の生態系を創り、社会の創造と変革を行う」ことをビジョンに掲げ、各種事業を展開している。グロービスには以下の事業がある。
●学校法人グロービス経営大学院
・日本語(東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン)
・英語(東京、オンライン)
●グロービス・エグゼクティブ・スクール
●グロービス・マネジメント・スクール
●企業内研修/法人向け人材育成サービス
(日本、中国、シンガポール、タイ、米国、欧州)
●出版/電子出版
●GLOBIS知見録/GLOBIS Insights(オウンドメディア)
●GLOBIS学び放題/GLOBIS Unlimited(定額制動画学習サービス)
●グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャーキャピタル事業)




「2023年 『入社1年目から差がつく ロジカル・アウトプット練習帳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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