儚い羊たちの祝宴(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 『氷菓』『インシテミル』で有名な米澤穂信の作品。『氷菓』は読んでないが。

    内容はちょっとゾッとする短編集といった趣き。
    「バベルの会」というものがそれぞれの短編に出てきて薄っすら繋がっているものの、基本的には独立した作品である。

    それぞれが人間の怖さというか、裕福な一族に関係する、何らかの感情が抜け落ちた感じの人が織りなす恐怖みたいなものを書いている。
    で、だいたいが最後の1行(1ブロック?)でゾクッとさせるような構成になっている。

    上手いし怖いのだが、ある種ワンパターンでもあり、まぁ簡単に人殺すね、みたいな印象もある。
    (ただ『山荘秘聞』はその更に裏をかいた感じなので逆に新鮮だった)

    しかし人間ってのは裕福になって没落しつつあると、謎の狂気を生み出してしまうのだろうか?
    と感じてしまう。

    物凄い謎をスパッと解く!みたいなミステリーではないが、狭い地域で起きた小さな謎が恐怖と共に解決される、みたいなのが好きな人には良いかも。

  • 【味わえ、絶対零度の恐怖を】


    読書サークル“バベルの会”で繋がる短編集。
    “ラスト1行で世界が反転”の帯に惹かれ読んだ。
       
    ミステリーというより人怖なホラー感強め。
    主な登場人物は家主と仕える使用人。
    物語の全体の雰囲気としては、『本当は怖いグリム童話』を読んでいるような感じだ。

    どの物語もラスト1行は読んでいて騙された.ᐟ.ᐟという感じというより、ラストでゾクッとするような終わりになっている。
    また、含みをもたせたラストなので、読了後は考察サイトを見たり、誰かと語りたくなるような構成も面白い。
    “あれは、ああいう事だよな”と反芻してはまたゾクッとする二度楽しめる作品だ。

    短編集なので隙間時間でも手に取りやすく文章も読みやすい。


    こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
    ・人怖が好きなひと
    ・どんでん返しが好きなひと
    ・意味がわかると怖い話が好きなひと

  • とある読書会でうっすらと繋がった短編が5篇収録されていた。ミステリとしてのカタルシスはそこまでないが、根本的に変化も成長もない陰鬱とした雰囲気に引き込まれた。漢文のおばあちゃんの話が好き。

  • 「大どんでん返し!」をはじめとする売り文句に惹かれて購入したが、肩透かしをくらったような…というのが正直な感想。なるほど、と思わせられる一文はあるが個人的にはもう少し謎の深いミステリを期待していた。機会があれば別の作品も読んでみたいとは思う。

  • 読み始めてから暫く期間が空いてしまった(確か8/16,7くらいに読み始めた記憶)が読み終わった.
    正直、全てに共通したその世界観があまり好きになれなかった.どんでん返しが凄いと騒ぎ立てられているけど、言うほど強烈なひっくり返しじゃないし地味なものが多かった印象.派手であればあるほど良いという訳では無いのはそれはそうだが、どんでん返し以外に面白ポイントを見い出せ無かったので、それが強烈な必要はあると感じるのも仕方がないと思った(え?) かなり人を選ぶ作品かもしれない

  • アミルスタン羊、恐ろしい。

  • 最後の一行が衝撃的というレビューを見たがそんなに衝撃は受けない

  • 登場人物が階級の高い人(もしくはそこに仕えている人)なので一定の品格が常に語り口から感じられて心地よかった。私の人生では起こりえない環境や心情の追体験が出来たように感じます。
    また話はいくつかの単話構成で、別々の人物の物語が入っているのでその語り口にも性格の違いを感じられるので飽きなかったです。

  • 米澤先生初体験がこの本。
    とっつきやすい文体に興味をそそられる謎。印象に残る話がなかったので★3にしたが、小数点までつけられるなら★3.5にしたい。

  • 5篇の小説を収録。いずれも金持ちセレブ一家の娘は、大学の読書会「バベルの会」に所属。実家のドロドロとした内情が事件を呼ぶ。
    手紙や一人称の告白体で物語が展開され、最後はゾッするような結末。特に「玉野五十鈴の誉れ」は最後の一文に人間の闇の濃い部分が凝縮されててゾクゾクとする。

著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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