ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち [Kindle]

著者 :
  • 日経BP
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感想・レビュー・書評

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  • cakesで連載されていたドワンゴの川上さんのインタビュー記事をまとめたもの。
    色々と思うところがあり、川上さんの考えを知りたくて読んでみたら、けっこう面白かった。
    歯に衣着せぬ物言いで軽妙に語っているのは、インタビュアーの功績でもあるだろう。
    こういうタイプの人は自らは決して発信しないが、引き出す人がいれば、多くの情報量が溢れてくる。
    プラットフォーマーとして、どのような哲学を持っているのかなど、興味深い内容が多かった。
    万人にオススメではないが、興味があるならサクッと読めるし読んでみるといいだろう。

    ■目次
    1 KADOKAWA・DWANGOはこうつくる
    よくわからないからこそ、解きたいと思う。
    国産の大きくて安心なプラットフォームには意味がある。
    コンテンツを客寄せの道具にしない。

    2 ニコニコ動画のつくり方
    CTOとしての公約はインフラ改革と女子マネージャー。
    とんでもなく悪いUIをつくる。
    「しょうがないな」と思われるポジションをつくる。
    エンジニアのサウザー化を防ぐ。
    デザイン中心の会社になる。
    原理的にどこまでできるかを考える。

    3 ニコニコはこう動かす
    思想は持たない。
    ヘイトスピーチは中身ではなく、手法を取り締まる。
    オープンになるほど多様性は減っていく。
    クリエイターが奴隷のようになる場所に、ニコニコをしたくない。
    インターネットには国境をつくったほうがいい。

    4 バカにはバカと言い、計算ずくでバカをやる
    世の中が批判しているものは、全部みんなが望んだもの。
    バカだとわかって、バカを一生懸命にやるのが一番いい。
    新プロジェクト、うまくいくのは勘違いしているバカな馬。
    勝つために必要なのは勇気じゃなくて、計算です。
    会社である以上、経済合理性で人を雇うべき。
    新卒一括採用を否定するのは、バカである。

    5 論理をとことん考える。
    川上量生はオヤジキラーなのか。
    「似ている問題」を論理的に考える。
    文系は論理を手段にし、理系は論理で真理を探求する。
    不幸な人間だけが夢を持つ。

    6 1億年先を考える
    経営者になるまで、僕ほど性格がいい人はいないと思っていた。
    正義や使命感をビジネスの軸にしてはいけない。
    システムと人間性の対立は、歴史の軸になってくる。
    人類は滅びないほうがおかしい。

著者プロフィール

かわかみ・のぶお 1968年愛媛県生まれ。91年京都大学工学部卒業。97年8月ドワンゴを設立。株式会社KADOKAWA・DWANGO代表取締役会長を経て、現在はKADOKAWA取締役、ドワンゴ顧問、学校法人角川ドワンゴ学園理事などを務める。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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