古典再入門 『土左日記』を入りぐちにして [Kindle]

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  • 少々舌鋒は鋭いが、自らの進めてきた研究に対する圧倒的な自信が隅々にゆきとどいている。
    それは、古より伝わる我々の先人が残した偉大なる作品群と、真摯に向き合ってきた態度がなせる業だろう。土左日記冒頭に間する通釈が、これほどまでに覆るとはおもいもしなかった。
    日本語の表記体系の発達については、本書ではメインとして扱われておらず若干消化不良だったので、小松先生の別の著作を読んでみたいと思う。

    評価を3としたのは、版元の笠間書店にその原因がある。電子書籍の編集が雑すぎるのだ。紙媒体をPDFにして貼りつけただけかのような編集には辟易とさせられた。ハイライトはおろか、文字の拡大もできないのだ。文献学者として、まず書かれているものと正面から向き合う事を重要視する著者の姿勢を踏みにじるものだともいえる。読者の側に立った編集を切に願う。

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著者プロフィール

出生 1929年、東京。
筑波大学名誉教授。文学博士。

著書
日本声調史論考(風間書房・1971)
国語史学基礎論(笠間書院・1973:増訂版 1986:簡装版 2006)
いろはうた—日本語史へのいざない(中公新書 558・1979:講談社学術文庫・2009)
日本語の世界7〔日本語の音韻〕(中央公論社・1981)
仮名文の原理(笠間書院・1988)
やまとうた—古今和歌集の言語ゲーム(講談社・1994)
仮名文の構文原理(笠間書院・1997:増補版 2003:増補版新装版 2012)
日本語書記史原論(笠間書院・1998:補訂版 2000:新装版 2006)
日本語はなぜ変化するか—母語としての日本語の歴史(笠間書院・1999:新装版 2013)
古典和歌解読—和歌表現はどのように深化したか(笠間書院・2000:増補版 2012)
日本語の歴史—青信号はなぜアオなのか(笠間書院・2001:新装版 2013)
みそひと文字の抒情詩—古今和歌集の和歌表現を解きほぐす(笠間書院・2004:新装版 2012)
古典再入門—『土左日記』を入りぐちにして(笠間書院・2006)
丁寧に読む古典(笠間書院・2008)
伊勢物語の表現を掘り起こす—《あづまくだり》の起承転結(笠間書院・2010)
平安古筆を読み解く—散らし書きの再発見(二玄社・2011)
日本語を動的にとらえる—ことばは使い手が進化させる(笠間書院・2014)
土左日記を読みなおす—屈折した表現の理解のために(笠間書院・2018)

解説執筆
小川剛生(おがわ・たけお 慶應義塾大学文学部教授)

「2020年 『新版 徒然草抜書 表現解析の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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