花園の悪魔 (角川文庫)

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  • 1978年発売
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)

花園の悪魔 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • チューリップ花壇でポーズをとる全裸死体、白骨死体に肉付けして復元された女性の人形、死亡した少年のデスマスク、獄門岩の上に乗っかっていた首。遺体のディスプレイにこだわった中編4作品。それぞれ、凝った設定で、真相も意外性があり、なかなかの出来。

    「花園の悪魔」
    温泉のチューリップ花壇で見つかった全裸の絞殺死体。女の衣装や靴が持ち去られていたが、なぜ犯人はそうしなければならなかったのか。その理由を説明する意表を突く真相。被害者が絞殺後に犯されていたことが大きな欺瞞になっている。

    「蝋美人」
    身元不明の白骨死体を肉付けする法医学者の復元実験。復元された女性にまつわる過去の殺人及び失踪事件、事件発生時のオルゴールに関する謎、新たな殺人事件の発生、とスピーディーに物語は進行していき、大きな欺瞞を持つ真相は意外性十分。ただし、読者が推理するうえでの手掛かりが不足しているし、身元不明の白骨死体の発見など、ご都合主義と感じる箇所もあった。

    「生ける死仮面」
    怪しげな画家が、死亡少年のデスマスクを作成し、その腐乱死体と戯れる猟奇的な冒頭場面が印象的。その少年の家族を中心とした複雑な人間関係、腐乱死体の身許に関する疑い、別のバラバラ死体の発見等々、短い作品の中に色々と盛り込み過ぎて、消化不良でわかりにくくなっていると感じた。バラバラ死体の胴体がなかなか出てこなかった理由が面白い。

    「首」
    「獄門岩」の上に乗っかていた首、胴体が浮かんでいた「首なしの渕」。三百年前に起きた事件と同じことが昨年繰り返され、今年再び繰り返される。わざわざ首を切り落としたのはなぜか。去年と全く異なる関係者の間で同じことが繰り返されたのはなぜか。金田一耕助は、犬がお籠り堂につながれていたこと、里村の遺体が後で靴を履かされていたこと、馬頭観音がなくなっていたことなどに注目する。金田一耕助の目の付け所は鋭く、それから組み立てられた推理も理にかなっている。

  • 金田一耕助物の中でもかなりマイナーな作品を収録。
    「首」については金田一耕助シリーズでドラマ化されているが…。
    個人的には「蝋美人」が好き。

  • 『花園の悪魔』
    温泉旅館のチューリップの花園で発見された南条アケミの遺体。アケミと待ち合わせしていた男。アケミが所属していたヌードモデル事務所での聞き込み。アケミが親しくしていた山崎銀之助。モデル事務所の社長鈴木の証言。山崎を犯人として追う警察。金田一耕助の推理。

    『蝋美人』
    山奥で発見された死体に肉付けをして生前の顔を再現する畔柳博士。出来上がった顔は夫・伊沢信造を殺害し逃亡中の立花マリだった。死体発見者の供述からも死体はマリと考えられたが。畔柳博士と伊沢家の関係。畔柳博士の助手・瓜生とマリの関係。

    『生ける死仮面』
    彫刻家・古川小六のアトリエで発見された女の遺体。 遺体を愛撫する小六。デスマスクから遺体は小六の男 色の相手・緒方辰雄とされた。辰雄の死を望むと思わ れた養父母の釿次郎夫妻。緒方家の遺産と小六の妻・ 光子。バラバラにされた女の遺体の発見。

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