OZMAFIA!!-vivace- - PS Vita

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  • Amazon.co.jp ・ゲーム
  • / ISBN・EAN: 4580302151083

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    主人公・フーカは目覚めたとき、それまでの記憶の全てを持っていなかった。
    自分の名前も、自分が誰なのかも知らないまっさらな主人公は、オズファミリーの保護下に置かれ、彼らと過ごす中で自身の記憶を探すことになる。


    【主人公】
    呑気で天然、純真無垢そのものの主人公。
    記憶を一切持っていなくても悲壮感がまるでありません。
    わからないことがあれば「なぜ?」と問い、相手のスペースにもずかずか踏み込んでくる。
    自分の欲望に忠実で、あまり後先考えないし、周りの迷惑も顧みない。
    それは、周りがいかに「危険だから近づくな」と言おうと、「○○さんに会いたいから…」とあっさり禁を破るほど。
    恋愛の切り替えも早く、お付き合いしている相手に不満を覚えるとすぐに別の相手に揺れ、あやふやな気持ちのまま浮気相手と一夜を共にするという驚き展開。…正直ついていけません。

    見た目に反し幼稚園児のような思考回路なので彼女の行動を理解できないし、言動にイライラさせられる場面も多々。
    ただ、自分の感情に素直ではあります。
    可愛い、と思えるシーンもあるんだけれど、それを上回る「こいつバカなの?」言動を許せるか否かで評価が変わりそう。

    なお、彼女が子供の様な振舞いをするのには理由がありますが、それが判明するのは全キャラ攻略後に見れる「エピローグ」にて。


    【攻略対象】
    いずれもひとクセあり、魅力的ではありますが、一部「このゲームは一体何を目的にこのネタに挑戦したんだ…?」と問いたくなるようなキャラも。人によってはストーリーに地雷があるかも、なので、そういった点は要注意。

    なお、気をつけたい地雷要素は以下。
    ○フルコンプ後に見れる「真相編」で印象が180°変わるキャラクターがいる
    ○故人を妻に持つ既婚者攻略キャラがいる(&奥様のことをふっきれていない)
    ○どうあがいてもバッドエンドな攻略キャラがいる


    【システム】
    ノベルゲーム。
    流星群祭りまでが共通、以後キャラ分岐。
    オズファミリーは攻略中のキャラの好感度が高い「純愛ルート」と複数名の好感度が高い「三角関係ルート」へ分岐します。
    オズ以外のキャラクターは基本一本道で、終盤の選択肢でエンドA/Bに分かれます。

    オズ3名のうち1名をクリアすると他ファミリー√がオープン。
    ハーメルンはロビン攻略後に、ソウは全キャラ攻略後にオープン。
    真相編はソウをクリアすると開きます。
    グランドエピローグは全キャラの全エンディング+既読率100%でオープン。


    【ストーリー】
    <<主軸>>
    記憶を持たない主人公がマフィアの統治する世界で世界に触れ、過ごすお話。時折いざこざが起きますが、概ね平和で楽しい日々を過ごすことになります。
    後半、追放された犯罪者が街に戻って来ることでトラブルが勃発しますが、すんなり解決。どのルートでも大きな問題が起きてから解決するまでの時間/テキストが少なく、読み手としてはとてもあっさり、「何の苦もなく」解決したように映ります。そのため、盛り上がり不足というか、不完全燃焼状態でエンディングに辿りついてしまう。

    なお、↑で記したキャラクターの地雷の他にストーリーでも地雷になりそうな要素があるので以下参照。
    ○女性キャラクターが攻略対象のひとりに恋をする友情√がある
    ○主人公が欲望に塗れ快楽の世界に溺れる√がある

    <<恋愛>>
    オズメンバーは比較的丁寧に描写が入ります。
    とりわけアクセルは彼自身がフーカを意識するきっかけも納得がいきやすい。
    一方で、どう考えても腑に落ちないキャラも…。

    恋愛観は基本的にはピュア、なんですが、
    三角関係√からお相手を乗り換えると、乗り換えた瞬間からいきなりベッドシーンに突入するので「オイオイオイオイオイ?!!」というツッコミは禁じえない。
    純愛√だとピュアなのに…、三角関係で乗り換えると主人公の股が緩すぎて…驚く。

    また、オスカーワイルド(娼館)√だけはとても特殊です。


    【感想】
    色々新しくて、面白かった。
    「これ乙女ゲームだと地雷じゃね?」というような要素を盛り込んでくるので、個人的には新しくてとても楽しめました。

    ただ、随所に勿体ない要素があるというか…、
    これがもっと突き詰められていたら凄く良かったのにな、と思うところは多々あります。

    この作品は、ストーリーの本筋に触れるのが「真相編」と「グランドエピローグ」の2つだけで、他は伏線すら張っていない√が殆ど。テーマに掲げられる「マフィア」要素を感じる部分がとても少ないです。
    また、どのルートでも大きな問題が起きてから解決するまでの時間/テキストが少なく、読み手としてはとてもあっさり、盛り上がる前に終わってしまう感覚に陥ってしまう。
    これらが相まって、とてもライトな仕上がりというか、重厚なストーリーやマフィアらしさを求める人間には「最後までゲームをプレイするモチベーション」を保つのが大変かなー、と思います。

    恋愛描写においても、「三角関係」というネタは斬新で面白いのに、とくに葛藤やわだかまりもなくあっさり終了する上にどのキャラも(主人公含め)切り替えが早すぎて「ええええええ?」ってなる。
    設定を活かしきった、とは言い難い出来栄えです。

    また、スチルもとても美麗なものがある一方で、”仕上げ”をしていないかのようなものもあり、出来栄えに差を感じます。
    キャラデザや立ち絵は綺麗でも、スチルになると途端塗りが粗かったり線が多すぎ・足りなかったりで「手抜き」に見えるので、ちょっとこの辺りも気を付けて欲しい…。

    …とはいえ、キャラクターはとても魅力的だと思いますし、オープニング/エンディングともに素敵。
    アイキャッチの使い方やグランドエピローグからメインタイトルに戻る際の演出など、とてもこだわって作っているところもあり、そういった要素はとても考えられているな、これをやりたかったんだな、と思わされて盛り上がります。
    確固とした信念を感じるからこそ、途中で手を抜いてしまっているのが惜しいというか、もっと自分が表現したいものを完成させて発表して欲しかった、と思ってしまう。

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