屍者の帝国 (河出文庫) [Kindle]

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  • 河出書房新社 (2014年11月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (405ページ)

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屍者の帝国 (河出文庫)の感想・レビュー・書評

  • 映画はずいぶんわかりやすいように改変されていたんだなぁー、と驚いた。ハダリーの能力とか映画見てなかったら正直よく想像できなかっただったろうな(;´・ω・)結構難解なのですが死者が労働力となる世界>>都合のいい労働者を生み出すために霊魂を上書きしてしまう という技術の応用はいかにもありそうだ。「それは私がやり残したことじゃない。私の意識がやり残したことさ」というのが伊藤計劃のメッセージのようにも見え、また遺稿を引き継ぐというえらい仕事を任せられた円城さんが苦渋の果てに見出した答えのようにも思う。

  • 伊藤計劃の名前につられて購入。
    なんとなく読み飛ばしていたので、完全には理解できていないかもしれない。
    とにかく話がわかりづらい……。
    ただ、読んでいる間ワクワク感を覚えたのも事実。
    舞台は産業革命時のイギリスからロシア、日本など世界各地に広がり、
    ゾンビ物と思われたテーマは、いつの間にか世界の存亡(?)につながっている――。
    風呂敷の広げ方とたたみ方、そして発想はすごいなあ。

  • とても上から目線のコメントで申し訳ないです。でも、正直な感想です。そもそも、私は伊藤計劃さんの映画が公開されるというのがきっかけで本書などを読み始めました。「虐殺器官」から「ハーモニー」、そして本書をと、発行順に読んできました。3作品を比べると、明らかに本作品は伊藤計劃さんのテイストというか色が薄いのです。違う色だと言った方がいいかもしれません。もちろん、ほとんどの部分は円城氏が執筆しているのだから仕方ないのですが。そんなわけで、伊藤計劃さんの作品として読もうとするのはやめた方がいいです。

    ところどころ、あえて伊藤計劃さんを意識した文章もあります。意識の定義みたいなものは「ハーモニー」のそれのようだし。生きている者と死んでいるものとの絡め方は伊藤計劃さんの考えに近いのかなと感じます。

    最初に書きましたが、読み方としては、伊藤計劃作品というのを忘れた方が楽しめます。単体の作品として良くできているので、円城さんの作品として楽しむべきなのでしょう。そうしないと私のように何か物足りなさを感じてしまうので。

    最後に、伊藤計劃作品として読もうとする人は、読む順番を考えた方がいいかもしれません。もしかすると、最初に本書を読んで、次に「虐殺器官」、最後に「ハーモニー」と続けるのが、個人的には良いと感じました。「ハーモニー」を最後にするのがポイントです。

  • 屍者にプログラムをインストールするという発想は面白い。
    けど、書いてあることが哲学的で難しくて、よくわからんかった・・・

  • これもまたすごい話だ。死者がよみがえる世界で、主人公が迫る「人間の意識とは、魂とはなにか」という問い。難しい話も多いがしかし小ネタも多く、登場人物も魅力的なので一気に読めた。

  • 面白いのだけど私には難解すぎました。また折を見て読み返したいと思います。

  • 伊藤計劃三部作という気持ちで読み始めたが、少し読み進めた時点で彼のエッセンスを残しながらも円城塔作品なんだなあと実感して意識が切り替わったような気がした。円城塔は「道化師の蝶」のイメージが強かったので、彼がこれほどエンターテイメント性の強い作品も書けたのだと言う事に少し驚いた。綿密に練り上げられた設定と目の離せない巧みな展開に引き込まれ、時折織り込まれる歴史や先行作品の小ネタ、『ディファレンス・エンジン』の影響などにニヤリとさせられたのも印象的だった。

  • 難しくよくわからん

  • とりとめもなく屍者の帝国読了後の感想を書いてみたいと思います。寝ぼけながら読んでしまった部分もあるので、小説の内容に対してピントが合っていない部分があるかもしれませんが、ご了承ください。

    ザ・ワンが菌株と呼んだXを、私なら遺伝子と呼びたいです。遺伝子はある意味で言葉でもあります。

    遺伝子はDNAという物質に書かれた情報であり、ACGTの四文字で構成されます。文字で表せる以上、それは一つの文章とも言えます。遺伝子音楽というものもあります。
    ただ、人の魂をDNAだとしてしまうとあまりにも人を物質として見過ぎですし、実際に小さなウイルスは化学式で表せるレベルで物質扱いされていることもありますが、ともかく、人の魂はX=遺伝子+言葉、あたりに表現しておきたいです。主人公のワトソンくんが医学生かつ物書きなのでそう表現するのも面白いと思います。

    Xが遺伝子だというのは、ザ・ワン=チャールズ・ダーウィンの長々とした説明からそう思ったのもありますが、菌株の拡大派というものが存在するというところからそのように思いました。
    菌株の拡大派、それって癌そのものではないか。
    本来の細胞周期から外れて、無尽蔵に増え続け、正常な細胞を圧迫し、個性を持たない癌細胞(の遺伝子)。それと本作に登場する「屍者」との間には類似性があるように感じます。
    ちなみに、20世紀の半ばにDNAが二重らせん構造を取ることを証明した人たちにもワトソンって人がいます。こちらはワトソンはワトソンでもジェームズ・ワトソンですがwww(円城さんがあやかった可能性はいかばかりか)

    このように考えて、本作の最終局面を考慮すると、死をなかったことには出来ないけれど、死を塗り替えて希望を持って生きてほしいというようなメッセージが
    あるような気がします。
    つまり、言葉と遺伝子を受け継いだフライデーが意識を持って人間らしくなって感謝の言葉を述べてるのはとても良かったね……と、陳腐な言い方になってしまったが、伝わってほしいです。

    Xに遺伝子を代入して、言葉によって作家の命は本の形で後世に受け継がれていくわけで、この度のアニメ化は、伊藤計劃さんの遺した言葉から新たな命が芽生えたわけで、喜ばしいことだと思います。
    ただ、映画で腐女子ウケを狙って私のような人間を網に引っ掛けるのはいいのですが、ワトフラの濃厚な描写はいかがなもんかと思いました。
    遺伝子は、オスの配偶子とメスの配偶子が接合して新しい個体を生み出していくので、同性愛的表現は本作の意図にやや反しているのではないかなーと思わなくもないです。
    フランケンシュタインであるザ・ワンが花嫁を求めるのも、ワトソンとアドラーがいい感じになるのも、それなりの意図があって物語に配置されたはずですが、映画ではこの部分がかなりわかりにくくなっていて、残念です。
    ただ、映画の改変は、2時間で収まるようにかつ分かりやすい展開を持ってくることでまとまっているのでそう無下にはできません。個人的には、映画は分かりにくいですが楽しめました。

    小説と、映画の差異=ディファレンスを比べるのも楽しく、背景や屍者の動き、アクションシーンが可視化されてとても小説が読みやすくなるのも良い点でした。
    ひとまず、映画版「屍者の帝国」には、ありがとうございましたと言いたいです。
    小説の屍者の帝国へも言わずもがな、ありがとうございますと述べたいです。

  • 円城塔によるエンタメ小説だった。面白かったんだけど、単語を拾っていくのが大変でなかなか読み進めるのに苦労した。

  • ーーー屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入。
    その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフより渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける


    なんとか映画公開に間に合った。
    伊藤計劃の未完の絶筆を、円城塔が引き継いだ作品。

    文章の随所に伊藤計劃への敬意があるように感じられた(もっとも円城塔は否定しているが)
    『虐殺器官』『ハーモニー』に連なる作品として遜色のない出来になっていると思う。
    「自らを構成する魂・意識の源について考える自我」について考察しているキャラクターが語る文章という眩暈がしそうな構造も登場するが、それもまた心地よい。





    可能なことはいずれ起こるし、想像できることは実現される。

  • 生と死との境界、意思に対しての疑い。
    哲学的な問いが多くおもしろい。

  • 単行本版との違いは円城先生のあとがきがあるかないか、だけです。しかしながら、それはこの作品の構造を理解するうえで本当に大きな違いです。

    あとがきを含めたこの版を読むことで、単行本版では位置づけに違和感があった最後のフライデーの独白の意味合いについて、理解をすることができたかと思います。

  • 伊藤計劃の遺稿を円城塔が完成させた小説。
    古いSFや文学作品の登場人物がわんさか登場してリーグ・オブ・レジェンドみたいだった。
    「カラマーゾフの兄弟」のアリョーシャや「未来のイヴ」のハダリーまで出てきてネタ元を探すだけでも楽しい。

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