合本 竜馬がゆく(一)~(八)【文春e-Books】 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 全8巻とかなりのボリュームであったが、ひと月かけてようやく読了。
    坂本竜馬という名前は知っていたけれど、恥ずかしながら何をなした人なのかまったく知らなかった。読んでみるとなるほど、幕末の時代、日本を本気で憂い、本気で作り変えようとし、それを遂げた人であった。教科書に載っている写真からは優男のように見えていたのだけれど、それも大きな間違いで剣術の達人であり、時流眼と商いの素質も併せ持った稀有な人、と知らなかった自分が恥ずかしい。
    そして、作者の司馬遼太郎の描写がまるでそこで見てきたように書かれている点に衝撃を受けた。竜馬を書くにあたっての並々ならぬ熱意を端々で感じ飽きることなく読み進められた。

    印象的であったのは、世界という枠で日本を見、藩や幕府といった矮小な組織を見ていなかったこと。そして、個であり続け、坂本竜馬は坂本竜馬たろうとしていたこと。
    勝海舟の渡米のくだりで、福沢諭吉の一文が出てくるが、福沢が学問のすすめで身分ではなく、学問をして個を強くせよと論じるより前に、坂本竜馬はそれを成し得ていた。
    この坂本竜馬の生き方や価値観は、とても刺激になるし、こうありたいと思わせられた。

  • kindle本で買ったまま放置されてたのをようやく読破しました。『燃えよ剣』を読んだ余勢を駆って、、、というところです。ただ、それが功を奏して、幕府側と革命(あえて)側のそれぞれの生き様がよく見えて、良かったともいえます。坂本龍馬は、みながしっている偉人ではありますが、なるほど、この本を読んでよくわかりました。日本史は、本格的には学んでいないため、今一つ流れがわかっていませんでしたが、鎌倉以降続いた朝廷(=王)<幕府の関係が崩れたこと、それに加えて、身分によらず平等となったことに大いなる意義があったということですね。近代国家の礎がここで築かれたこと、それを1人の人間が周囲の力を借りてなしえたことは、確かに歴史上画期的なここといえるでしょう。ただ。。。長い。。。今はこういう長い小説はきついな 笑。なので★4つ

  • ちょっとずつ読んだから5ヶ月もかかったが、諦めずに読みたくなるようなワクワク感を持てた。竜馬はイシューの設定が幕末という時代でずば抜けていた。さらに、時流を読む力と実行力が凄まじい。鳥の目、虫の目、魚の目を持ち、ビジネスを推進するビジネスマンとして尊敬できる。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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