新訂 孫子 (岩波文庫) [Kindle]

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  • 戦わずして勝つ。
    戦うのであれば勝てる条件面が整ってきる場合のみ。この条件を把握する正確な情報が必要。
    まずは敵を知ることから始まる。

  • ・戦いにおける歴史的指南書。現代社会にも通じるところが多い。
    ①戦いのゴールを見失わないこと。
     孫子内では、戦う必要がない場合には戦わないことを推奨している。これはその国
     の主、もしくは軍の将軍として何が目的かを常に正しく捉え、決していたずらに戦
     を仕掛け仮に勝利を納めたとしても、その効果が薄くかつ多くの犠牲を払った場合
     には、本来の目的である国を拡大することからは遠のくというもの。ビジネスにお
     いても、常に最終目標を定め、それに貢献することは行い、そうでないことはやら
     ない・時間を使わないということの大切さを認識させるもの。くだらない責任のな
     すりつけ合い、プライドを守るための発言・作業は避けるべし。
    ②相手をよく観察するということ。
     戦う前に、確りと相手や状況を観察し、自身の打ち手を決めることが重要。相手や地形等の状況によって自身の振る舞い方を変え、効果的に攻め込むことを推奨。現代においても、相手、すなわち部下同僚上司外部アドバイザー顧客の状況を見極め、何を考えているか、次のアクションは何かを予想し、それに対して打ち手を打っていく必要がある。決して自身の状況だけで打ち手を決めてはいけない

  • ■ひとことで言うと
     敵と己と環境を知り、臨機応変な戦い方で勝つ

    ■キーワード
     ・孫氏=孫武 or 孫臏?
     ・全13篇 ※多くの注本あり
     ・「兵とは国の大事なり」→戦いの利害を知り、戦うときはその要否を熟慮せよ
     ・戦わずして勝つ > 戦って必ず勝つ
     ・「彼を知りて己を知れば、百戦して殆うからず」
     ・勝ちの機会(勝てる状況)を見抜く目を持つ
     ・戦いは「定石」と「奇法」の組み合わせ
     ・「無形」こそ最強→勝利の型を決めず、臨機応変に戦うこと
     ・「迂直の計」→目先の利益にとらわれない(急がば回れ)
     ・内部統制 > 兵の数
     ・敵情把握が戦いの要
     ・「地」を知る→戦場に合わせた戦い方をする
     ・自らを死地に置く=戦わざるを得ない状況を作れば自ずとパフォーマンスが向上する

  • 『孫子』十三篇は、中国の最も古い、また最もすぐれた兵書だそうだ。

    このような優れた兵法書から、より良く生きていく術を多く学べるだろうと思い、本書を手に取った。

    序盤の解説にも書いてあるように、

    “現実的な戦術が深い思想的な裏づけを得て、戦争一般、さらには人生の問題として、広い視野の中に組みこまれていることである。”

    この一文で胸が高鳴った。

    各文ごとに(原文、書き下し文、現代語約、注釈)という構成になっており、とても読みやすい。

    全体的に見てみれば、「いかに戦わないか」「いかに相手の裏をかくか」「いかに知ることが大切か」を重要視している印象である。

    これらのことは確かに現代社会を生きる私たちにとっても、より良く生きていくために必要な戦術だろう。

    私の視野を広げてくれてありがとう。

    読みながら素直に「面白い」と思えるものであった。

  • The 古典
    大昔に読んだけど再読してみた。
    でも理解が難しいな。

  • 戦争が当たり前だった時代に書かれた、戦術のノウハウ本。

    「有利・不利」を様々な視点から分析し、どれだけ省エネで敵を屈服させるかに重きを置いています。

    もちろん本書は「戦術」について書かれていますが、ビジネスも根本は同じ。サラッと読めるので人生で1度は読むことをお勧めします。

    by Writing Channel
    Note ID ⇨【https://note.com/writinghouse

  •  昔戦争が当たり前の時代に、いかに負けないようにするかのノウハウをまとめたもの。現代で戦争に直面する機会はないが、その戦略的な考え方はビジネスなどにとても参考になる。

     孫子は全部で13編に分かれている。内容は好戦的なものではなく、とても現実主義的で合理的判断を推奨している。最も語られているのが、戦争に際して主導権を把握することの重要性だった。

     「戦争をはじめる前によく考え、よくよく検討するべき」とまず語られる。これを十分にやれば、行動する前に勝敗を知ることができ、リソースを無駄にすることがないよと言っている。

     もし戦うとしたら、戦うのは「勝てるとき」だけ。勝てるときとはこちらの準備が万端で、あいての準備が整わず隙があるときだと述べている。さらに、戦争はうまくいってなくても短期間で終え、長びかせないことが大事だと述べている。無駄にリソースを割くと悪循環におち入りいいことがない。

     最高の勝利とは、戦わずに勝つこと。戦って勝つのは2流のすること。戦わずに勝つには「味方の状況、敵の状況をよく知り、ここぞというタイミングで攻め、戦わずに降伏されること」と説明している。有名な「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」。

     行動するときは、まず守備を固めじっと待つ、そして余裕が出てきてから攻める。また、あいてにこちらが守備を固めていることや攻めようとしていることを悟られてはいけない。無駄に準備させ、惑わし、隙を作れる。自分達の行動を判断するときは、誰でもわかる状況では遅い。どうなるか分からない時に読み取り判断する。なので最大の功労者は何もしていないように見られ、周りから評価されにくい。

     戦争は先に有利な行動をした方が勝つ。「風のように迅速に進み、林のように息をひそめて待機し、火の燃えるように侵奪し、暗やみのように分かりにくくし、山のようにどっしりと落ちつき、雷鳴のようにはげしく動き、食料を集めるときは兵士を手分けし、土地を奪ったときは要点を守らせ、万事についてよく見積もりはかったうえで行動する」とある。遠く時間や労力がかかる道も、近道や簡単に結果が出せるよう考える。

     偶然に頼らず、つねに合理的に考え、準備を怠らないこと。正攻法と奇策を使い分け、臨機応変に対応する。どんなことでも主導権を握り、主体的に行動する。仲間と協力しなければ戦争は勝てない。チームの助け合いができる態勢を普段から整えておくこと。

    感想
     孫子を読んで、ビジネスで大事なことが凝縮されていると思った。軍を動かすことは、会社を動かすこと。感情的に判断してリソースを無駄にしてしまっては損害が大きくなる。行動する前に熟慮することが大事で、十分な準備をしておくことなど。今も昔も勝つための考えや行動は変わらないんだなあと思った。

  • 奥が深く、難しい。何度も読み返して、理解するべし。

  • 一番びっくりしたのは兵を使わずに相手を屈させるのが最も有効な戦術だとしているところだ。戦いのための戦術はおまけ程度にしか書かれていない。

著者プロフィール

1920年、三重県生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。文学博士。東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。著書に、『秦漢思想史研究』(平楽寺書店)、『管子の研究』(岩波書店)、『淮南子の思想』(講談社学術文庫)などがあるほか、訳書に、『論語』『荀子』『荘子』『韓非子』『孫子』『大学・中庸』(いずれも岩波文庫)など多数。2006年、逝去。

「2022年 『死と運命 中国古代の思索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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