読書力 (岩波新書) [Kindle]

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著者 : 齋藤孝
  • 岩波書店 (2002年9月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (210ページ)

読書力 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

  • 何故本を読む必要があるのかという問いに答えるための本。読書は思考活動における素地をつくるものである。読書をするにあたり、読書力が重要になってくる。文庫百冊 ・新書五十冊を読んだ、というのが読書力の基準になるという。良い読書というのは精神に緊張を伴う読書だ。読書力がある ということは 、読書習慣があるということでもある 。読書が苦にならずに日常で何気なくできる力 、これが読書力である
    本を読んだ、ということは本を要約できることである。二割の分量を読んで八割を理解することができれば読書上手といえる。新書は要約を鍛えるのに適している。
    読書力があることの基準を文庫系百冊新書系五十冊を読んだことになるのかというと、読書が 「技 」として質的な変化を起こすのが 、およそ百冊単位だからだ。四年以内という期限を設ける。ある程度の集中した練習期間を設けて、反復練習するのが効果的。
    本は何故読まなければならないかというと、自分を作る最良の方法だからである。読書の幅が狭いと 、一つのものを絶対視するようになる 。教養があるということは 、幅広い読書をし 、総合的な判断を下すことができるということだ 。目の前の一つの神秘にすべて心を奪われ 、冷静な判断ができなくなる者は 、知性や教養があるとは言えない 。
    読書をする、ということは言葉を知る事であり、言葉を知るということは読書をする、ということである。
    優れた著書の本を読んでいるとき、自己肯定感を感じることができる。自己肯定感は自分自身に向き合っているときよりも、何か素晴らしいものに向き合っている時に感じやすくなるという。
    読書は必要ない、という意見する者の中に体験することが大事だという論があるが、それは間違いである。読書をすることで、色々な体験をする動機付けとなるし、予備知識があることで理解も増す。
    他者と本質的な部分を共有しつつ 、自己の一貫性をもつ 。これがアイデンティティ形成のコツである。
    読書は辛い経験を乗り越えるきっかけにもなる。人生で辛い経験をしたとして、さらにつら経験をした者の本を読んでいれば、自分の経験は大したものでは無かったと感じる事ができる。
    読書と宗教は似ている。一冊の絶対的な本を作ってしまうのが宗教である。冷静な客観的要約力をもって 、いろいろな主張の本を読むことによって 、世界観は練られていく 。
    本を読む技術には、読み聞かせをしてもらう、音読する、三色ボールペンで線を引きながら読む、といった段階がある。客観的に重要な箇所は赤、青はまぁ大事、緑は主観的に面白いと感じた箇所。赤線をまとめると要約が完成するような引き方をするのが正しい。
    読書をするとコミュニケーション力がアップする。常に脈絡を意識しながら読書をすることで会話の脈絡を抑えることができるようになる。
    読書をしているかしていないかが会話に表れるポイントとしては 、話し言葉がきちんと文章になっているかどうかということがある 。読書をしていない人の話し方は 、単語がポツンポツンと投げ出されるだけであったり 、文章の始まりと終わりがきっちりと呼応していないという傾向がある 。常に書き言葉で話すようにする事が重要だ。
    いったんフォ ーマルな場に出てみると 、話すという行為が実は書き言葉によって精度が高められているのだということがわかる 。大勢を前にして 、二 、三分でかいつまんで意味のある話をする技術は 、高度なものだ 。書き言葉をまったく修練していないと 、普通はなかなか 「意味の含有率 」の高い話はできにくいものだ 。
    その他の読書力向上の技術として、読んだら人に話す、好きな文を書き写して作文につなげる、読書トレーナーについてもらう、などが有効である。

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