- Amazon.co.jp ・電子書籍 (295ページ)
感想・レビュー・書評
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かねて読みたいと思っていたファインマン教授のエッセー。
好奇心旺盛で無類のいたずら好き、自由奔放、そして物理・数学の天才。「僕は物理で遊んだのだった。いつもやりたいと思ったことをやったまでで、それが核物理の発展のために重要であろうがなかろうが、そんなことは知ったことではなかった。ただ僕が面白く遊べるかどうかが決め手だった」、「僕はただ自分で楽しむためにいろんなことを発明したり、いろいろ作ったりして遊んだだけの話だ」、「後でノーベル賞をもらうもとになったダイアグラム(ファインマン・ダイアグラム)も何もかも、僕がぐらぐらする皿を見て遊び半分にやりはじめた計算がそもそもの発端だったのである」。
圧巻は、ロスアラモスで原爆開発に携わっていた頃の「金庫破りの名人」ぶりかな。
読んでいてワクワクする。ナショナリズムに駆られて原爆開発に邁進する姿はちょっと悲しかったけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リチャード・ファインマンはとにかくユニーク。そしてあまりに正直。だから当然、周囲からは変人と思われている。
なるほど天才の日常というのはこういうものなのか。本書ではこちらがぎょっとするほどの奇行といたずらの数々(でも本人にとっては実験の一環なのだ)がユーモラスに語られる。
本書のハイライトは、ロスアラモスでの原爆開発と、そのあいだ結核で入院していた妻との死別。この公的な死の予兆と私的な死との関係についてはあまり語られない。
そのかわりに印象的だったのは、妻の死でさえ冷徹に観察してしまう物理学者の目だ。ちょっとひやりとさせられた。
そういえば、原爆実験の瞬間さえ、ファインマンはその好奇心から、ただひとり肉眼で見てしまうのだ。 -
【文章】
とても読みやすい
【ハマり】
★★★★・
【気付き】
★★・・・ -
老人の自慢話。普段から好奇心を持って生活している人にとっては、特別新しい視点は得られないと思う。
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10年以上前に紙の本で読んだものを再読。アンリミテッドにて。やはり面白かった。
理論物理でノーベル賞受賞者であるファインマン氏のエッセー。賢い人の知的好奇心が垣間見れてこちらも知的生活に憧れる。それと、ファインマン氏の破天荒な発想と行動に大笑いする。
さらに氏は原爆作りにかかわった青年期を持つ。本来なら日本人として腹が立ちそうな経歴だが、氏は知的興味からマンハッタン計画に導かれ、読んでいて逆に戦争のことなど忘れ大笑いさえした。
寝る前に読む良書。超おすすめ。星五つ。 -
昔からある本だけど、今読んでも楽しく読める、まさしく名著!
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物理学の伝記的なイメージで読み始めたら、金庫の鍵開け技術が長々と語られたりして、良い意味で期待を裏切られ面白い。
原爆をつくるための技術者の団結と熱意と創意工夫。原爆を落とされた国の国民としてはなにやら不思議な気持ちで読み進める。 -
天才物理学者ファインマン先生のユーモアあふれる、読むと元気が出る本。物理学への憧れが湧いてくる。
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どんな曲線についても、極小点(最低点)での導関数(接線)はゼロ(つまり水平)である」ということは知りぬいているはずなのだ。ただそれを実際に当てはめてみることができなかっただけだ。言うなれば、自分の「知っている」ことすら知らなかったということになる
新規性と進歩性、言葉ではわかっているつもりでも実践となればそうはいきません。最近、人に進歩性を教えているときに、本願明細書の技術認定を誤って、しどろもどろの説明になりました。まずは、本願と公知文献の適切な技術認定から、と教えたはずなのに、教えた側がこれでは情けない話です。
最近、ルーチンワークのように特許性の認定要件を判断しているような気がするので、今一度弁理士受験時代を思い出して、審査基準や判例で復習したいと思います。