文學界 2015年 2月号 (文学界)

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  • 文藝春秋 (2015年1月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910077070256

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文學界 2015年 2月号 (文学界)の感想・レビュー・書評

  • お笑い芸人“又吉直樹”の純文学小説が収録されたことで、『文學界』創刊以降初めて、出版当日に増刷を決定してニュースにもなった。
    その話題作品、又吉直樹「火花」のレビュー。

    冒頭───
     大地を震わす和太鼓の律動に、甲高く鋭い笛の根が重なり響いていた。熱海湾に面した沿道は白昼の激しい陽射しの名残を夜気で溶かし、浴衣姿の男女や家族連れの草履に踏ませながら賑わっている。沿道の脇にある小さな空間に、裏返しにされた黄色いビニールケースがいくつか並べられ、その上にベニヤ板を数枚重ねただけの簡易な舞台の下で、僕達は花火大会の会場を目指し歩いて行く人達に向けて漫才を披露していた。
    ──────

    漫才とは何か? 漫才師とは何か? という疑問を抱きながら活動を続ける二人の若手漫才師の世界観を吐露した面白みのある小説だった。

    冒頭は情景描写にやや硬い表現が多く、作品世界に入り込むのにやや苦労するが、そこを乗り越え、会話文が多くなってくるとスムーズな文章で読みやすくなり、約一時間半で読了。

    「本当の漫才師というのは、極端な話、野菜を売ってても漫才師やねん」
    と独特の漫才師論を主張する先輩芸人『あほんだら』の神谷さん。
    その考えに共鳴し感化されていく主人公である後輩芸人『スパークス』の徳永。
    徳永が神谷を慕う思いと、神谷の漫才にかける熱い思いが最後まで伝わってくる結構な感動作品。

    実際の漫才のボケとツッコミのような作中の二人の会話が、なかなか粋だ。

    地の文章もしっかりしており、読んでいて違和感は殆どない。
    内容が内容だけに、自分の過去の経験などを題材にして書きやすい作品だったとは思うが、一つの小説としての完成度はまずまずの水準に到達しているのではないだろうか。
    次作があるのかどうか分からないが、もし出るのなら、また読んでみたいと思わせるような作品だった。

  • 創作
    又吉直樹 火花
    命を燃やす天才芸人の輝きと挫折。満を持して放つデビュー中篇230枚一挙掲載!

    伊藤たかみ 母を砕く日
    吉村萬壱 大きな助け
    楊逸 ココナツの樹のある家
    山下澄人 はふり

    新連載評論
    若松英輔 美しい花 小林秀雄
    不世出の批評家が語りながら考え、書きながら生きた軌跡を蘇らす試み

    特集
    小説の企み、言葉の魔力
    筒井康隆×佐々木敦 
    あなたは今、筒井康隆の文章を読んでいる。
    伊藤比呂美×山浦玄嗣
    聖書の言葉と物語る力

    オールカラー企画
    巻頭表現 第二回
    小島なお シナノゴールド

    著者インタビュー〈特別版〉
    沢木耕太郎 高倉健さんに捧ぐ賭博(バカラ)小説

    文學界新人賞応募規定改定のお知らせ

    連載
    円城塔 プロローグ 第九回
    星野博美 みんな彗星を見ていた 最終回
    松浦寿輝 黄昏客思 (こうかんかくし) 第十六回 凜冽可憐
    永井均 哲学探究 ─存在と意味─ 第八回

    エセー
    西村賢太 独りの味
    石岡良治 「視覚」と「文化」の辺縁にて

    コラム
    新人小説月評   小澤英実 藤田直哉
    も詩も詩   穂村弘
    鳥の眼・虫の眼   相馬悠々
    Author’s Eyes
    祖母と私と、   頭山ゆう紀

    文學界図書室
    山田詠美 『賢者の愛』 (村田沙耶香)
    保坂和志 『朝露通信』 (大澤真幸)
    江國香織 『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』 (東直子)
    上田岳弘 『太陽・惑星』 (巽孝之)
    湯本香樹実 『夜の木の下で』 (倉本さおり)

    日本全国文学ガイド   執筆者紹介   次号予告


    又吉フィーバーにうんざり。だったのだが、読んでちょっと気持ちも変わる。
    たしかに筋は凡庸。説教くさい。が、それがどこかしら爽やかな説教臭さ。
    だからこそ、「これが人間だ」といった台詞が素直にじんとくる。

  • 【火花】
    神谷が驚異的というか…あそこまでいくと狂気になる。間違った道ではなかったのにどこかで踏み外してしまう。それでも笑いを追求していく姿はあまりにも切実で。狂気と人間愛が混ざっている部分でいえば芥川賞に向いてる作品かなと思う。個人的にはシリコン入れた神谷に語る徳永の世間がよかった。

    【母を砕く日】
    家族で正月を迎えるにあたって亡き母の骨を散骨するために砕きたいという父親。家族構成も少し複雑で揉めるけど結局は骨を砕くことになるんだけど、その作業を他人に任せず自分でやりたいという気持ちはわからなくもない。気持ち悪いと思う人もいるかもしれないけど個人的に私なら大丈夫だろうなと

    【大きな助け】
    何だこれ。意味がわからない。世の中全てに憎悪を感じてる男の話?

    【ココナツの樹のある家】
    勝手な嫁だなぁ。それにしても妄想が凄い。

    【はふり】
    よくわからなかった…

    全体を通して火花と母を砕く日以外はよくわからない話ばかり。文学の奥深さを痛感した。

  • 又吉直樹さんのデビュー中篇「火花」を読む。 掲載されている文学界が史上初めて重版がかかったほどの人気ぶり。 又吉さんの作品を初めて読んだが、ちょっと期待していた感じと違っていた。もう少しヒューマンドラマちっくな純文学を書くのかと勝手に思っていたからだ。 二作目に期待したい。

  • 又吉さんの文章力にビックリ。難しい言葉も使いこなしててすごい。ストーリーは私好みではなかったけど、小説としてすごいんじゃないでしょうか。

  • 対談『小説の企み、ことばの魔力』筒井康隆×佐々木敦は、佐々木が提唱する「パラフィクション」について。辻原登の『遊動亭円木』をメタからパラへの移行作品だと筒井はいう。新しい概念で理解するのが難しかったが、解説図を見ながら、なんとか。気になるので佐々木敦の新刊も読む予定。対して伊藤比呂美×山浦玄嗣は「聖書の言葉と物語る力」この山浦氏、ケセン語訳聖書の人でぶっ飛んでいる。笑った!「ピスティス」は「信仰」ではなく「信頼」いう言葉に訳すのがしっくりくる、「アガペー」は「愛」ではなく「大切」が相応しい「神さまはモノではなくコト。だから見ようったって見られない。だから誰も見たことがない」他にもユダは裏切り者ではないという根拠等、新鮮なキリスト教観がおもしろかった。 ⚪︎吉村萬壱『大きな助け』なにが悲しくて、こんな恐ろしいもの読まなきゃいけないんだ〜とべそかきながら読んだ。消耗した〜。 ⚪︎山田詠美の新刊は書店でパラ読みして購入を控えたのだが、村田沙耶香のセンスで深読みした書評を読むと、ものすごく魅力的な小説に思えてくる。

  • 短篇載せたときはここまで騒動にならなかったのになぁと思いながら増刷版でやっとこ入手。

    【火花】
    ―――「自分らしく生きる」という、居酒屋の便所に貼ってあるような単純な言葉の、血の通った激情の実践編―――

    神谷先輩、しょうもないのに嫌いになれない。
    芸人に焦点をあてたものって、それがいいとか悪いとかでなく、どこか綺麗事、青春、みたいなちょっと恥ずかしい具合に仕上がりがちだけど、又吉の書くそれもそういうシーンが無いわけではなかったけど、自然だった。素直だった。だからほんとうに存在する彼ら、として読むことができたし、心がゆらいだし、おもしろかった。
    特別うまいとか特別おもしろいとかではないが、彼だから書けるものだなという感想。こういう場所に載っているタレント的違和感もなかった。ひとつの文学として愉しかったし、読みやすかった。自分に一番近い題材をここまで小説として落とし込めるのはすごい。
    素直な人なのだろうなあとおもう。

  • 『火花』又吉直樹
    ピースの又吉さんのデビュー中編。面白かったです!
    売れない漫才師の主人公が師匠と仰ぐ天才(?)芸人の考える「面白いということ」が、ちょっと普通じゃなくて、でも、ほぅ~と納得したり。
    言葉や表現が豊かだなぁと思ったし、実際笑ったり涙ぐんだりさせてもらい、満足です。あのテンポの良い掛け合いを文章で表現できるなんて、又吉さんすごいなぁ。

    『母を砕く日』伊藤たかみ
    お墓はいらない、骨を海に撒いてと言い残された家族のお話。夫、息子、娘。それぞれの愛し方、考え方、言い分があるけれど、最後は血のつながりは無くとも一番彼女のことがわかるであろう夫の希望通り、自分達の手で骨を挽くことに……。

    あと、「文學界」の紙がすごく良かったと感じました(*^^*)

  • 又吉直樹・著 『火花』、
    T.Vで見る『お笑い芸人』の見方が変わった。
    読後 「笑い」より「涙」でした。

    ************************************
    書名を『花火』ではなく『火花』にしたのは どうしてだろう。
    太宰治・著 『花火』と書名が重なるから?
    *************************************
    2015.8.25 次は 「日本エッセイスト・クラブ賞」
           受賞かな

  • 又吉さんの『火花』、おかしさの中に怒りややるせなさが込められていて、味わいのある中編でした。
    徳永が相方と喧嘩するシーンがお気に入り。マジで怒るときに起きた笑っちゃいけないハプニングって、なんでこんなに面白いんだろう。

    吉村萬壱の短編、安定の気持ち悪さでした。

  • 「火花」又吉直樹

    何かを本気で言おうと思ったら、それは面白い必要がある。何を言おうと自由な世界では、誰もが平等に言おうと思ったことを言える世界では、この必要がとくに際立つ。
    これは何も「お笑い芸人」に限った話ではないと思う。「つまらないことは、たとえ必要で言う時にも本気で言っていけない」みたいなことを昔のえらい人は言った。つまらないことを言う時にはつまらなそうに言うのが作法だというのだ。昔のえらい人はエリートだからこういうお行儀のいいことを考えては言い残していった。僕も大概お行儀はいい方なので、そういう言葉を読んではふむふむと首肯いてきた。自分が自分にとって面白いことをいっこうに言わないことをそういう言葉で慰めていたのかもしれない。いや、本気じゃないということを免罪符のようにして手放すまいとしていた。そういうのが面白いと思っていたのだ。あかんやつだ。
    それでも、本気で言えるような面白いことはやっぱり少ない。その場しのぎの適当な戯言にまぎらして、1個でも2個でも自分が面白いと思えるようなことを言っていこうと思った。本当言うと、前々からそう思ってはいたのだけど、少し間隔があくと忘れてしまうのだ。思い出しては忘れて、忘れては思い出しての繰り返し。忘れさせる側の要素がなんとなく増えてきているのを感じるなかで、この小説は希少な思い出させる側にある。
    難点はひとつ。それが焦燥を伴うということ。まあ、そんなのは放電する火花があついといって文句を言うようなものだけど(笑)

  • 火花だけ読んだ
    読みづらかった

  • 「火花」のみ読む。
    やっぱり書き方が難しかった。
    回りくどいというか。
    徳永=又吉ではないけど、そういう風に感じて読んでしまう。
    又吉だったらこの心象描写も風景描写も有り得るなと思えるけど、徳永はそこまで語彙ないだろ?と思ってしまった。
    神谷の最後はやり過ぎだ。そこまでやる人はさすがにいない…よね?
    最後の漫才は泣けた。

  • 又吉の火花を読む目的で購入。
    普段は芸人なのによくあそこまでの純文学を書けるなと尊敬。
    本は好きでもそこからまた書くと言う行為は別物だと自分は思うから本当に素直に尊敬した。

  • 又吉直樹「火花」
    筒井康隆×佐々木敦「あなたは今、筒井康隆の文章を読んでいる。」
    を読んだ。


    火花は著者本人を思い浮かべずにはいられなかった。人生を燃やして信じる事をやり続ける人と、それに着かず離れず見ている主人公が、

  • どうしても器用に生きられない。不器用に生きていく。

  • 又吉直樹「火花」だけよんだ。
    したいこと(したいことだけがしたいということ)への潔癖と、潔癖さの副作用と、潔癖でないことの後ろめたさのことがかいてあった。

    神谷さんは輝いて見えるが、輝いて見えるのは後ろめたいからかもしれない。徳永の後ろめたさが神谷さんを輝かせているようにも見える。

    あこがれの人が憧れの姿のままでいる(いてくれる)ことに安堵するような終わりかた

    2015/9/22追記
    神谷さんと徳永はホームズとワトソンっぽい(ところがある

  • 又吉直樹「火花」が掲載されている『文學界』。
    奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。芸人の2人が運命のように出会ってから劇は始まった-。笑いとは何か、人間が生きるとは何なのか。

    2015年上期芥川賞作。芥川賞はたまに話題作りの受賞と思われることがあって、本作もそうだろうと色眼鏡をかけて読んだけど、ピース又吉が純文学をかなり読み込んでいること、まじめに描こうとしていることはしっかりと伝わってきたし、最後まで読むことができた。でもこれでピースの漫才(見たことないけど)を笑えなくなるのでは?と余計な心配をした。
    (C)

  • 又吉の“火花”読み終わった。村上春樹っぽい文章書くかと思ったけど、会話文が関西弁だし、西加奈子の小説に近いと思った。残酷な心が痛くなる場面で、笑いの要素を加えるあたりが秀逸だった。“面白さ”“笑い”に対する真剣な姿勢、答えなんかないけど、シビアな世界だと思った。ただ、人に笑ってもらいたい一心で悪意なくやったことが、誰かをひどく傷つけてしまう、そんなこともあるよね。「でも僕達は世間を完全に無視することは出来ないんです。世間を無視することは人に優しくないことなんですです。それは、ほとんど面白くないことと同義なんです。」芥川龍之介の地獄変と同じテーマで、芸術の完成には狂気と紙一重という、根本的なテーマを描いてると思った。最終の神谷さんがシリコン入れて笑いを取ってテレビに出演しようと考えるとも、もう天才とか超えて気が狂ってて、一般人には狂気すぎて笑えないでしょ。笑いという一つの芸術が理解されずに終わると意味ないもんね。
    芥川賞として、テーマ性がいい作品だと思いました。

  • 芥川賞候補作、又吉直樹著「火花」読了。若手芸人と先輩芸人の10年。前半は変化がなかったけど、後半の物語展開は美しい。主人公が著者にだぶるのは同業として仕方ないか。

  • 話題になった 又吉さんの初小説が掲載されたとあり、本屋さんをハシゴしてやっと買った 文学界。
    バーーと一気読み。
    実は文学界は 図書館で借りたことはありましたが、購入は初。
    あえて、ネタバレは書きません。

    とにかく面白かった。
    本をあまり読まない人にかなり おすすめ。
    だって、字数が少ないし、一気読みできるし。
    読書が嫌いな人はみんな「字が多いし、時間がかかるから嫌いな」
    って言う。
    そんな人におすすめ。

    読書してると、男性も女性もモテますよ。

  • 又吉さんの「火花」を読んだ。

    言葉の選び方が丁寧で表現豊かで
    文学作品をたくさん読んでる人なんだよなーと感じた。

    小説には漫才に対する思いがいっぱい詰まっていて
    息苦しくなるくらいだった。
    次回作にも注目したい。

  • 話題騒然の又吉くんの「火花」読みました。えー。お笑いの彼に関してはテレビを見ない生活の故まったく知りません。文芸界?のほうの彼のほうが共感がもててたかな。彼の読んでる本とか、けっこうかぶってて、これまで彼がかかわってきた本なども、おもしろく読ませていただいていましたが、いざ小説。しかも内容は自らの職業でもあるお笑い、漫才という。さあどう転がるか、と期待して読みました。冒頭部分からあー、いかにも彼らしい、鬱屈とした暗い感じの作品なのかな、と思いきや、なんだろう、このせつなーい。決してつらーい感じではなく、不安の中の素直さ。花火、師匠という限りなく偉大、尊敬する存在と、火花、スパークスという自分に寄り添うものは一瞬を求めているのか永久的な人間の生き方なのか? お笑い、漫才とはなんなのか?! なんでだろ、時にきゅーっと涙が出そうになりました。これはもう少し何とかなっちゃうと、いずれ文学賞戦線に躍り出る作家さんになってしまうのでは、などと思わせられましたぞよ。また単行本の図書館予約を待って良く読み直してみます。

    本号はその他創作伊藤たかみ氏「母を砕く日」楊逸氏「ココナツの樹のある家」も読みました。二人とも好きな作家。楊さんの今回の作品はなんだか今までと違う?どきっとしたよ。

  • もちろん、「文学界」1冊を読み終えたわけでなく、又吉氏作品のみ。(他の作家さんごめんなさい。)
    又吉氏の文章で、売れない先輩が、サラ金でお金を借りて彼ら後輩芸人に奢ってくれた、その背中の描写がとても印象に残っていたのですが、神谷氏はその先輩芸人を膨らませたものなのかなぁ。。。
    次は又吉さん、恋愛ものをお願いします!

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