思い出のマーニー [DVD]

監督 : 米林宏昌 
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241756909

感想・レビュー・書評

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  • この作品は見る回数を増やすことで色々な視点で考察でき、理解が深まっていく作品だと思いました。魔法のような、魔法ではないようなマーニーとの出来事が切なくもあり、忘れられない記憶、思い出となっていく時間の経過を見ている側も感じずにはいられないと思いました。
    原作を知らないので、機会があったら原作を読んで、この作品が伝えたいことをもう少し考えたり感じてみたりしたいと思いました。

    毎度のことですが、本当に映像、色彩がきれいです。

  • 夏の間、北海道の海辺の村に住む大岩夫妻の元で暮らすことになった12歳の少女・杏奈。
    彼女はある日、誰も住んでいないはずの湿っ地屋敷で、金髪の少女マーニーと出会う。
    悲しみを抱えたようなマーニーと心を通わすようになった杏奈は、彼女とともに不思議な体験をするようになり、次第に深い絆で結ばれていく。  
    イギリス人作家、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学を、スタジオジブリが舞台を北海道に移してアニメ映画化したファンタジー。監督は『借りぐらしのアリエッティ』の米林宏昌。

    今回の主人公・杏奈は、幼少期のあることが原因で、「この世には魔法の輪がある。私は輪の外の人間。私は自分が嫌い」と思って、人と上手く関われない悩みを抱えながら生きているので、似たり寄ったりな思春期を過ごしてきた自分には、周りの人間がおせっかいをやいたり心配することや無神経に自分に立ち入ってくる態度に反発してしまうハリネズミのジレンマにかかっている主人公のモノローグや行動に共感しまくりました。
    謎めいた美少女マーニーと絆を深めていく中で、杏奈が上手く人間関係を結べない原因やマーニーと杏奈との関係やマーニーの正体の謎に向き合って解き明かしていく中で、杏奈が少しずつ成長していく展開がリリカルな青春ミステリータッチで描かれていて、じんわり温かくなります。
    いわゆる女性の世代を超えた絆が描かれているので、女性のほうが、より感動すると思います。

  • 「思い出は奥底から」

    自分の事が大嫌いの時が若い頃にありました
    高校を出て仕事をし始め、酒を覚えて体たらくな日々を暮らしていた頃です
    未来のことも考えず、毎日のように酔っ払い飲みに行くことが1番楽しかった頃、酔って家に帰り姿見の前に座り込みじっと自分を見つめていた時に
    「お前、誰だ? お前、毎日ないやってんだよ」
    と自分の姿に話しかけていた頃がいちばん楽しい頃だったけどいちばん自分が嫌いだった頃だったな
    将来の不安から目を逸らして酒に逃げて酔えば楽しくてどんどん飲んでいた頃だったな

    杏奈のようにその思いから救われるような劇的な事はなかったけど、今は自分を好きになりかけています
    彼女の「思い出」がこの物語そのものなのでしょうね
    周りにいる人たちの優しさに気がつくことができるまでのストーリー
    この先、何度もこの地を訪れるのでしょうね

    かなり前にこの作品を見ているはずなのにその時はあまり心に響かなかったけど、今なら分かります
    もっと若い頃にわかっていたら…

    でも、遅くない、今だっていいではないか
    気がつけただけで、それだけで幸せな気持ちになれました

    そんな事をおの頃とは違う飲み方をしながら見ていました(やっぱ飲んでんじゃん)

  • 心に傷を負い、心を閉ざした少女が、
    夢か現か正体不明の不思議な女の子に出逢い、
    何故か惹かれ合い、交流を深めるうちに
    優しい心を取り戻していくファンタジーです。

    幼少期に事故で両親を、次いで優しい祖母を失い
    親戚にたらい回しにされ孤児になった安奈。
    ゛私はいらない子供゛とトラウマになります。

    親切な夫婦に引き取られ幸せに暮らしますが
    養父母が育児支援金を受給していることを知り、
    無償の愛じゃないのか!と心を閉ざすように。

    養父母は12歳の安奈への説明に悩んでいただけで
    ずぅっと愛情を注いできたことは確かなんだけど
    トラウマ抱える安奈が「やっぱり私なんか」、
    と思ってしまうのも仕方なく悲しくつらいです。

    この世には目に見えない魔法の輪がある。
    輪には内側と外側があって、
    この人達は内側の人間。そして私は外側の人間。
    でもそんなのはどうでもいいの。
    私は、私が嫌い。...安奈の心情です。

    安奈は喘息の療養兼ねて、夏休みに
    養父母の親戚の田舎でホームステイすることに。
    そこでも心を開けません。

    田舎の七夕祭り。
    悩みなく周りの人の様に明るく暮らしたい杏奈は
    短冊に願いを書きます。
    「毎日普通に過ごせますように」

    でも、お節介な近所の女の子に構われると
    つい苛立ち罵倒してしまいますが諭されます。
    ...可哀想に。普通の振りをしても無駄。
    だってあんたはあんたの通りに見えてるんだから

    私は私の通り...
    醜くて、馬鹿で、不機嫌で、不愉快で...
    だから、私は私が嫌い。だからみんな私を...
    いっぱいいっぱいで追い込まれ、
    周りの人間にキツく当たってしまう安奈は
    自己を嫌悪してしまいます。

    そんな頃、出逢ったのがマーニーでした。
    マーニーは全肯定。安奈のことを大好き。
    安奈もマーニーを大好きになります。
    互いの悩みを打ち明け、励まし合い、
    安奈の閉ざされた心はほぐれていくのでした。

    安奈の身に次々と起こる不思議な出来事。
    時を越えた舞踏会。告白の森。
    崖の上のサイロの夜。
    2人の少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、
    安奈は思いがけない゛まるごとの愛゛に
    包まれるのです。

    それは祖母がくれた思い出と、
    そして里親から注がれていた無償の愛でした。

    マーニーは、祖母の少女時代の姿でした。
    マーニーと体験した出来事は、
    幼い安奈が祖母から聞かされた
    祖母の寂しき少女時代の楽しかった思い出話
    そのものでした。

    奇跡のような偶然で、
    祖母がかつて暮らした屋敷を訪れた安奈は
    そこで祖母の幻影、マーニーと出逢い、
    寂しきマーニーに共感し、励ますことで、
    いつしか自らの心も再生していったのです。
    そして里親の愛情にも気付くことができました。

    マーニーの姿は孤児だった安奈が抱えていた
    青い服を着た金髪の女の子の人形そっくりです。
    人形はマーニーを型どったものかもしれません。

    マーニーの幼馴染み、久子さんは言いました。
    彼女、寂しい人だったけど、
    いつも一生懸命生きていたわ
    幸せになろうと笑顔で前を見ていた

    子供も大人も普通に見えてもみんなそれなりに
    寂しい気持ちや辛いことを抱えている
    できる範囲だけでいいから一生懸命生きていたら
    幸せになろうと笑顔で前を見ていける

    だからあなたもきっと笑顔になれる

    そんなメッセージを感じた作品でした。

  • 見たようで全く見てなかったジブリ作品。
    早い段階で過去の体験をしていることはわかってたんだけど、主人公のアンナとマーニーが何故繋がっているのか(この場合は、何故アンナがマーニーの記憶を追体験しているのか、が正しい?)謎だったんだけど、ひさこさんの話でようやく想像がついて、予定調和で大団円。

  • あまり話題にならなかったので、おもしろくないのかと思いきや、ジブリらしくないというだけで、泣けた。思春期のドロドロした行き場のない感情を見事に表しているし、マーニの正体にも満足。

  • 劇場上映中に観たのですが、初めて、映画館でウルッとしてしまいました。
    孤独な少女・杏奈が、自分を支える「家族」の優しさに気づき、療養先で出会った少女たちと「不思議な友情」で結ばれていくという心温まるお話です。
    劇中の音楽も耳心地が良く、癒されます。
    お気に入りすぎて、映画館で観たのに、DVDも買ってしまいました!

  • 「わたしたちのことは秘密よ、永久に」
     
    両親に捨てられたと思い、心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、湿地帯に建てられた洋館の青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。
     
    杏奈の身に次々と起こる不思議な出来事。
    時を越えた舞踏会。告白の森。崖の上のサイロの夜。
     
    隣の芝生は青い。
    けれども意外に見えていない自分のこと。
     
    自分は不幸な星のもとに生まれてきた。
    そう思うのは個人の勝手でしょう。
     
    しかし、その後の人生が幸福なものになるのか、不幸なものになるのかも、他人ではない、自分自身の心がけ次第。
     
    これからを生きる少女がそのことに気づき、成長していく物語。

  • 2014年
    20230213 原作読了
    杏奈 高月彩良さん
    マーニー 有村架純さん

    物語も声優もとても好きな作品だ
    イギリスのノーフォークを、日本の北海道に舞台を変え、主人公のアンナも日本人としている
    終り方は原作と違うが、米林監督の脚本の方が良かったし、現代風に上手にアレンジした

  • 息子が何度も観ていたので、一緒に見てみたら涙がぽろぽろ。
    寂しかったり、でもすがすがしい気持ちが残る素敵なストーリー。

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著者プロフィール

米林宏昌 1973年、石川県生まれ。1996年、スタジオジブリに入社。『千と千尋の神隠し』『崖の上のポニョ』など多くのアニメーション制作に携わり、『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』で監督を務める。2015年よりフリーとなり、スタジオポノックで制作した『メアリと魔女の花』、短編作品集『ちいさな英雄』の一編で監督を務める。

「2022年 『はるのにわで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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