なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」 [Kindle]
- SBクリエイティブ (2014年10月30日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (240ページ)
感想・レビュー・書評
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仕事においてしなやかな心を保つための考え方を体系立てて説明。底打ち、立ち直り、教訓化 と繰り返すことでレジリエンス力を鍛えられる。
レジリエンス1-2-3ステップ
ステップ1:底打ち
1. ネガティブ感情の悪循環から脱出する=感情のラベリングと気晴らし
2. 役に立たない「思い込み」
ステップ2:立ち直り
3. やればできると自己効力感
4. 自分の強みを活用
5. サポーターを持つ
6. 感謝のポジティブ感情
ステップ3:教訓化
7. 痛い体験の意味
- ガス抜き=イライラを抜く、息抜き=ネガティブを抜く
- ビジネスパーソンの満足感は上司との関係が9割
- 部下が望んだとおりに上司が前向き変化したケースはほぼ無い
- 鼻呼吸をすると自然に腹式呼吸
- リラックスして優雅に仕事している印象だと懸命さが伝わらない
- いやな上司との関係は自分のレジリエンスを磨く修行
- ブレーン・トラスト=本音トークの密度高い会議
- 世界クラスのリーダーは自らの信条を文章化して部下に共有
- 部下にマジックワード「I Need Your Help」を伝えたら翌日からメールの連発
- 人が辞めていく組織で働くなら、まず自分のサポーターを見つけるもしくは職場を離れる
- 自信を失うと仕事が手に付かずメールや書類を見るばかりの無駄な時間を過ごしてしまう
- 仕事への効力感が低いとネガティブ言動に対して打たれ弱くなる
- 失敗の分類:3種。ハーバードBizスクール エドモンドン教授
- 予測可能な「予防できる失敗」
- 複雑さによる「避けられない失敗」
- 挑戦による「知的な失敗」
- 小さな成功体験のベイビーステップで自己効力感が向上する
- マネージャーは効率を求める。リーダーは創造性と変革を求める。
- もしマネージャーや管理者が部下と同じくらい長く働いても平気ならやるべき仕事をやっていない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
苦しいことを乗り越えるには、周りを変えるのではなく自分の受け取り方を変えよう、というスタートポイントから。
・ストレスを感じたらその原因を言語化して対処し、運動などで発散しましょう。発散方法として酒やギャンブルはよくない
・周りに感謝の気持ちを持つことで良い方向に向かうでしょう
という当たり前のことから始まって、「支え合い」ながら「成功体験を重ね」て「自己効力感を高め」られる職場環境の構築の重要性へと進む。こちらはマネジャー向けの話題。
そして自分だけの振り返りの時間を持つことの重要性へ。こちらはややリーダー向け。
最後は、現実的な話。働く場が悪すぎると、自分の受け取り方を変えても乗り越えられないため、さっさと働く場を変えるのも一つ。 -
忙しくなると兎角お座なりになりがちなセルフケアの重要性を謳った本。事あるごとに読み直したい。
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なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」
2014/10/31 著:久世 浩司
レジリエンスとは、逆境や困難、強いストレスに直面した時に、適応する精神力と心理的プロセスである。
変化や危機は避けられないものと捉え、変化に適応できるように自分たちが変わらなくてはいけないという積極的な姿勢がグローバルの政界・経済界のトップの主流になりつつある。
本書の構成は以下の6章から成る。
①レジリエンス・トレーニングとは
②ネガティブ連鎖を断ち切る習慣
③上司との人間関係ストレスとの付き合い方
④思いやりのない職場での過ごし方
⑤キャリアの節目での逆境力
⑥立ち止まって振り返る習慣
レジリエンスは必要であり、耐える力や適応という我慢のようなイメージが先行してしまうが、その先には適応しながら環境も変える大切さも内包している。
これだけ変化が激しくストレスの多い社会において、リーダーのみならず一般のビジネスマンすべてにおいてレジリエンスという能力は必須であり、その重要性が増していくことに異論はない。
合わす、耐えるがすべてではないものの、適応し、順応し、そこから発展的な改善を行うというプロセスの手順の中ではまずだれもが身につけたい。