生きる[東宝DVD名作セレクション]

  • 35人登録
  • 4.33評価
    • (5)
    • (2)
    • (2)
    • (0)
    • (0)
  • 9レビュー
監督 : 黒澤明 
出演 : 志村喬  小田切みき  伊藤雄之助  小堀誠  金子信雄 
制作 : 黒澤明  橋本忍 
  • 東宝 (2015年2月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988104095794

生きる[東宝DVD名作セレクション]の感想・レビュー・書評

  • 死に直面することで、これまで自分がまるで生きていなかったことに気づく

  • 『ゴンドラの唄』

    いのち短し 恋せよ乙女
    あかき唇 あせぬ間に
    熱き血潮の 冷えぬ間に
    明日の月日は ないものを

    いのち短し 恋せよ乙女
    いざ手をとりて かの舟に
    いざ燃ゆる頬を 君が頬に
    ここには誰れも 来ぬものを

    いのち短し 恋せよ乙女
    波にただよう 舟のよに
    君が柔わ手を 我が肩に
    ここには人目も 無いものを

    いのち短し 恋せよ乙女
    黒髪の色 褪せぬ間に
    心のほのお 消えぬ間に
    今日はふたたび 来ぬものを

    ーーーーーーーーーーー

    作中に度々主人公が口ずさむこの曲を聴く度に
    胸が締め付けられた。



    胃がんの宣告を受けた主人公が、それまでいかに自分は「生きて」いなかったかを思い悔やむ。

    30年以上も市役所に皆勤で勤め上げたにも関わらず、
    自分はまるで生きていなかった。
    自分でなくてもできる仕事を、ただ黙々とやり続け、
    情熱のないままに過ごした膨大な時間を振り返る。


    命の灯火がいま消えようとするとき、今から何かを始めても遅いと思いかけたものの、主人公は落ち込む暇もなく最初で最後の大仕事に挑む。


    決して動くことの無かった役所の要所を次々と頷かせ、粘り強く、プライドも捨て、決して多くは語らなかったが、ただその存在と行動に多くの人が心を動かされた。


    最後のシーン。

    主人公の死に対し、「我々も続け!」と涙を流しながら杯を交わした職員たちは、日常に戻ればまた元通りの働き方を続けることが滑稽で、かつ痛烈な皮肉だった。


    人はこういうものなのか。
    組織におさまると、人間らしさは奪われるのか。


    いかに皆が「死んで」いるのか。



    シンプルな映画のタイトルに全てが込められてる。

    この作品を見ていて、キルケゴールの「死に至る病」をやたら思い出した。



    自分はいま本当に「生きて」いるのか?
    失った時間の気配を感じて、恐怖で答えられないかもしれない。

  • テレビで放映されていたものを録画して見たが
    音声がかなり聞き取りづらく、それが気になり
    ストーリーに集中できなかった

  • 2016/10/05
    トーホーシネマズ光の森

    『不幸は人に真理を与える』
    真面目なだけの老年の市民課課長。
    彼にとって仕事はただ時間を潰すための手段にしか過ぎなかった。
    家庭においては妻に早くに先立たれ、男手一つで育て上げた一人息子と同居はしているものの、息子夫婦には陰で遺産の目算をされるような有様。
    その主人公が死に直面し、途方にくれ街を徘徊した先で入った高架下にあるような小さなおんぼろ飲み屋。出会った小説家に、それまで誰にも言えなかった我が身の不幸を嗚咽しながら涙ながらに話す。そのときの小説家の台詞が先の言葉だ。

    死に直面して、彼は生に気付いた。

    それまでの人生は死んだものと同じ⁉︎
    そうは思えない。一人息子を男手一つで育てている回想では不器用ながら懸命に頑張っている父親の姿があった。そこには笑顔も涙もあり、なにより活力があった。

    それは生とは言えないのか?ずっとそのことが頭の片隅から離れなかった。

    子育ては義務だ。この世に生を与えた以上(生物学的な意味で)生きていく術を身につけるよう導くのは親の役割であり、責任だ。仕事もおなじ。組織に属し、あるいは一人でも、組織に貢献しながらも、我が生きる糧を得るために行う行為だ。義務から発する行いは、嫌が応に苦痛を伴う。

    この主人公は義務ではない行為をやり遂げようとした。行為そのものは自分のためではない。仕事とも言えなくはないが、無視しても責められることではなかった。では仕事を全うしようとしたのか?困っている人を放って置けない、慈愛の精神?どれも外れてはいないが、確信ではないように思う。

    それは使命だと思う。命を使って何かをやり遂げること。

    やり遂げるということで言えば、子育ては当てはまらないのかもしれない。子育てはサポートであり、結果はない。遂げるというゴールはないのだから。

    命を賭して何かを結する。人生折り返し点の私にも今から何かできるだろうか?

  • ・不幸は人に真理を与える

  •  癌で余命幾ばくもないと知った初老の男性が、これまでの無意味な人生を悔い、奔走する姿を描いた黒澤明監督によるヒューマンドラマの傑作。

全9件中 1 - 9件を表示

外部サイトの商品情報・レビュー

生きる[東宝DVD名作セレクション]を本棚に「観たい」で登録しているひと

生きる[東宝DVD名作セレクション]を本棚に「いま見ている」で登録しているひと

生きる[東宝DVD名作セレクション]を本棚に「いつか観る」で登録しているひと

生きる[東宝DVD名作セレクション]はこんな映画です

ツイートする