グレート・ビューティー 追憶のローマ [DVD]

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監督 : パオロ・ソレンティーノ 
出演 : トニ・セルヴィッロ  カルロ・ヴェルドーネ  サブリナ・フェリッリ 
  • オデッサ・エンタテインメント (2015年3月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571431211250

グレート・ビューティー 追憶のローマ [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 壁にぶつかる不可解なアートや大人たちに搾取される少女の怒りと悲しみのアートなど、
    理解できるものとできないものを含めてたくさんの芸術たちや、夜な夜なのパーティーでの雑音たちなどにかき消され、シンプルな美からいつしか遠ざかり、いつしか筆を折った作家でジャーナリストのジェップが魅惑の都市ローマに抱かれながらも自らの孤独感をかき消すことらできない。

    無論私にはジェップがおじいにしか見えないけれど、彼は65歳という年齢でありながらもまさしく現役感溢れる男然とした佇まい。
    夜な夜なのパーティーでは30代から60代も同じ音で欲望丸出しに踊りまくれるイタリアが日本人の私にはとんでもなく華やかなダンスシーンはとても印象的で、俗的なのになぜかちょっと憧れてしまう。
    そしてそれらと対極のように映し出される昼間の修道院の少女たちの清らかで静かな映像や水のせせらぎ。

    生と死があり、愛と失望があり、情緒と雑踏がある。そして暗闇の中に浮かぶ初恋の女性の裸体や聖女の祈りなど清廉な目に見えぬ芸術の輪郭が徐々に見えてくる。
    真の芸術なんて結局私には語れないし分からない。
    でもラストのシスターマリアのシーンではたしかに私は削ぎ落とされた人間の美しさを見た。
    観終わった今でもはっきりとは分からないし、やはりこの監督の作品は高尚で少々難解ではある。

    アート、愛欲、風俗、宗教、政治、薬、金が混沌と降り続けるこのローマの街でいつしか迷宮入りしたジェップの意識が、 「大切な人の死」をきっかけにして本当の美が明瞭になってくる情景は言葉ではうまく言えないけど感覚で響いてきた。

    『旅は有益だ 想像力を誘う後は幻滅と疲労のみ
    これは架空の旅 それが強みだ
    生から死 人間 獣 町 もの すべて見せかけ
    つまり小説 作り話 辞書にもそうある
    しかも目を瞑ればだれでもできる
    そこは人生の彼岸』
    こんなL F セリーヌ 世の果ての旅の一説からはじまる冒頭のシーンからのローマの映像。
    もう、なんだよ。カメラワークからぐうの音が出ないほど実にセンスがありかっこいい作品でした。

  • ☆☆☆ん〜何が伝えたいのか、届いた感覚がない。

    ローマの街も綺麗だし、イタリア人の優雅な振る舞いも伝わってくるけど、監督のメッセージが、未熟な私には、解読できなかった。

  • いやぁ〜これは美しくてとてもイイ作品でした。
    歴史あるローマの中でも特に美しいであろう場所や遺物こうまでも存分に魅せてくれた作品って思い当たらないなぁ〜

    知的階級や芸能人、芸術家など達が、有り余る財力で手に入れた退廃、退屈、無常感など、ありとあらゆる虚構がはびこるローマに人生の大半を置き続けてきた休眠作家である主人公が織りなしていく人間模様。主人公を取り巻く人達の何気なさに垣間見える人々の絶望した表情ややるせない哀しみ、本当は逃げ出したいと感じている本心を騙し続けて生きている悲しみを上手く表現しているイイ作品でした。
    台詞が詩的で美しいので、演者の表情に滲み出す感情の起伏が痛いような哀しいような不思議な気持ちにさせてくれます。

    なんとも切なさを感じる作品ですが、ローマの美しさに魅了されちゃう分を足して、割ったら丁度いい感じですね。

    とてもイイ作品です。

  • ≪あらすじ≫
    イタリア、ローマ。初老のジャーナリスト、ジェップはセレブリティたちの間でも一目置かれる存在。若いときに書いた唯一の小説が大ベストセラーとなり、以来優雅な印税生活を送り、今でも夜な夜な華やかなパーティを渡り歩く日々。そんな享楽的な人生を謳歌してきたジェップだったが、さすがに寄る年波を意識せずにはいられない。そこに舞い込んで来たのは、彼が決して忘れることのなかった初恋の女性エリーザの訃報。大きな喪失感に見舞われ、何かを求めてローマの街をあてどなく彷徨い歩くジェップだったが…。


    せっかくの映像美ではありますが今の私にはピンとくるものがなく・・・(汗)、宝の持ち腐れ?感が。いつか再見したい作品の1つ。


    No.5 / 2o16

  • 2015/11/23 映画の始まりはローマの美しい風景や 修道女達の美しい歌声ハーモニーから一転してディスコ調の激しいパーティに(バブル象徴か?)何とも 奇妙な感覚しか受けなかったのに
    小説家だと言う大富豪のような作家が夜な夜な
    色々なパーティしたり著名人との会談したり と捉えどころがないふうに思って観ていたが 小粋な音楽や風景と共に 色々な変わった立場の人間やら 段々 目を離せなくなって 映画に魅入ってしまった。最終的に文学映画だなぁと思った。
    あまり 最近には観ないような 色んな意味で韻を踏んでいる作品だと思った。最初の印象と違って素敵な映画でした。

  • 主な物語やドラマはないが、映像が美しい。冒頭、女性たちによるバロック風の合唱に、美しい構図に収まるローマの風景。イタリア人にしか撮れない。

    主人公は生粋ローマっ子65歳すぎの男性ベストセラー作家。小説を書けないでいるが、顔が広く夜な夜なセレブが集まるパーティやサロンに出没する。

    芝生に座って現代アートを楽しむシーンでは、女性パフォーマーが石壁に頭ぶつけて流血したり、女の子がペンキをスクリーンに投げて、さらに自身もスクリーンに身を打ち付けだしたりと、なんか痛々しい。

    あと、老いてシワシワになった顔が嫌な女性達が集う1回700ユーロのシワ取り注射の病院に佇んでみたり。

    最後のシーンも美しい。パーティ後の夜更けのバルコニーに、シワシワ顔100歳位の修道女と大きな渡鳥の群れ。彼女は主人公に「なぜ筆を折ったの?」と言い、夜明けとともに鳥の群れが一斉に飛び立つ。

    もし、北野武がドラマやドキュメンタリーの手法を使わず、映像だけで今の東京を語るとしたらどうなるか?PG-15程度の内容になるかもしれない。

  • 50歳以上の高収入向け
    なんだろうか?

    全然感情移入できない。。。
    登場人物たちに理解できない。。。

    イタリアなんだけど、
    フランス映画みたい。

    場面が変わっても、ストーリーが展開している気がしない。

  • 何かのレビューで「甘い生活」の続編的な作品という評を読んだ気がするが、たしかに「ふわふわした仕事をしている主人公がローマで享楽的な生活をしつつも、そこにむなしさを覚える」という点では同じだが、「甘い生活」のマルチェロはまだ30代の働き盛りの男だったが、こっちのほうは65歳でろくに仕事をしないで過去の名声だけで生きている男なので、いっそう醜悪である。およそ2時間にわたって、その醜悪なパーティの様子を見せられても苦痛でしかないし、この主人公が求めていた「偉大なる美」の正体が明かされるエンディングには正直、がっかりするばかりである。ただ、救いは最後の20分に登場する「聖女」であり、彼女が登場してからは爆笑の連続。いっそこの部分を中心にコメディにしてくれたほうがよかった。
    これがアカデミー外国語作品賞を撮ったのは、まあ、アメリカ人にもわかりやすいテーマであった、ということ以外には理由を見いだせないのであった。

  • ノーマークでうっかり見逃すところだったが、これは今年3本の指に入る傑作。物語の力ではなく映像のもつ力によって、まさに「珠玉」と呼ぶにふさわしい豪奢な美と空虚さとを堪能させてくれる映画だ。
    心ざわめかせる女声コーラスに載せて広がる古く美しい古都ローマの眺めに夢中でカメラのシャッターを切っていた日本人観光客は、まるでこの都市がもつ毒にあてられたように倒れ、場面が切り変われば、そこは美しい俗物たちが乱痴気騒ぎを繰り広げるパーティ。主人公は自ら「俗物の王」と名乗る作家ジュッペ・ガンバルデッラだ。
    最高の優美と洗練を自らのものとする彼は、だからこそ、その俗悪さと空虚さを知りぬいている。年若い死者の葬式に赴く前に、最高にエレガントな喪服を愛人に選び、葬儀の場を制御する王のふるまいを論じる彼は、自らそのルールを破ってしまう。真の美しさへの可能性を秘めた若さはすでに失われ、彼はこの古都と同様、巨大な廃墟なのである。
    パーティも終わった深夜から夜明けにかけてローマの街をさまよい歩く場面が印象的だ。映画の冒頭でセリーヌの小説のエピグラムが引かれているが、都市のどん底を描いた『夜の果てへの旅』とは逆の贅沢な世界を描いていながら、この映画がのぞきこんでいるのは同じ人間の醜悪さと空虚さなのである。
    とはいえ、映画は夜の果てではなく夜明けで終わる。この人間も街も巨大な廃墟であるかもしれないが、なおあまりにも艶めかしい。最後の最後まで官能的な映像に心をつかまれる、文学的な映画体験である。

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