オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫) [Kindle]

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著者 : 米原万里
  • 集英社 (2005年10月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (427ページ)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)の感想・レビュー・書評

  • ロシア語通訳だった米原万里さんの唯一の長編小説。寝不足になるほど、夢中になって読んだ。

    主人公は中年のロシア語通訳で離婚子持ち女性 。少女時代の1960 ~64年 、チェコスロバキアに在住 、プラハのソビエト大使館付属八年制普通学校へ通っていた。そこには、オリガ・モリソヴナという老女のダンス教師とエレオノ ーラ ・ミハイロヴナというフランス語教師がいた。モリソヴナはだみ声で厳しい指導を行い、エレオノーラは少し呆けが始まったのか、主人公を見ると「お嬢さんは中国の方?」と何度も聞く。
    42才になった主人公は、この2人の謎を解きにソビエト連邦崩壊翌年の92年にモスクワを訪ねる。本作は、その数日間を中心に描く、一種のミステリー小説とも言える。

    本作が主な舞台になるのは、37年当時のスターリンによる大粛清下のロシア、60年代のプラハ、そして92年のモスクワ。スケールが非常に大きい小説だ。特に大粛清時代、オリガとエレオノーラがどうやって生きてきたのか?情け容赦ない描写が続く。そして、この2人の消息は?寝不足になる要素はいくらでもある。

    反語法とは、人を罵倒するとき、逆の表現を使用すること。
    「ああ神様 !これぞ神様が与えて下さった天分でなくてなんだろう 。長生きはしてみるもんだ 。こんな才能はじめてお目にかかるよ !あたしゃ嬉しくて嬉しくて嬉しくて狂い死にしそうだね ! 」
    本作はオリガのこのセリフで始まる。小説のつかみからラストのページまで幸せな読書体験ができた。

    米原万里さんのノンフィクション「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」と合わせ、絶対に読んで欲しい★5つ。

  • オリガ・モリソヴナはプラハのソビエト学校に実在したダンス教師。著者もノンフィクションで書きたかった、とコメントしたくらい虚に実が入り混じる。物語が進むごとに明らかになるその秘密に惹きつけられる。スターリンの粛清の嵐が吹いた時代、鉄のカーテンの向こう側を垣間見る名作です。

  • ドラマや映画などでもあまり馴染みがない旧ソ連時代の謎を追ってゆく物語。登場人物の名前も覚えにくい上に同じ人物が偽名を使っていたりで結構頭を使う作品でしたがストーリーはグイグイと引き付けてくれます。

  • ・7/5 読了.昔のソビエトを垣間見ることができて面白かった.自身の体験を使ったフィクションだけど、のめり込んで読んだ.ロシア人の名前は読みにくい.それにしても社会主義・共産主義ってなんでこうも一方的で激情的で極端なんだろう.自己批判や粛清、スパイ防止って、そうでもしないと維持できない体制ってどうなの?外国人と接触しただけでスパイ容疑をかけられるって、どうかしてるでしょ.もうちょっとゆるくできないのか.

  • 最初はオリガ・モリソヴナの強烈なキャラクターに惹かれて読み始めた。
    読後、色々と考えはあったけれど結局はスープの出汁にされた七面鳥の気分になった。

  • 秀逸なエッセイで楽しませてもらっていた米原万理さんの小説。やはり彼女の少女時代のプラハのソヴィエト学校での体験がベースになっているようです。やはりスターリン時代の傷跡は大きいですね。強く生き延びる女性たちの姿が生き生きと描かれています。

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