子宮に沈める [DVD]

監督 : 緒方貴臣 
出演 : 伊澤恵美子  土屋希乃  土屋瑛輝  辰巳蒼生  仁科百華  田中稔彦 
  • アルバトロス
3.05
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本棚登録 : 103
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318409221

感想・レビュー・書評

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  • ワクチン三回目にして、初の発熱。
    数値にすれば微熱程度なのだろうけれど、平熱が低い私にはキツイ。
    そんな時に観るものじゃなかった・・・ドMか、お前は!と自分をぶん殴りたい気持ちになった。
    子役の二人が本当の姉弟らしく、セリフはほとんど無いものの愛くるしい笑顔が印象的だ。
    母親をはじめ、登場してくる大人の顔がほぼ映らず、扉から漏れる照明が揺れる演出であったり、隙間から覗いているようなアングルばかり。
    ああ、そうか。ずっとずっと初めからこの女の子の目線だったのだ。
    戻らない母親の絵を描きながら、日に日に衰弱していく弟の為に床にこぼれた粉ミルクを小さな手でかき集めながら、哺乳瓶でミルクを作るシーン辺りからずっと涙が止まらず。
    事件を起こした母親は非難されて当然だが、元々は決して悪い母親では無かったと思う。
    子供の大好物を作り、母子生活になっても働きながら資格取得の勉強を頑張っていたり。
    誰にも頼れない、養育費も支払われない、生活苦から夜の仕事になり、寂しさから男性に依存した末路が幼い子供の命を奪ってしまった。

    以前に読んだ別の本にこんな話があった。あるマンションのクリーニングに入った男性が、風呂場で作業をしようとした瞬間に、身体中があたたかくなり小さな、何かにしがみつかれて涙が止まらなくなって号泣していると、後ろから先輩から肩を叩かれて我に返った。
    何故自分がこんなに泣いているのかわからず驚いていたら、この部屋があの事件があった場所だと知らされたと。
    決して他人事では無いこの事件。私達大人が手をかけて世話をして愛してあげないと生きては行けないのが小さな子供なのだから。







    • naonaonao16gさん
      号泣ってできなくなりますよね…笑
      最近、しくしく泣くのも出来なくなってきてて、泣く時は専ら「スンスン」て感じの泣き方しかできなくなりました(...
      号泣ってできなくなりますよね…笑
      最近、しくしく泣くのも出来なくなってきてて、泣く時は専ら「スンスン」て感じの泣き方しかできなくなりました(伝わってるかなぁ)

      ではずっとモデルナだったんですね!
      3回目が半量って初めて知りました…自分の副反応考えると衝撃すぎて…
      熱とか胃腸炎て滅多にないから、たまに発症するとほんとに地獄ですよね…なんか精神的にやられます
      2022/06/07
    • 奏悟さん
      naoさん

      余っているのか三回目は選べたのですが過去二回はモデルナアームに留まっていたので、油断しましたね。

      「スンスン泣き」って、何で...
      naoさん

      余っているのか三回目は選べたのですが過去二回はモデルナアームに留まっていたので、油断しましたね。

      「スンスン泣き」って、何であんなに鼻水だけ大量に出るのか謎です笑笑

      たまに号泣してデトックスの「涙活」も必要なのかもですね笑
      2022/06/07
    • naonaonao16gさん
      3回目、選べたんですね~!
      わたしはどれも選択権なく決まっていきました笑
      確かに前2回モデルナだったら油断しますね!ほんとにお疲れ様でした!...
      3回目、選べたんですね~!
      わたしはどれも選択権なく決まっていきました笑
      確かに前2回モデルナだったら油断しますね!ほんとにお疲れ様でした!!

      涙をこらえた水分が鼻に移行してるんでしょうか…?笑
      もっとうわーんと泣いたら楽になるのに、と思うことって結構ありますよね。
      2022/06/07
  • いやーしんどい…

    観ているのが辛かったけど、こうやって亡くなっていく子供たちが今も何処かにいるのかと思うと、最後まで観なければいけない 現実を知らなければいけない(というか現実はもっと酷かったんだろうけど)っていう使命感みたいなものが出てきて、最後までなんとか観た

    これをまだ小さい子供達に演じさせるのも賛否両論あるんだろうけど、とにかく凄かった…泣けるというより、まぁー胸が苦しくて辛くなる映画でした
    どんどん荒んでいく部屋がリアル

  • 2010年の大阪二児餓死事件を題材にした映画。

    カメラの目線を子ども達の視線に合わせているため、子どもの目線で見える大人の世界や、キラキラした幸せな日々から、餓死するまでの長い一日一日を疑似体験しているかのような、または盗み見しているような、効果的な見せ方になっている。

    これは、始終不快であるし、救いもないし、後味も悪くて、決して気持ちのいい作品ではない。
    でも、現実に起きていることとして、これらに目を逸らして生きることができない人が、実際にこの世には存在するのだ。

    同じようなネグレクトを受けた人間には、かなりキツイ内容になっている。
    「この瞬間よ、早く終われ、頼むから終わってくれ」というシーンに限って恐ろしく長くて終わってくれない。それがやたらとリアル。
    最後の掻爬シーンは、惨過ぎて私には直視できなかった。

    とにかく子供たち二人の演技が、リアルで素晴らしくもありながら、こんなに幼い子供たちに、ここまでやらせちゃうの?ぐらいのレベル。
    この作品によって、世界が良い方向に変わってくれるとも思えない。
    ただただ、子供たちを抱きしめて「よく頑張ったね」って褒めてあげたい。

    温かい家庭で育った人には、この母親の心理が理解できないと思う。
    でも、想像して欲しい。
    この母親も似たような母親に育てられたのだ。

    そして、この小さな女の子のように、大好きな母親のために「いい子」で「我慢して」お留守番に徹し、誰にも頼らず、「ただこの試練(時間)に耐える」ということをずっと繰り返してきたのだ。
    思い通りにならない弟に暴力を振るったりはしない。
    何かに八つ当たりをしたりもしない。
    ただただひとりでじっと耐えるのだ。

    現実逃避だけが、たった一つの逃げ道で。
    継ぎはぎの写真で、仲の良い家族で海に行って楽しい時間を過ごしたという気分に浸ったり。
    真夜中の真っ暗な部屋の中で、「幸せなら手をたたこうパンパン」と前向きな歌をひたすら歌って、最悪な時間をやり過ごす。

    「私が母親になったら、絶対にこんな思いなんてさせない。子供思いのいい母親になるんだ」って思っていたと思う。最初の母親からはその決意が伝わる。
    きっと、それだけが救いで、そこ(幸せな家庭)に明るい未来への希望を抱いていたと思う。

    でも、現実はそんなに甘くなくて、頼る人がいないこと、助けてくれる人がいないこと、理想と現実はあまりにもかけ離れていて、子供の泣き声すらもう苦痛そのものになり、見たくないものには「蓋」をしてやり過ごす。という最悪な現実逃避を最終的に行ってしまう。
    余裕がないと、人は正しい判断ができなくなってしまう。

    これだけ酷い仕打ちをしても、帰ってきた母を抱きしめて、健気に母の愛を乞う娘の姿に、きっと母親は自分の少女時代と重ねてしまい、「この負の連鎖を自分が断たなくてはいけない」と思ったのではないか。
    自分が全てを終わらせないといけないと。

    恵まれた家庭で育った子供は、同じように恵まれた家庭を持つ。
    虐待されて育った子供は、また同じような不幸な家庭を築いてしまう。
    結局のところ、親と子の関係が、子供の未来を左右するのだ。

    実際の事件の母親は、ホストクラブにハマっていたとか。
    育児放棄してホスト通いするなんて、普通の人には本当に考えられないと思う。
    でも、幼少期から親に褒められることなく、自分の存在を肯定されることなく育った人間は、相手が金銭関係で成り立つホストでも、自分の存在を認めてくれて、褒めてくれて、チヤホヤしてくれることに、安らぎや生き甲斐を感じてしまうのだ。
    人間は、自分を否定されると「私を理解してくれる人なんていない」と落ち込むし、褒められると「やっと自分のことを理解してくれる人に出会えた」とまで勘違いしてしまう生き物なのだ。
    そこが自分の生き場所になってしまう。
    だから、ホストにハマってしまうのも、キッカケさえあれば当然で、本当に悲しいことだと思う。

  • 由希子(伊澤恵美子)は、夫と二人の子供と共に暮らしていたが、ある日、夫から一方的な別れを告げられ、子供二人とアパートで新生活を始める。毎日の長時間労働、資格試験、家事、子育てなどに追われながらも、必死に“良き母”であろうとする由希子。だが学歴も職歴もないシングルマザーは経済的困窮に陥り、次第に社会から孤立していく。なかなか泣き止まない子供や世話の焼ける子供や楽にならない暮らしから逃避するように、若い男性との情事に溺れる由起子。やがて悲劇的な結末に転がっていく。
    2010年に起こった大阪2児餓死事件を元にした映画。
    映画は、実際の事件の特殊性を省き、若い子供を愛しているシングルマザーが、楽にならない暮らしや育児に疲れ果てて、男遊びに逃避して子供を育児放棄して餓死させるまでを、ホームビデオで淡々と記録するように描いていて、生活のために昼夜問わず働く暮らしに疲れ果てていく由起子の憔悴していくところ、育児放棄された子供が飢えに苦しみ死に絶えていくところを緻密に描いていて、育児放棄やシングルマザーの貧困の蟻地獄のような苦しみが痛いほど伝わってくるヒューマンホラー映画。

  • 大阪で起きた児童二児餓死事件。
    その実話をもとに製作された児童虐待テーマの映画です。

     実話をもとにしているとはいえ、あまりにも生臭いシーンは適度にカットされており、子供が亡くなるシーンなどはかなりオブラートに包んだ表現になっています。(実際は虫などあの程度では済まなかったでしょうし、弟の状態を目の当たりにしてそれでも生き延びようとした女児の心境はいかばかりかと思います)
    それがまた生々しく感じてしまうというか、配慮のつもりが恐ろしさを増幅させる感じではありますが……。

     二児の母は夫と離婚して貧困になり、資格取得を目指していたところを高校時代の友人に「夜職すれば?」というふうな軽いノリで誘われ、足を踏み入れることに。そこで出会った客なのか、交際し始めた男が家に来て、半ば無理やり押さえつけられたまま事に及ぶ表現などは、彼女は常習的に暴力行為の被害者となっていたことが暗喩されているように感じます。
     他サイトレビューなどを拝見して冒頭シーンからその予感を抱いていた方もおられて驚きました。

     当時、マスコミでは連日報道がなされ、主にその矛先は母親に向けられたと聞きます。
     ただ、母親の罪は罪として、世間や社会にできることが何か無かったのか。「母親が悪い」「この映画は後味が悪い」というだけで終わらせずに、これから繰り返さないためにはどういったことが可能なのか。その可能性を我々は日々、探っていかなければならない。
     監督のそのようなメッセージ性を強く感じる映画でした。

     幼い女児がどのような想いをめぐらせながらあの部屋で過ごしたのかと思うと、本当にいたたまれません。缶詰を空けようとするシーンがあり、あの辺りは本当に見ていて辛かったです。
     母がいれば、何も特別な事はなくても幸せであろう女児が、身の回りのこともできない年齢で弟の世話を必死にする姿や、飢えをしのぐためにおおよそ食べられないものを口にするシーンなどもあります。
     決して楽しい映画ではありませんが、一度は見ておかなければならない。そういう類の作品です。

  • 冒頭の生理で汚れた下着を洗面台で手洗いする場面から、女性性に対する否定感を感じ、私はこの人物が性虐待の被害者ではないかと直感した。異性に対して自らの身体を使ってコントロールしようとする姿とレイプまがいのセックスは性虐待被害者によく見られる。実父から性虐待を受けていたと仮定すれば、実家に援助を求めようとしないことのつじつまが合う。
    愛を乞う娘の姿に当時の自分自身を重ねた母は、自らを解放するため、娘を浴槽に沈めてしまう。つまり、子宮に沈むことで生まれる前の姿(=死)にまで退行することが彼女の希望だったのではないか。深読みというより私の妄想的な解釈かもしれないが、このような事件は常識という枠組みに当てはめると「不可解」の一言で済まされ、真実が闇に葬り去られてしまうことになるだろう。このような悲劇が繰り返されないためには、断罪ではなく、時間をかけて真実を探求することが必要ではないか。昨今の厳罰化傾向が自縄自縛となっていることに私たちは気づかなければいけない。

  • 面白いかと言われればものすごく面白くない。

    子どもたちの演技とそれをさせたスタッフはスゴいなぁと思うけど。この子どもたちが大人になった時に自分が出てるこの映画を見てどう思うんだろう。そこは気になる。が、

    これをきっかけに少しでもこんな事件が起こらない社会になれば作った甲斐はあるのかな。そのときは★5の価値はある。

  • ABEMAにて鑑賞。同監督の「終わらない青」を鑑賞してからこちらも観てみた。2010年の「大阪2児餓死事件」を基にした作品。

    実際の事件は母親の背景も複雑なようだし(シングルマザーになった理由も事件と映画では異なる)、こんなに綺麗ではないだろうけど、撮り方のせいか?良い意味でも悪い意味でも生々しさがよく出ている。

    普通の若いお母さんと二人の子どもの生活が大きく変貌していき、幼い女の子が床にこぼれた粉ミルクをかき集めたり缶詰を開けようとするシーンは胸が痛いし、母親の真似事の延長を弟にしようとするシーンはドキリとする。終盤のお風呂と洗濯機は……もう……。
    母親が初めから「悪いお母さん」ではなくて「子どもを愛している(いた)普通のお母さん」として描かれていて、ラストでそこに自分で気づくのも余計しんどいなあ。

    「胸糞」の一言でも片づけてしまえるのだけれど、母子がここまでに至った背景などを考えるとやるせない、なんともいえない映画だった。

    ●他所の感想見てるとロールキャベツとか赤い毛糸とかはなるほどな、と。
    ●幸役の子は撮影当時3歳で2023年現在は14歳。写真見ると元気で可愛らしい雰囲気の子だった(トラウマになってないといいな……)。

  • 興味本位で観た。悲しみや怒りで気持ちがかき乱された。シングルマザーとして蒼空と幸を育てるたいへんさをオイラはきっとわかっていない。でも由希子に同情できない。結愛ちゃん虐待事件を知った時も絶望的な気持になった。子どもへの虐待の向こうに男女のセックスが見えたからだ。セックスしたいと自分の子どもまで邪魔になるのか?パートナーのために自分の子どもを虐待したり殺してしまう親、パートナーの子どもが邪魔になって虐待したり殺してしまう親。そしてセックスする男女。子どもを放置した由希子は妊娠して帰ってきて堕胎を試みたのだろう。そんなセックスをせずにいらいれない由希子を許せないけど、そこに追い込まれた由希子をオイラは理解できてないだけなのか。でもどんな親だろうと小さな子どもはその親に頼らなければ生きていけない。やっぱりわからないよ。

  • なぜかNetflixに薦められるがままに鑑賞。
    わかってはいたけど、もちろん後味悪いわなぁ。

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