おとなが育つ条件-発達心理学から考える (岩波新書) [Kindle]

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  • 相互調和的な生き方は必ずしも心理的安定に繋がっているとは限りません。他者との協調を重視する人よりも独立性を大事だとする人の方が、心理的安定感は高いことが見出されている

    「子どもが欲しい」ではなく「子どもを育てたい」意欲とそのための賢明な投資戦略が必要

    フルタイムで働く子育て中の女性は、トータルでは長時間労働でもしごとと家事育児という全く異質の活動をしています。そのことが上のような心理的疲労やネガティブな結果を起こさせない、「過労死」することはないのです。しごと一筋は決して誉められたことではない、むしろおとなの心身の安定と発達を阻害する生き方です。

    「ああはなりたくない」は、動物のようにモデルをそのまま模倣せず、モデルから逆の「なりたい」自分を考える、人間ならではなのこと。能動的に学ぶ姿勢と力です。

    妻が有職の場合は違います。パートであれフルタイムであれ子の有無に関係なく有職の妻の幸福感は、自分の仕事満足度が結婚満足度に匹敵する大きな要因です。とりわけフルタイム職の妻では、職場満足度が夫婦関係以上に大きな要因です。そして注目すべきことは、家計収入は幸福感と無関係なことです。自分もフルタイムで働いているため家計にゆとりがあるためでしょうか。あるいは自分も家計に貢献しているからでしょうか。ともあれ、夫だけが働く場合には、夫の家計収入が妻の幸福感に大きな意味をもっているのとは大きな違いです。

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著者プロフィール

東京女子大学名誉教授

「2018年 『ウォームアップ心理統計 補訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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