6才のボクが、大人になるまで。 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

監督 : リチャード・リンクレイター 
出演 : パトリシア・アークエット  イーサン・ホーク  エラー・コルトレーン  ローレライ・リンクレイター 
  • NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
3.64
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  • (3)
本棚登録 : 540
感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102315665

感想・レビュー・書評

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  • ステイホームで、これまで観たかったけど観れなかった不朽の名作を観てみようシリーズ!

    以前聞いていた、声優の内山昂輝くん(洋画好きで海外サッカー好き)のラジオ番組で紹介されていて、興味を持った。
    このシリーズでは比較的新しい作品。2014年公開。
    けれど、この作品の制作年数は膨大で、主人公であるメイソンが6歳から18歳になるまで、つまり12年間を費やしている。
    映画監督が12年間を費やして制作した作品。その12年間、主役が変わらない。つまり、一人の少年が子どもから大人になるまで、役者を変えずに、12年間撮影を続けたということだ。その画期的なアイデアと意欲に、いつか見たいと思っていた。意外と「いつか」はすぐにやってきた。
    大人に振り回され、悩みながらも自立していく、少年の物語。

    メイソンが6歳の頃からスタート。姉と母との3人暮らし。(ちなみに姉は監督の実娘が演じている。)
    父親は?と思って観ていると、父親とはすでに離婚。しかし父親とは面会を継続。子どもたちは週末や長期休みになると、一緒にキャンプへ行ったりして、父親と時を過ごす。この父親、いい人なんだけど、ちょっと適当。でもそのちょっと適当な言葉が的を得ていることもあって、たまに、誰も教えてくれない、人生で大切なことを教えてくれたりもするから不思議だ。一緒に生活しているわけではない、というのが距離感としてちょうどいいのかもしれない。
    メイソンの日常は、平穏ではない。若いなりに頑張っている母親。それでもやはり、一人で子ども二人を育てるということの大変さ。その大変さが、繰り返される転居や、母の再婚相手に垣間見える。大人の選択は、子どもがそこで築いた人間関係を壊すことがある。時に、何の前触れもなく。子どもを守るためであったとしても、それは到底納得できるものではない。どんどん形を変える家族。子どもは、それに振り回されるしかない。それでも、家族の形を変えても変わらなかったのは、父親だったのかもしれない。

    印象に残ったシーンは、最初の引っ越しで手を振った幼馴染との別れのシーン、新しい家族を持った父親の実家へ行ったときの、メイソンと姉のけだるげな様子。
    一番心に刺さったのは、メイソンが巣立つ時の、母親の言葉。

    そのシーン時点で何歳なのかっていう説明はほしかったなと思う。メイソンは結構思い悩む少年で、でも人前では時折イキってるので何を考えているのか分からないところもある。けれど、その何を考えてるのかわからない危うさが、親から見た時の、真の子どもの姿なんだろう。演じている彼自身も、実際にその年齢であるというのが、なんともリアルだ。

    12年間、彼らを演じてきた皆さんはどう思ったんだろう。本当の家族のような気持になったりもしたんだろうか。

    流れてくる曲が全部かっこよかった。バンド好きは流れてくる曲を聴くだけでも、価値がある!
    サントラが絶対聴きたくなる!!

  • 劇場で鑑賞。字幕版。
    タイミングが合わないかと思っていましたがギリギリ観る事が出来ました。
    賞レース直前に観ておいて良かったと思います。
    今回は他に個人的に非常に応援する作品があるのですが、これだけの作品であれば受賞も納得だと素直に思える作品でした(2015/1/13現在GG作品賞、監督賞に関して)。
    同一の役者を12年間に渡って追ったという手法は想像を絶する苦労を伴う偉業だと思いますが、上映時間は長いとはいえ約160分。12年をだらりと並べてもすぐに埋まってしまう時間です。
    それが決してだらりとはならない。衝撃的な事件や展開など無くても、確かに流れる時間と眩しい成長、切ない変化が伝わってくる。
    時の経過をきめ細やかに取り扱うリチャード・リンクレイター監督だからこその手腕だと感じました。
    場面場面で親子や友人や姉弟、恋人未満の人たちの交わす会話の妙もまた監督の真骨頂。
    他の映画でもそれらは感じられましたが、とりわけこの映画が特別となったのは、主役を演じた役者がまだほんの子供の時、なにも解らないままに始めた役の演技を一度も客観視しないままに続けたからこその自然さの所為でしょうか。
    あくまでのフィクションの中の役でありながら、やっぱりこれは主人公を演じた彼のもう一つの人生でもあったのだろうし、毎年一度、そんな彼と家族になり続けた人たちにとっても、そしておそらく彼らを撮り続けた人たちにとってももう一つの家族であり人生だったのだろう…と言う事が内輪受けにならずに暖かな空気として存在している、そんな映画だったように感じました。
    鑑賞後に読んだパンフレットのインタビューで、母親役のパトリシア・アークウェットが「なにも起こらない映画じゃないかと言われたらどうしようかと思った」と語っているのを読んだ時、けしてそんな事は無かった、素晴らしいものをありがとうと伝える事が出来ればいいのにと切望する思いになりました。
    作った人たちにも、そして観たこちらにも稀有な経験となる映画だったと思います。

  • * 3年ずつ12年間、小さい頃から見てたからこそ出る懐かしさは正にアメリカ版北の国から。
    * Beforeシリーズと同じ監督ということで、さすがの作品。撮影手法が逸脱だけどそこだけが尖った自己満のものではなく、ちゃんとストーリーとしても面白いからいい。
    * (そういう意味で北の国からの蛍みたいに)メイソンは子供の頃は天使みたいにかわいかったのに、どんどん男くさくなってっちゃう…という。
    * お母さんはたくましいけど、男運なさすぎだし、自分のことでいっぱいいっぱいだし、時々嫌になってしまった。とはいえ結局一番ズシンとくるのはラスト近くの「もっと長いと思ってた」と号泣するシーン。
    * 「思春期ってそういうもの」みたいな感じで特に結末まで触れられることはないが、散々大人に振り回せれ、半分世界への諦めのような、メイソンの愛想笑いがなんだか悲しくなる。

  • 学生時代にできちゃった結婚をし、2人の子供を懸命に育て上げますが、男運が悪く、精神的にも経済的にも常に余裕のない人生です。でも、子供たちも親に振り回されながら懸命に生きています。2人ともグレもせず大学に進学して良かった。この監督、俳優陣を3年毎に集めて、12年かけて作っています。時の経過にこだわりがあって、本物の歳月が流れないとダメなようです。12年後に続編が発表されますよ。きっとね。

  • 原題は「Boyhood」少年時代って意味?
    邦題の方がぴったりくる映画も珍しい。
    内容はほんと、そのまんま「6歳だった少年が18歳の大人になるまで」のドキュメンタリーちっく。
    6歳の時に両親が離婚し、母(パトリシア・アークエット)について姉とヒューストンに引っ越すメイソン(エラー・コルトレーン)の成長物語。

    母は男を見る目がないのか、2番目の夫はDV。3番目の夫は愚痴ったれ。と、、メイソン本人にとっては波乱万丈な少年期、青年期でしょうが、見ているこちらにはだらだらと物語が進行しているようにしか見えない。

    でもねぇ、見ている間に「いつの間にか」あんなにかわいかったメイソンが大人になった、、、「いつの間にか」お母さんどんどん太ってるよ。
    って、親戚の親子を見ている気分になっちゃう不思議な不思議な映画。

    母親の再婚相手と元夫が仲良くお話ししてたり、高校を卒業したらそこで一旦、子育て終了、家の荷物は持っていきなさいって子離れをちゃんとする。アメリカだなぁって感じるシーンが多々あったりしてなかなか興味深い。

    母オリヴィア役のパトリシア・アークエットはテレビドラマで霊能者のんやってた人→ちゃんと見てないからよくわかんないけど。
    イーサン・ホークは「生きてこそ」や「ガダカ」で主人公を演じてた、渋めの彼。

  •  6才の少年メイソンが18才になるまでの12年間の家族の変遷と、少年の成長を描いた作品。

     実際に12年間、同じ役者さんで撮り続けた作品ということで、場面ごとに主人公の少年が、声変わりしていたり、彼女が出来ていたり、またお母さんが年を取っていたりと、この映画でしかできない時間の流れ方の描き方だったと思います。

     テロップとかでメイソン6才、メイソン12才、というふうに時間の経過を表すものだと思っていたら、本当にいきなり場面が変わって、メイソンの声が変わっていたり、お母さんが再婚していたりと時間が流れていたのがびっくりでした。

     メイソンのお母さんは恋多き女性。メイソン6才の時点で、すでにメイソンの父親とは離婚し、作中では2度結婚し、また離婚します。

     母の結婚遍歴もそうですが、離婚した父親だけでなくその再婚相手とメイソンやその姉が仲良くやっていたり、そういうのを見ていると、アメリカの家族観というものをなんとなく感じます。

     最も印象的だったのはラスト近く。メイソンが大学入学のため家を出ていくとき、メイソンのお母さんが言ったセリフ。

     二人の子どもが家を出ていき、一人家に残ることになったオリヴィア。結婚や離婚といった人生の大きなイベントをほとんど終えた彼女が、これまでを振り返りしみじみと寂しそうに、そして信じられないように「もっと長いと思っていた」とつぶやきます。

     普通の家族映画ならそういうものだろうなあ、と思うだけだったと思うのですが、ここで12年間かけて撮られてきた時間の重みがずっしりと感じられ、その言葉の重みがより増すのです。

     自分は大学生活を終え、春から社会人になるのですが、正直「これから楽しいことってあるのかな」というふうに思ってしまうときがあります。だからこそ、彼女の「もっと長いと思っていた」という言葉はよりずっしりときたのだと思います。

     そんな人生や時間の儚さ、というものをふと感じた映画でした。

  • メイソンの変わりようがリアル過ぎて………外人の子供は天使ですね。子供は。はい………。
    男運が全くない母親の「もっと長いかと思ってた」という台詞が印象的。
    個人的に、あっという間の人生、というものに嫌悪を感じているので、一瞬一瞬大切にして生きていきたいと再確認。まあわかりきってたこと映画にされても、って感じでしたぶっちゃっけ。特に見所はなし。同じ役者で長い間作品を作る、というところ以外ない感じです。

  • 同じキャストで、
    子どもから大人までの
    アメリカ版「北の国から」。

    北の国ほどのドラマが無くても、
    見続けてしまう、質の良さ。

    特に何があるわけでもないのに。
    不思議な魅力。

  • 『ビフォア・サンライズ』シリーズで数年おきに続編を作っているときに思いついたんだろうな、というアイデア一発勝負みたいな作品ですが登場人物たちがみんな無事に成長して出演を続けてくれたことが素晴らしいですね。

  • 途中まで観た記憶があったけど母親が二度目の離婚をするあたりから覚えていなかった。
    ともかく母は強い。周りに壁を作るのはなぜ? と姉に言われる主人公が大学に入るまで。しかし合同入学ガイダンスは行かないというエンドで不安でした。大学に入るのが少年期の終わりというわけでもないと思うが、向こうだと成人だからまあそうなのか?
    母ちゃんを大事にしてくれよ、という想いしか残らなかったな。あと二番目のアル中暴力夫の元に残された子供達がどうなったのか、もやもやしてしまう。

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