- Amazon.co.jp ・電子書籍 (1208ページ)
感想・レビュー・書評
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なんとも壮大な物語の中に、それぞれの人物のドラマが躍動する。幼い春児の家族を思う気持ちに胸をえぐられる。歴史上の著名人たちも多々登場し、大変な時代を生き抜いた人達がいたのだなと興味がわく。非日常の世界にどっぷりひたった。
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著者の代表作のひとつ、らしい。
なるほど、読み始めたら止まらない。
坂本龍一を悼んで久しぶりに再見した映画「ラスト・エンペラー」の余韻もあったせいか、清朝末期を舞台にした壮大な大河ドラマは実に面白く読み応えもあり、著者の巧みなストーリーテリングの冴えもあり、全4巻を一気に読み終えてしまった。
難を云うなら、ひとつは中国語表記の固有名詞(人名、地名など)の読みにくさ。丁寧にルビの表記もあるのだが、最初から最後まで難儀した。
もう一つは、主たる主人公、梁文秀と李春児の二人を軸に物語が展開する基本骨格は良いのだが、それ以外の登場人物や彼らに纏わるエピソードをやや拡げ過ぎていないか。100年超の時間と広汎な国土・世界に跨る壮大なスケールを描くのに、大勢の登場人物が関わるのは必定だが、主人公二人へのフォーカスを疎かにせず、しかも同時に、その二人と多数の登場人物らとの関わりを破綻なくバランス良く描いて見せる、という点では、残念ながら今ひとつ物足りなさを感じたのも事実。 -
清朝末期から満州国建国まで続く物語。ひとりの宦官と官僚、歴史の偉人たちが入り乱れる書かれる歴史絵巻。各巻ごとに主役が変わり思いや事実が書かれています。
歴史の結果とシリーズの結末がどうなるのか。 -
事前知識なく結末も知らずに読み始めたが、最後に向かってぐいぐい引き込んでいく強さと、歴史の裏側で実際にこんな出来事ややりとりがあったのでは?と思わせる臨場感があった。
またこれは天命なのだと盲目に信じる人やお告げや占いに翻弄される人々の中で、自らの未来を自力で切り開いてきた春児が言う「運命は変えられる、お告げは変えられる」という言葉がとても重かった。 -
p.2022/10/12
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宝塚版の前にドラマ版とあわせて読んだ。
後半に行くにつれて失速していくというか、歴史的には激動でそれは面白いんだけど登場人物が薄くなっていった気がする。
西太后のキャラクターは良い。ただあのカジュアルな喋り方になるのは少し興を削がれた。表向きの喋り方と違うのはもちろんわかるけど、「可愛いおばあちゃん」にしてもあれはあまり好きじゃない。
読みやすいしラストエンペラーまでの展開も気になるのでシリーズを読み続ける。 -
まさに超大作。歴史ドラマとして読み応えがあり、終始飽きない。
歴史モノって登場人物が多く煩雑になりがちなのだが、皆がキャラ立ちしていて人物把握がそこまで難しくないのも良かった。
悪女・女傑のイメージがある西太后も苦悶しながら政治をしていたことなど、描き方にリアリティがあった。
まさに内憂外患で沈みゆく大国の舵取りをどうするのか。いっそ全ての責任を一身に背負って自らが悪者になろう、と西太后が思っていたという設定も一理ある気がした。
主人公周辺の架空キャラクター(梁文秀や王逸など)ももちろんカッコいいが、李鴻章の手腕の凄さ、傑物感が際立っていた。
李鴻章についてもっと知りたくなった。 -
大昔の話のように読んでいたら、伊藤博文が出てきてびっくりした。
日本が明治維新の頃、科挙があり、宦官がいて、当たり前だけど、世界のいろんな国の歴史が並行して存在することにたまに新鮮に驚く。