今日から地球人 [Kindle]

  • 早川書房
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感想・レビュー・書評

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  • 最高におもしろかった。ものすごく好き大好き。
    ロマンティックというか感傷的すぎるかなーとは思うものの、SFっていうよりは恋愛モノでしょとは思うものの、とにかく単純なわたしにはとんでもなく好みだった。

    想像もつかないほど発達した星から使命を帯びてやってきた異星人が地球人の体を乗っとり、慣れない地球の暮らしを体験していって、いうあたりは皮肉なユーモアたっぷりのコメディで、そのあと、のっとった地球人の妻と息子を愛するようになってしまって、恋愛モノになっていく。
    異星人の目を通して、人間ならではの、生や死や愛、というものをあらためて考える。ちょっとまちがえれば説教臭いというか、ケッという気分になりそうなところだけど、わたしは単純に、人間って、人生って、やっぱりすばらしいわ、と思ってしまって、ときどき涙しそうだった(単純すぎるかもしれない)。

    体をのっとられた地球人、っていうのが、地位や名声だけを求める仕事ひとすじで家庭も顧みない冷たい人間だった、っていうのがミソで、のっとった異星人が素直に地球での体験を重ねていくと自然と妻や息子を思いやる人間になっていて。(この前やってたドラマ「アイムホーム」に似てる、とかも思った)。
    他人を愛するとかいうことを、異星人として、「ぼくにとってはじめてのことで」っていうのが、のっとられた心の冷たい地球人としても「はじめてのこと」だったわけで。そのへんにもわたしは単純に感心したりしたわけで(説明ヘタすぎだけど)。

    犬とか、ピーナツバターとか、音楽とか、詩とか、小道具?の使い方もよくて、すごくキュート。
    影響されていまさらながらエミリー・ディキンソン詩集を買ってきた!
    トーキング・ヘッズもきこうと思う。

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著者プロフィール

文●マット・ヘイグ イギリスの作家。大人向けの作品に、『今日から地球人』『♯生きていく理由 うつ抜けの道を、見つけよう』(早川書房)などがある。児童書作品で、ブルー・ピーター・ブック賞、ネスレ子どもの本賞金賞を受賞。息子に「ファーザー・クリスマスはどんな子どもだったの?」とたずねられ、『クリスマスとよばれた男の子』を執筆。続編は『クリスマスを救った女の子』『クリスマスをとりもどせ!』。この「クリスマスは世界を救う」シリーズ全3 卷は「クリスマス・ストーリーの新定番」としてイギリスで人気をよんでおり、そこに登場する妖精を主人公にした作品に『ほんとうのことしかいえない真実の妖精』がある(いずれも西村書店)。

「2021年 『ほんとうの友だちさがし 真実の妖精のおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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