しあわせの理由 [Kindle]

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制作 : 山岸 真 
  • 早川書房 (2003年7月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (243ページ)

しあわせの理由の感想・レビュー・書評

  • SFは哲学である。
    そのことに誰もが納得する作品集。
    ミステリーあり、推理あり、耽美あり、毛色の違った作品が並ぶが、そこには、人とは何か、自分とは何か、というテーマが横たわる。

    SF短編集にしては(というのも偏見だが)、心温まっちゃうハッピーエンドが多く、それはそれで、人、がんばろう!と読後感暗くならない安心感がある。

  • 設定としては、非常にSFなのですが。
    実は物語のミソは、SF的部分にあるのではなくて(もちろん、SF的部分もすごく素敵でした)、そのSFな世界で生きる人々のドラマにある……というか。
    生きることとは?生命ってなんなのか?幸せとは一体?それらの定義や意味を問われているような、哲学的な一冊。
    そして、哲学的思考を展開するために必要不可欠なツールとしてSF的設定が使われているという感じでした。
    例えば、「ボーダーガード」で論じられている『死』への考えなんかは、死や病が根絶されてしまった世界に生きる人々でなければリアリティを持って発せられない言葉だろうし。
    表題作の「しあわせの理由」にしても、脳内の化学物質をコントロールすることで感情を変えられてしまうという状況故に、幸せそのものに対する問いかけが成立するのだと思うのですよね。

    そんな訳で、難しいSF的部分はあまり理解出来なかった私でも、十分楽しめましたよと、それが言いたかったのでした。

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