時をかけるゆとり (文春文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 活字だけなのに爆笑。朝井さんってこんなに面白いのですね。ただただ頭を空っぽにして文章の流れにあわせて読み進めていきました。
    「サルでも予測できるわなにまんまと陥る。」とか
    「もうなんのためにこれを作っているのか誰もわからなくなっていた。」とか序盤から笑いが止まりません。私もいつか職場のみんなから笑いをとってやるぞと思わずにはいられませんでした。
    125km歩行祭、500km自転車の旅もかなりおもしろかったのですが、ちゃんと自分を俯瞰して文を綴っているところにすごみを感じました。
    一番共感したのは後半の文章に向き合う姿勢のことです。「本で自分の心の揺れと同じ部分を見たとき一人ではないと思えた。」とか「あの場所にいかなきゃ。背骨に一本まっすぐなにかが刺さっていった。」そんな自分と小説との向かい合い方がなんとも素敵です。
    小学生で原稿用紙100枚、高校生で500枚小説書けるってどんななんだ?!あまりにもスゴすぎる。私は卒論すら100枚でヒーヒー言ってました。
    とても素敵なエッセイでした。


  • いい意味で裏切られた。
    何作か読んだことあるけれど、
    作品のイメージとエッセイの中のエピソードが違いすぎて
    なんとなく想像していた朝井像がガラガラと崩れた(笑)

    大学生ならではのエピソード満載。
    しかもユーモアたっぷり文章の力で。
    思わずフフッと声が漏れてしまうので注意が必要です。
    エピソードに
    チャレンジ精神旺盛かよ!
    となんども突っ込みたくなります。
    当時、作家で売れてるのに就職するんだ。
    と、驚いたものですが、この方ならそんな無謀?なことも
    楽しんでやりそうな気がしました。

  • 史上最年少での直木賞受賞、スクールカーストやモラトリアムを書かせたら右に出る者はいない、私たち平成生まれゆとり世代の代弁者、それが朝井リョウ。
    「桐島、部活やめるってよ」や「何者」などなど小説はすごく好きなんだけど、どうもご本人は陽キャ&リア充のイメージが先行していて、若くして夢を掴み取った勝ち組がカースト下位を物見遊山してる印象ではあったんだよね。すかした男かと。
    でも本当そんな風に思っててごめんなさい。
    だってまさか、まさかエッセイ一発目から己の便意について熱弁を振るってる人だったなんて…!知らなかったんだもん!
    現役大学生として青春の日々を綴っているはずなのに、全てのエピソードが面白すぎる。ゆるくてアホで無様でくだらなくて、みなさんどうぞ僕の恥部をご覧くださいという感じで爆笑だし好感しかなかった。読み終えた後は目次だけで笑える。そしてやっぱり抜群に文章が上手いのね。
    ちょっとまた見る目が変わったな、いやほんと勘違いしてて申し訳なかった。
    たしか何年か前に結婚もされてたと思うのでぜひぜひ結婚生活のエッセイやその時が来たら子育てエッセイなんかも書いて欲しい。読みます。

  • 朝井リョウはもっとしれっとしたイメージであり、斜に構えた視点を持つ人なのかと…。
    実に人間味があること分かって、今後の彼の小説を読む糧になりました!笑
    若い時に思いつきでいろんなことにチャレンジするって素晴らしい‧✧̣̇‧

  • 馬鹿馬鹿しい話をユーモアたっぷりに描くのでそりゃ面白い。かるーく読める。そんな中でもハッとさせることを書いてくるのが流石。

  • 再読。朝井リョウさんのエッセイ。とにかくバカバカしくてイイ。気楽に読める。風と共にゆとりぬは社会人編といったところだったが、こちらは学生編ということで勢いもあって楽しい。やはり好きなのは黒タイツおじさん。

  • 友人との日常会話で、
    おもしろい話を聞いてる感覚になる。
    と思いきや、
    直木賞受賞の際のお話はなかなかじーんとくる。

    朝井リョウの小説って
    どんなことがあったって、この人生を歩む以外に
    他に道はない的な感じがあると思うのだけど
    一貫してるなぁ…などと思ったり…

  • 「風と共にゆとりぬ」がとても面白かったので、こちらも読んでみました。
    発売はこちらが先ですが、読む順番が逆でも全く問題なし。
    あの眼科医との初対面はこんな感じだったのね、など風と共に~で触れていたことを新たに知ることも出来て楽しかったです。
    どの話題も読んでいて楽しかったけれど、個人的に一番笑えたのがお母様のエピソード。
    そして、自分を良く見せたくなってしまう気持ちが邪魔して書きづらいのでは?と思えるようなエピソードも、こんなに面白おかしく笑える話に書けてしまうのがすごいと思いました。

  • 著者の学生時代から社会人になったころまでのエッセイ。
    最初から最後まで、吹き出しそうになるのを堪えながら読みました。
    学生って怖いもの知らずな生きものだと思ってきたけれど、それをひと回りパワーアップさせたような、朝井ワールド。
    ゆとり世代だからなのか。
    とにかく笑って最後まで読めました。
    まだ、小説は読んだことがありません。どんな作品を作り出す人なんだろう。気になってきました。

  • 何がいいって題名がいいよね。ラジオや雑誌やTwitterで、しょうもないことに力強くこだわる、頭の良い残念な人だな(悪口ではありません!)と思ったので買ってみました。その通りでした。ご本人が雑誌のインタビューでおっしゃっていた通り、何も考えずに読めてただ楽しい。しかしトイレの話が多すぎる。笑 続編も読もう〜〜。

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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