おまえじゃなきゃだめなんだ (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 男女に纏わる短編集。
    ジュエリーショップに訪れた、親に結婚を反対されて婚約指輪を買いに来た若いカップル、離婚を決意し離婚指輪を買いに来たカップル。
    一見普通なんだけど特殊な、色んな男女間の関係性を描くのが上手な角田光代さん。
    安心して読めるし、読みやすい。

    昔の陰気くさいドイツのウィーンで死のうと思っていた老婦人の話が印象的だった。
    『でもね、私強烈な光を見てしまったの。(中略)絵なの。裸ん坊の家族がしゃがみ込んでいる絵(エゴン・シーレの《家族》)なの。そこからパーッと光が放たれて、訳が分からないまま、私泣いてしまってね。それで気付いたの』
    『絵を見ようと美術館に入ったってことは、本当には死にたくなんて無いんだわ。こうして泣いているっていうことは、まだまだ生きていきたいんだわ、って。だって、生きる意思のある人にしか、感動は訪れないはずだもの』
    エゴン・シーレの《家族》の背景を知ると、益々深い言葉に感じる。

  • 今まで挑戦を読んでたけどこれは短編が集まっていたもの。淡々と進むから終わったときに「えっ終わり?」とおもった。

    見た目のカップルとカップルの本当の姿って結構違うんだろうな、と思うけど、なんだか分かれるときに指輪買うことってあるのかな??ありそうでなさそう。あんまり共感できなかった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ジュエリーショップで、婚約指輪を見つめるカップルたち。親に結婚を反対されて現実を見始めた若い二人と、離婚を決めた大人の二人。それぞれの思いが形になる光景が胸に響く「消えない光」他23編。人を好きになって味わう無敵の喜び、迷い、信頼と哀しみ、約束の先にあるもの―すべての大人に贈る宝石のような恋愛短編集。

  • 恋愛短編集。
    婚約指輪要らない派だったけど、「自分はこんなに真面目に愛されたんだ」と後で振り返った時に思える、という点では良いものなんだな、と思った。
    結婚式とか、形式ばったことは、後から振り返るために大事なのかも。

  • なんとなく読み始めて
    スラスラと2日で読了

    前半部分は面白く引き込まれてしまうほどだったが、後半の短編は苦手な印象

    ラスト指輪のストーリー
    うどんを泣きながら食べる気持ち
    お婆さんがヒソヒソ声で話した過去

    好きでした



    読みやすいので、また角田さんの小説に
    チャレンジしてみたいかな☻

  • なかなかおしゃれな短篇集。タイトルの「おまえじゃなきゃだめなんだ」をみて、激しい恋のストーリーなのかしらんと思ってたけど、「おまえ」がまさかアレとはね。。。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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