NO (ノー) [DVD]

監督 : パブロ・ラライン 
出演 : ガエル・ガルシア・ベルナル  アルフレド・カストロ  アントニア・セヘルス 
  • オデッサ・エンタテインメント
3.41
  • (1)
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本棚登録 : 79
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571431211311

感想・レビュー・書評

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  • 映画館

    私のソウルムービー、モーターサイクルダイアリーズ主演のガエル・ガルシア・ベルナルが出ていると知って急いで見に行ったんだけど、すごく良かった。1988年チリ、ピノチェト独裁政権反対派がキャンペーンCMを作る話。TVCMという一つのメディアが国民全体の意識を変えることになるんだけど、そのCM映像が面白い。当時のチリの時代背景、特に先進国アメリカと対比した時の近代化の遅れや生活水準、独裁政権側の否定的な思想など色々なことが見えてくる。"明るく""未来的"という一貫したテーマで新時代を切り拓いていくやり方は、それこそ"未来的"だなと感服した

  • 変革、革命を単に賛美する映画ではない。

    NO派の勝利に沸く群衆のなかを歩く主人公の暗い表情…。
    かた苦しい政治主張ではなく、テレビCMによる「イメージ操作」で、大きな政治変革を実現してしまった。
    独裁政権下、命がけの戦いのなかで多くの人たちが命を落としてきた。でも、こんなに簡単に人々の行動は変わる。政権が変わる。自分がやったことの大きさ、「イメージ」の力の大きさに、彼は戸惑っていたのではないか。
    同じ才能を持つ人材がYES派にいれば、逆の結果が生じていただろう。そして多くの社会では、まさにそのように(「イメージ操作」を通じ、良くない方向へと)政治が動いている面もある。

    政治とはいったい何なのか。
    「イメージ」で動かされる世論。
    政治にとって、政治的な主張や政策はどれほど重要なのか。

  • 広告の手段で独裁政治の無血交代を生んだ実話。
    随分と前から楽しみにしていました。

    ドキュメンタリックな作品なので
    当時の映像も織り込みながらの本編だろうから
    違和感の無いように画質、画角など記録フィルムとあわせてある感じでした。

    何となく物足りなく感じたがそれはこの映画のせいではなく
    てんこ盛りの濃い味付けの映画ばかり見いた私のせいでしょう。
    でも・・・。
    せっかく奇跡的な勝利をおさめたエピソードなのだから
    もうちょっと盛り上がる構成にしてもいいのではと
    思った。

    笑わない主人公。
    淡々と積み上げる構成。

    一緒に感情移入して盛り上がりたかった・・・というのが正直なところかな。

    でもいい映画でした。

  • 特に大きく揺れ動くような山場はなく淡々としている。だけど、世の中や人々の深層をざらりと撫であげて、次第に大きなうねりを作り出したものは、当たり前に夢見られる未来だったり、ちょっとした笑いや喜びだったりするところが面白かったです。笑顔をみたり、喜びを感じることで自由であるという実感を得るということなんですかね。
    勝利が確定した瞬間から、通りに溢れる民衆に逆行して息子と歩く主人公の心中に、さざ波立つように緩やかに湧き上がっていく歓喜が表情にとてもよく出ていて感動した。割と静かな映画だけど、すごく力強さも感じられた作品でした。

  • 『モーターサイクル・ダイアリーズ』『アモーレス・ペロス』と今作の『GO』。偶然にもガエル・ガルシア・ベルナルを見る機会が最近続く。

    1988年、チリで軍事独裁政権を行うピノチェトは国際的な世論の圧力を受け、政権の信任投票を行うと発表。投票日までの約1ヶ月、ピノチェト派と反ピノチェト派の両陣営は深夜に毎夜15分のキャンペーンCMをテレビで放送することを許された。
    今作の主人公、ガエル・ガルシア・ベルナル演ずるレネはフリーの商業広告マンで、彼が反ピノチェト派のCMを作ることを依頼されるところから始まる。

    なんと言っても恐怖独裁政権が行う出来レースを政治的手法でなく、広告マンのプロ意識でもって商業的な手法でひっくり返そうとするアイデアはおもしろかった。

    ガエル・ガルシア・ベルナルは『アモーレス・ペレス』で激しい野心。『モーターサイクル・ダイアリーズ』で静かなる信念。そして今作では自分のプロとしての手腕を貫く強い意志を表現。
    ちょっと追っかけてみたくなる気になる役者として記録。

    3.4点

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