イスラーム国の衝撃 (文春新書) [Kindle]

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著者 : 池内恵
  • 文藝春秋 (2015年1月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (184ページ)

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イスラーム国の衝撃 (文春新書)の感想・レビュー・書評

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  • 質、規模ともまったく違うが我が国で起こったオウム事件を連想させる。宗教が違ってもこうも似るのかと嫌な普遍性を感じさせる。だが奇妙な相対化は不要だ。やはり今起こっている人間の悪の行為を議論の中心に据えるべきだろう。
     そしてこれは世界秩序への挑戦でもある。人質にオレンジ服を着せることで法治主義を嘲笑っているのではないだろうか。力による自由を為さぬばならない時がある。それでもなお、我々は歴史を振り返り法の精神もまた必要な力として呼び覚ます必要あるだろう。

  • アル=カーイダのその後とグローバル・ジハードの台頭、アラブの春による混乱、カリフを名乗る思想とメディア戦略。この本でようやく背景が理解できた。

  • グローバルジハード。アラブの春による中東国家の弱体化。そこに生まれたイスラーム国。今起こっていることについて一定の理解を得ることができた。

  • 日本人拘束事件が起こった同じ日にたまたま出版された池内恵「イスラーム国の衝撃」文春新書

    たちまち売り切れ
    アマゾンで在庫切れ
    天王寺の旭屋には数冊置いてあった。

    複雑な中東の宗教、政治状勢を解きほぐし、どのようにして「イスラーム国」「グローバルジハード」が登場して来たかを説明している。

    驚くべきことに、グローバルジハード主義者達は、2000年から2020年までの行動計画を立てており、2001年の9.11は「目覚め」の時期に相当し、2013年ー2016年には国家の宣言の時期としており、2016年ー2020年は終末論的な全面戦争になるということ。

    そして「そのような終末論的な闘いに身を投じていると信じるジハード戦士の目には、陰惨な戦闘も、残酷な処刑も、聖なるものとして映るかもしれない。」と言っている。

    細かいことでは、人質にオレンジ色の囚人服を着せる意味や、斬首の映像の技術等も解説している。

    池内恵はマスコミには出ない。
    以下ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」
    http://chutoislam.blog.fc2.com/

  •  後藤健二氏と湯川遥菜氏が自称「イスラーム国」に誘拐、身代金要求などの後に殺害された一連の事件の直後に出版された本。執筆されたのはその前なのでこの事件のことは含まれていないが、背景を理解するには十分な内容だろう。

     日本にいると「イスラーム国」は極めて突然出現した組織のように見える。本書によれば、彼らがこの自称を使い始めたのは2014年6月からで、まだ1年に満たない。ISISと略される「イラクとシャームのイスラーム国」を名乗ったのも2013年4月からだという。しかし中東のこういった団体は頻繁に名前を変える上に離合集散も激しく、「イスラーム国」もルーツを辿ればアルカイダやタリバン、イラクのバース党(フセイン大統領の党)といった馴染みのある団体と関係があるようだ。

     本書は9.11から始まるアメリカの対テロ戦争との関係を含めて説き起こしており、全体の流れがかなり良く分かった。かなり速いペースで変転する状況を明らかにするためには現地での取材が不可欠だが、頻繁に誘拐事件が起きるようではまともな取材は期待できない。かと言って彼ら自身がネットを使って発信する情報ばかりを信じるのも別の意味で危ないだろう。

     今の所、日本に住んでいる我々はあまり直接的な影響を受けている印象がないが、中東の石油に頼っていることや、国内でテロを目論まれた場合に防ぐ手段が少ないことを考えると、遠い話とばかりも言えない。

     色々思うところも多いが、何が起きても慌てずに判断できるよう、心構えはしておきたい。

  • イスラーム国の衝撃を読み、最も衝撃だったのはイスラーム国自体が単なる破壊を好む集団ではなく、元来のカリフ制を伴う強固なイスラーム社会を目指した緻密な計画のもの活動をしている組織だと知ったことである。
    本著はイスラーム国の出現に至る経緯、中東地域の現状、イスラーム国の主張や特徴そして未来への考察が書かれている。なかなか一度で理解できる内容ではなかったが、彼らがどういう意図で活動しており何を要求しているのかヒントが見えた。

  • 「イスラム国」とは一体何なのか。その実態を、今の活動や中東などの歴史経緯などから解説されています。実態がわかりにくいと感じていましたが、それはそうする理由があり、宗教的な力を使った戦略があるということ。運による部分もあったと思うのですが、それをうまく使って今の状況を戦略的に形作っていったということ。一歩引いたところから冷静に判断して行動していることが本書を読んで感じました。イスラムに限ったことではないのですが、単眼的な目で見ていてはいけなくて、いろんな思惑がそこにはあるということも忘れかけていました。

  • 遡るとサイクス・ピコ協定か。今時の国家成立は大国の都合というか、外交力というか、でも、あるんだろうなとも改めて思った

  • 昨年あたりから急に関心が高まり、邦人人質の殺害でピークに達した感のあるイスラム国(もしくはIS、ISIS、ISIL、Daash)。その性質や来歴、中東に与えた影響を概説。時事的な内容を扱いながらも、歴史的経緯も含めて多面的に分析がなされ、極めて濃度の高い一冊になっている。一冊読むならこれでいいのではないでしょうか。
    とくに、イスラム国の台頭を、シリア・イラク周辺の地政学的な文脈だけでなく、近年のグローバル・ジハード運動の文脈とも絡めて分析している点がとてもよい。イスラム教の支配を回復しようとするこの思想的・行動的な運動の大きな流れの中に、イスラム国もまた位置付けられる。こうすることで、ほかのグローバル・ジハード運動との関連性も相違も見えてくる。(アルカイダやボコ・ハラムもまたその文脈から分析さることができるだろう)
    そうして捉えると、ただ残酷な軍事集団としてのイスラム国ではなく、政治的・宗教的に極めて重要な論点をもった姿が浮かび上がってくる。そこを理解しないことには、イスラム国という現象と対峙することは難しい。中東、イスラムと、なかなか馴染みのない事柄であるからこそ、その背景を含めた理解が大切になる。
    余談。グローバル・ジハード運動のそのものは、かなり理論的に精緻な思想を持っているよう。アブー・ムスアブ・アッ=スーリーの『グローバルイスラーム抵抗への呼びかけ』などは、本書の概略を読む限り、ネグリ=ハートの『<帝国>』と近しい構図を持っているように思える。西欧的価値観の支配という<帝国>に抵抗するマルチチュードとしてのグローバル・ジハード運動。その分散化され中心を持たない運動は、必然的にドゥルーズ=ガタリとも共鳴する。そうした理論的背景が実際に実践されているかどうかはともかく、20世紀の重要な思想的問題をしっかりと踏まえているようだ。

  • 衝撃的なイスラーム国による日本人人質殺害のニュースがあって、このテロリスト集団とも言える人たちと、世界はどう対峙していくんだろうかと、ただ首謀者たちをどうにかすればいいだけの問題には思えなくて、これからどうしていくのかとむくむく不安になったので、まずは基礎知識をと思って読みました。
    基礎の基礎からイスラーム国が産まれた背景やその中心人物たち、思想、やり方などを細かく説明されています。そもそも単語や人名などになじみがないところからスタートの私なので、つるっと理解しやすいものではありませんが、きちんとご本人が調べてきた結果を書いているのだろうという印象。
    もちろん冒頭の疑問や不安をぱくっと解消してくれるような魔法の本ではありませんが、そもそも彼らが何を目指しているのかは見えてきたかなと。相手を理解しないことには何も始まりませんし、そのための基礎作りにはよかったかなと思います。

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