なぜ、この人と話をすると楽になるのか [Kindle]

著者 :
  • 太田出版
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感想・レビュー・書評

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  • とあるブログでレビューが掲載されていて、興味を持って購入。ちょうど安かった、ようにも記憶している。

    一番感じたこと。

    「あ、僕がいる」

    ホンマに、色んなところで僕に近いのよ、この人の感覚。もちろん違うところもたくさんあるんだけど、大きなところではそんなに違わない。分類すると同じ分類になるんじゃないかと思う。

    『誤解ウェルカム』なんてのは、非常に分かりやすいし、僕も同意する。結局、自分が経験してきた中でしか判断できないのだから、その中で誤解していたら、それは反省して修正しつつも、誤解しないようにする必要はない、と僕も思う。修正するチャンスはいつでも与えられるのだし。

    また、元々コミュ症で、まともに話をするのが苦手だったから、コミュニケーションのルールを考えた、みたいなところも僕に近い。僕自身も基本的にはコミュ症だし、今でもそうだと思ってるし、苦手なものを1つ挙げろと言われたら、『人間付き合い』と胸を張って答える人間だ。でも、ある程度相手と会話できるようになったのは、僕の中で常に小さな目標を決めたこと。それは『相手を1回でいいから笑わせる』こと。それを決めてから、僕はコミュニケーションがかなり楽になった。相手に何かを伝えようとするのではなく、とにかく笑わせる。1回笑わせたら僕の勝ち。そう決めてやり続けたら、そのほうが言いたいことも伝わるようになってきた気がする。

    その辺は、著者が話していることに通じるんじゃないだろうか。

    一方で、ある程度コミュニケーションが取れるようになってきたがゆえに、僕は「自分の意見を相手に伝えて、相手に理解させよう、受け入れさせようとしているな」って感じるようになってきた。と言うか、本書を読んでそうなってきていることに気付かされた。

    本書を読んで、改めて「コミュニケーションの目的は相手を説得することではなく、対話することなんだよなー」と感じた。議論することが必ずしも悪いとは思わないが、それよりも重要で大切だと思っているのは、対話なのだ。そこには相手との協力関係が必要。それを思い出させてくれた。

    最近の僕のコミュニケーションは、議論やバトルが中心になっていたように思う。改めて、対話を重視していきたい。

    知り合いとは話せるけど初対面とは言葉が詰まってしまう、話せないわけではないけど気まずい雰囲気が残って話が盛り上がらない、どうも相手を説得しようとして空気が重くなることが多い、そんなふうに感じている人は、本書を読んでみるとヒントが有ると思う。

  • コミュニケーションをゲームと捉える
    ・プレイヤー
    会話の参加者全員
    ・ゲームの特性
    競争ではなく参加者全員による協力プレー
    ・敵
    きまずさ
    ・勝利条件
    1人でも多くの参加者が楽しい気分になること
    会話前後で心が満たされること

  • コミュニケーションが苦手だと自認している(私のような)人がすぐに取り組めるような具体的な対策が載っていて、とても良いと思う。

  • 「コミュニケーションの目的はコミュニケーションである」という言葉に、最初は反発を覚えた。目的は人それぞれでは?と。でも、自分自身についてよく考えてみると、求めているものは、その通りのものだとも思った。

    全体を通してとても読みやすく、納得出来ることばかりだった。

    「先入観は間違ったいて良い」「人は間違った情報を訂正するときにいちばんしゃべる生き物」というところを読んでいて、身近にいる会話の上手な人の顔が浮かんだ。
    よく間違ってるし、そういうときこちらもよくしゃべっている。

    相手が答えやすい質問をする、具体的に聞く、など参考になった。

    意識して実践していきたい。


    著者は、自分では今でもコミュ障だと思っている、でも、周りから見たときにそう思われていないっていう状況になった。そうなるまでいろんなステップがあった。一つ一つ考えて、できないところは反復して、練習して、自分で解決して、全部メモをとって血肉化してきた、というようなことを書いているけど、この辺のエピソードをもっと具体的に書いてくれたら、もっと参考になるかなと思うのだけど、どうなんだろう。

  • ニッポン放送のアナウンサーであるよっぴーさんが書いた、コミュニケーションのための本。

    ご本人はかなりコミュ障であると。多分誰からもそうは思われていないでしょうけども。
    結局そんなものなのかもね。僕自身はそこまでコミュ障だとは思ってないけど、人にどう思われているかはわからない。
    この本の中でも「誤解ウェルカムで」という言葉があって、なるほど、と思った。一時期は誤解が嫌でコミュニケーションを深く取らないスタンスでいたけど、それももったいないのか。あるいは、本当に『コミュケーションは”本能”』なのか。

    これを読んですぐ対人関係が改善する、とかそんなことはないと思いますけど、すこし気楽にコミュニケーションできるかもしれないと思いました。まずは相手を楽に、ですね。

  • ニッポン放送のアナウンサーが、会話の技術を披露。
    入社当初は苦労されたことが書かれています。
    やはり経験から学び、コミュニケーションは無理することではないと理解できます。
    コミュニケーションを協力プレーのゲームとして書かれているところも面白かったです。
    今までのコミュニケーション経験を考えると、客観的に納得する部分がわかりました。

  • 本書はコミュニケーションの実践的なテクニックを書いた本である。

    本書は基本編と技術編に二分される。

    前半の基本編では「コミュニケーションとは何か?」という疑問から始まる。
    コミュニケーションの持つ「偶然や突然に翻弄される性質」や「伝えるのではなく伝わってしまう性質」「敵と味方を峻別してしまう機能」について説明していく中で、コミュニケーションのゲーム性を明らかにしていく。
    コミュニケーションは対戦型ではなく、協力プレーで「気まずさ」を倒すためのゲームとされる。
    人と人が居合わせた時点で強制的にスタートされるゲームには様々な勝利条件があるが、「人にしゃべらせる」という基本姿勢を維持することで確率を上げることが出来る。

    後半は技術編では、コミュニケーションにおける話題の作り方・質問の仕方を具体的に掘り下げていく。
    ここで言う「掘り下げる」とは、質問項目の列挙ではなく、コミュニケーションにおける定石とされるパターン、そのパターンにおける相手の心理状態の分析、会話における呼吸法の紹介である。

    いくつかの例は知ってたというか、「まあそうだよね」と言える内容だったが、「コミュニケーションとは何か?」からコミュニケーションゲームに勝つための実践テクニックまで、粘り強く丁寧に説明していく本書は、コミュニケーションを考える上で大変参考になった。

著者プロフィール

ニッポン放送アナウンサー。2012年第四九回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞。「マンガ大賞」発起人。マンガ、アニメ、アイドル関係等に精通。著書に『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)等

「2022年 『オタクを武器に生きていく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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