いなくなれ、群青(新潮文庫nex) 階段島 [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
3.18
  • (8)
  • (13)
  • (21)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 258
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (270ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 階段島シリーズ第1作。
    気になりつつも機を逸してしまい、今更電子版で購入。

    ザ・青春ファンタジー。なんだけども、うーん。。。もう少しミステリ色が強いのかと勝手に想像していた。
    読みやすさもあってか、スイスイと読めるのだが、もうちょい謎解き部分を濃くして欲しかった。
    消化できなかった諸々の謎の解決は次巻以降か。

    青春小説としては面白いのだが、実は肝心のヒロインをどうしても受け付けられず。歳を取りすぎたか笑、と思いつつシリーズを通して成長していく感じなのか、そこも楽しみにしている。

  • 今となってはブルーライト文芸にジャンル分けされてしまうのかな。
    ライト文芸の傑作です。

    主人公七草は階段島に住んでいます。階段島は、魔女が頂上に住むと言われる階段状の山を中心にもつ島です。ただし、外部との人の行き来はできないというファンタジーとしての領域。

    そこに生活している人々は、現実の世界で捨てられた性格や考え方など、影絵となった人たち。
    階段島の七草は、現実の世界で生きていくために捨てられた本人の悲観的な部分のペルソナ。ただし、階段島でそれなりに満ち足りた暮らしをしていた。ところが幼馴染の真辺由宇がそこにきてしまう。現実世界で何かと折り合いをつけて捨てられてしまった彼女の一部。

    七草から見たら、受け入れ難い話だった。いつも理想を追っていた真辺。そんな彼女がなぜ階段島に?

    ー真辺由宇は七草にとっての英雄だった。僕の目に映った、もっとも綺麗なものだった。その美しさを保てるのなら、何を犠牲にしてもよかったー

    ー暗い宇宙でなにより輝く明るい星、ピストルスター。群青色の空に浮かぶ、決して手の届かないものー

    そんな彼女が階段島にいてはならない。
    魔女への抗議のために、七草はピストルスターの落書きを書いた。彼にとって大事なものを島の外に再び連れ出すために。
    島に来た真辺を帰そうとする。

    これが最良なんだ。なのに胸がずきずきといたむ。
    頭を振って、あの夜空を忘れようとする。
    いなくなれ、群青!

    二人は魔女から忠告をうける。
    階段島の階段を登ると、そこに全てがある、と。
    自分を捨てた自分に会える。

    自分自身に出会い、彼女は再び現実と戦うために外の世界に帰るはず。七草はそう思っていた。

    しかし彼女は戻ってきた。
    なぜ?理想を捨てたから?違う。
    真辺由宇はもっと強かった。

    ー私たちがそのまんまじゃ上手くやっていけないなんて,信じたくない。それじゃまるで今までは幸せしゃなかったみたいだもの。私は現実世界の私たちが間違っているんだって証明する。
    だからお願い、手伝ってくださいー


    好きや愛なんて言葉は二人は使わない。
    恋の駆け引きも、ありふれたトキメキもここにはない。

    じゃあ恋愛小説じゃないのかって?

    いいえ、本当にまっすぐな、群青色の夜空に浮かぶピストルスターのようにまっすぐな、そんな恋愛小説なんです。

  • 想像よりも規模の大きい落とし物
    少年の複雑な心境の理由が明らかになったところはスッキリはするが、物語全体のパンチ力は弱めかも

    Audibleで聴いたが、少年と少女の声の使いわけが上手く物語に入り込めた

  • キャラクターにあんまり好感が持てなかったけど、
    文章や表現が気持ちよくて読み進めてしまうみたいな。
    もっと短編で読みたい作家さんです。
    続編も何冊か読んだけど、キャラクターよりも世界観重視ですかね…

  • (2022/297)直前の記憶を失って、「捨てられた人の島」だという階段島にいた高校生の七草。意外と階段島での暮らしは平穏で悪くなかったのに、幼馴染と言っていい不器用な真っ直ぐさの真辺が島に現れたことで一変する。ピュア系の恋愛メインに、島の謎解きが絡んでくる。若干回りくどい高校生思考が気に障ってしまい、シリーズ物のようだけど次も読むかという気になれないなぁ。

  • つまらなくはないのですが、主人公たちに人間味がなさすぎてちょっと微妙…
    それも意味があるといえばそうなのですが、唐突に明かされて淡々と進んでいく印象が強い

  • アマプラで映画の予告観て原作先に履修しようと思いました。
    悲観的で理屈っぽい頑固な男の子が主人公。多分。最後の終わりかたが釈然としなかったのは続きがあるからなのかな。
    ただ、物語の序盤に、出てきた「あらゆる言葉は、誰かを傷つける可能性を持っている。明るい言葉でも愛に満ちた言葉でも、どんな時にも間違いのない言葉なんてないよ」という言葉が、全私がうんうんうん肯定しちゃって。しちゃって。大納得。最近ずっとその事は考えていたから、上手く言語化して頂けて気持ちよかった。本当に、そうなんだよ。
    自分の何気ない言葉が人の弱い所にクリーンヒットしてしまう事があるし、他人の幸せの言葉が自分を苦しめる事もある。その自覚を持つか持たないかって凄く大事だと思うんですよね。と、堀さんに共感する私は思いました。

  • まあ読んでみた。お話しの作り方はおもしろいが、十代の主人公たちの独りよがりな心の読み合いがめんどくさーというのが、おじさんの感想です。カフカ+忖度って感じ。そんなに傷つきやすいの好きなんかねー

  •  久しぶりに世界観が好きな本に出会えた!シリーズあるらしいので次も読む~♪♪意味のわからない(失礼)というか、小難しい解釈の話を読み解いていくの好き。

     
    「捨てられた」人の街。そこに真辺が現れたことで、現実世界の「僕」と「真辺」が一緒にいたいと望んで悲観主義と理想主義を捨てたのだろうと推測できる。私もこう思われる存在でありたいなと共に、いなくなれ群青というタイトルが急に沁みてきて泣きそうになった。ピストルスターと、群青色と、いなくなれ、群青、繋がったとき読み進めてよかったなと思った。

  • 妥協できない少女と妥協してきた少年が、なくしもの島、階段島で青春する?ボーイミーツガール(再会だけど)的なお話


    文章が綺麗で読みやすく、止まらず読み進んでしまった
    主人公の煮えきらないような、諦めたような姿勢にも煩わしさを感じない
    どことなくジブリを連想するような設定
    相反するような退廃的な雰囲気

    少しづつ明かしていく島の秘密
    それに伴い生じていく喪失感
    読み終わった後は、群青てこんな感じかな、という気持ち良い感覚が残る


    残念なのは、階段島シリーズ第一弾(第一作?)と裏表紙に書かれていたこと
    それがなければまっとよかったのに

  • 「男子は立ち入り禁止だと聞いていました」
    「何事にも例外はあるの。水漏れ修理の業者とか、サンタクロースとか、学校をサボった女の子を訪ねてきた男の子とかね」

全17件中 1 - 17件を表示

著者プロフィール

徳島県出身。2009年に『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』で、角川スニーカー文庫よりデビュー。若者を中心に人気を博し、シリーズは7冊を数える。他著作に「つれづれ、北野坂探偵舎」シリーズ(角川文庫)、『いなくなれ、群青』(新潮文庫)に始まる「階段島」シリーズなどがある。

「2023年 『昨日星を探した言い訳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

河野裕の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×