シャトーブリアンからの手紙 [DVD]

監督 : フォルカー・シュレンドルフ 
出演 : レオ=ポール・サルマン  マルク・バルベ  ウル リッヒ・マテス  アリエル・ドンバール 
  • オデッサ・エンタテインメント
3.38
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本棚登録 : 52
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4571431211359

感想・レビュー・書評

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  • シャトーブリアンからの手紙

    冒頭のこう言う徒競走の場面って「炎のランナー」を思い出すな…まぁあれは1920年代の話だから本作は随分後の物語ですね。
    40年代で舞台はフランスかな?ナチスに占領されたパリか…海沿いの郊外だな…
    テロで殺された将校の報復に対するドイツ本国とパリ駐在員との軋轢や収容所のフェンスを挟んで詰り合うパリ市民…いくら同胞であっても裏切りは赦さない態度…まだ冒頭10分少々ですがこの辺の相反する者達の掛け合いが面白いです。
    シャトーブリアンって牛肉でも高級な部位だよね。フランスの地域名でもあるんだな…
    テロへの報復のための見せしめを選ぶ、人選の方法が酷いです。まぁ何にせよ何やっても正当性なんて有り得ませんが、こんな風に適当で個人の思惑に流されて決められて、殺されたんじゃ堪ったものじゃない…
    こう言う海岸線でのナチス部隊って「ヒトラーの忘れもの」を思い出します。あれはデンマークとの歴史的事実を題材にした作品だった。凄く心に響く良い作品だった…
    塀を挟んでの逢瀬はロマンチックな印象を受けますね。自分達の置かれている状況を悲観していないところに救いがあって良い。
    夜中の収容所の中で始まる音楽と踊り…さすがフランス人と言いますか、芸術や文化的な素養が高いと言うか、こう言う場面は面白いです。
    嗚呼、主人公であろう少年のウールのズボンに「シンチベルト」がついてるなぁ〜40年代初頭だしこのデザインは一般的だったんだなぁXXと同じだ〜なんて元古着屋としては感動ポイントでした笑笑
    しかしこれから処刑されると思われる呼び出しを待つって心境はどんなものなんだろうな…生死を問わず、もしかすると自分も呼ばれるかもって状況って緊張しますよね笑笑。それが死と直結しているんだから恐怖でしかないか…神父が語る「フランス人として死ぬ勇気」って言葉が胸を打ちます。彼らには何の罪もないが他のフランス人の為に犠牲になる覚悟を決められるって事だ…自由のために死ぬ…矜持に満ちた崇高な覚悟ですねぇ〜誰もが意見しても文句は言わない…家族へ自身が死ぬ事を詫びる…そんな言葉を彼らのようにぼくらは綴れるだろうか…現代の我々はそんな風に死ねるだろうか?
    最後の最後まで誇り高く自由を主張し、泣き言も言わない…すごいなぁフランス人を見直したよ…別に悪いとか思ってた訳じゃないですけど、ここまで誇り高いとは…さすが革命を成し遂げた人民とでも言えばいいかな笑笑
    銃殺する側の兵士達に将官が処刑の段取りをレクチャーする場面なんて初めて見た…監督さんは殺される側も殺す側も本意ではないと言いたいんだろうな…あくまでも戦時中であり、命令は絶対で、仕事なのだって…この場面を見ていて「君に読む物語」を思い出した。法廷で彼女が発した言葉…好きでやっていた訳では無いんだよね。仕事として目の前にあったから仕方なかった…これがリアルなんだろうな…
    銃殺した直後のシーンでドイツ兵の背中を写している場面はすごいですね。何気ないけど、彼らの背中越しの光景が凄まじいし、彼らの背中が心情を浮かび上がらせています。なんの温情も容赦もない戦争の過酷さ…
    嗚呼、これは重い作品でした。

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