ヴァン・ショーをあなたに 〈ビストロ・パ・マル〉 (創元推理文庫) [Kindle]

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  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • 前作タルト・タタンの夢で常に出てきたヴァンショーに纏わる短編である。初っ端にネコの話題があるので、ネコが謎解きのキーになるのだろうか?

    前作もそうだったように、ミステリーというよりビストロ パマルでちょっとした謎解きをしながら、ほっこり、心温まるストーリーだった。中にはほろ苦い別れもあるが、これは哲学書なのだろうか?と思えるくらい奥が深い。

    私にとっては食欲を唆るストーリーで、ほっこり感も好物なので、満足度は高かった。

  • 美味しそうな本です。

  • Audibleで。
    シリーズ二作目。
    心の棘をそっと抜いてくれるような、温かいお話。あっという間に聴き終わってしまいました。

  • ビストロ・パ・マルシリーズ第2弾。第1弾が面白かったので待ち焦がれてたんだけど、ちょっと物足りない。しかも後半はいきなり語り手が変わっちゃうし、内容もなんかシリアスっぽくなるし。料理の描写も前のほうがよかったなあ。ブイヤベースはとっても食べたくなったけど。

  • シリーズ第2弾。新作のために電子書籍で復習中。なので解説は初めて。池波正太郎と並ぶくらいの食の描写力とあり、大きく頷きました。

  • 前作同様、日常のちょっとした謎を解き明かすミステリ。今回も誰も死なず、日常感を楽しむ作品となっている。

    前作と異なるのは舞台。フランスが主となる。
    シェフとビストロ・パ・マルのメンバーの出会い、そしてシェフと準メンバーであるヴァン・ショー(ホットワイン)の出会いが描かれる。

    前作を読んだ方に是非おすすめしたい。

  • 今作も、表現や物語性は最小限にも関わらず、人物が浮かび上がり楽しく読めました。
    近所にこんなビストロあったらいいのにな。

  • シリーズ第2弾。
    あまりにも一作目が面白かったので、2作目を一気に読みました。(実は3作目も読み切っています)

    前作では語り部が「ぼく」ことフレンチビストロ・パ・マルのギャルソン高築くん。
    今作では、高築くんだけでなく、お客様目線やシェフの過去の話も出てくる。

    好みとしては、高築くんが語り部となる方が好きなんだけど、お店を飛び出すことでこの世界の奥行きが出た感じがして楽しめました。

    全7編は、前作と同じくそれぞれが短いお話で、しっかりとした結論が書かれている訳ではなく、なんとなくそこからの物語を想像する余白が残された書き方です。
    私はこのなんとなく余韻が残った余白がとても好きで、今回このシリーズを読んで、さらに「食べ物が出てくる余韻の残った余白」が大好きであということに気づきました。

    もちろん、物語によっては希望の残る形だったり、なんとなく悲しい結末が見えてくる余白もあるのですが。
    そう行ったことをひっくるめて大好きなシリーズになりました。

    さて、今回の7編の物語のうち、私が1番印象に残った作品は「ブーランジュリーのメロンパン」。
    パンの表現もさることながら、昔からあるパンとちょっとおしゃれなハードパン。
    どちらも大好きなので出てくるだけで美味しそう。
    そして、この物語の「思いやり」だったり「後悔」がなんだか胸にグッときて印象的。
    しかもこちらのパン屋さん、パ・マルシリーズにちょこちょこ出てくるようになるので、そういった意味でも注目です。

    忘れてはいけない表題作である「ヴァン・ショーをあなたに」も、思いやりとかなんだか人と人の心の繊細な部分に触れている作品で愛おしくなりました。
    もちろん、「ヴァン・ショー」も飲みたい・・・。
    (お酒はからきしダメなんですが)
    ああ、やっぱり読んでいると色々食べたくなってきました。
    美味しそうな料理を表現できる文章力、素晴らしいです。
    家の近所にできたフレンチビストロに飛び込みで行ってみたら満席で入れませんでした。
    ちゃんと予約して食べに行こう。
    そこはもちろん三舟シェフが作るフレンチはありませんが、この作品で得た知識は、メニューを見た時に活かされるかもと思ってしまうのです。

  • 1作目とちがって語り手がギャルソンじゃなかったり、シェフの過去の話があったりして飽きずに楽しめた。マドモワゼル・ブイヤベースの回のシェフはちょっとかわいすぎませんかね。
    前作にも頻繁に登場していたヴァン・ショーがテーマの話があって、それも嬉しかった。
    謎解きはパートは、まあ、ちょっと強引かなってところもある。

  • タルト・タタンに引き続き読了。描かれる時間軸が話毎に異ったものの、読みやすさは変わらずテンポがいい。三舟シェフの人柄にグッと踏み込んだ話が多かった印象。

  • 下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルの三舟シェフが謎をとく日常系ミステリー。
    フランスで修行中の三舟がたまたまレストランで相席した女性の恋のお話「天空の泉」で描写された運命の恋模様が個人的に刺さった。

  • タルトタタンの夢を読んだので、続きのこちらも読んでみた。
    タルトタタンの夢同様、ドラマに使われている話も多く、知っている内容が多かった。
    が、ドラマになっていない「錆びないスキレット」「天空の泉」はストーリーを知らなかったので面白く読めた。
    この本は文体も内容もサラッとしていて、とても読みやすいしのが良いところだと思うけれど、その分、結末を知っているストーリーは薄味に感じてしまう。
    ドラマを見る前に読めば良かったな。

    「氷姫」はドラマと結末が違っていて、私はドラマの結末の方が好みかな。(ハッピーエンドが好きだから)

    さらに続編の「マカロンはマカロン」も読もうか悩む。

  • うっかり猫に餌付けしてしまったり、リュックサックから鰹節を出して味噌汁を作ってしまうシェフ。実は面倒見も良さそう。どのお話も読んだ後に温かい気持ちになるそんな作品でした。同業者も盗みたくなるシェフのブイヤベース私も食べたいです!

  • 日本人にはありがちなアルコールを受け付けない体質が西洋人にはほとんどない、という下りをドラマでは聞き飛ばしていたようだ。そうだったのか。しかし,それに纏わるもう一つの謎はドラマでは触れられてなかった。良い話なのに。
    その他,ドラマでは扱われなかった話が2編。どちらもなんとも良い話だった。

  • 好きなことが仕事にできる人がいる。うらやましい。

    好きなことをとことん突き詰めていける。すごい。

    自信を持ってできることがある人はとにかく大きい。


    食にまつわる物語、大好き。

  • ビストロ・パ・マル第二弾。

  • フレンチのビストロ“パ・マル”を舞台にした『タルト・タタンの夢』の2作目。
    またまた美味しそうだし、優しいし、サクサク読めるし、ほっこり癒される。
    どんな経歴で“パ・マル”に至ったのか謎だった三舟シェフのフランス修業時代のお話では、あの癒しのヴァン・ショー誕生のきっかけのエピソードがあったり。
    第3作も出版の予定だとか。待ち遠しい。

  • 途中で語り手が変わる

  • 推理物の新パターン。料理から謎を紐解いていくのが面白い。

  • 簡潔であっさりと読める飾り気のない文で、さらさら読めるが、「氷姫」でポトフを食べるシーンは言葉を尽くして書かれていて、読むと同じイメージを共有するような感じになった。

  • 「タルト・タタンの夢」が面白かったので、ハードカバーであることに迷いながらも購入。春野菜のビネガー煮、ブイヤベース、トリュフオムレツなど、美味しそうな料理がたくさん出てきて、全体に後味のよい小説であるところがよい。猫が出てくるところもよい。

  • 家の近くに欲しいレストラン「パ・マル」がきましたよ!今回も美味しそうなものが多すぎです。前作よりも若干クセのある話が多かったかなという印象ですが、食べ物が美味しそうなのは変わらず。日常の謎解きがすっと入ってきて、鮮やかなのも変わらず。
    パ・マルのオーナーが出てきたり、お客さん目線の話があったり、三舟シェフのフランス修行時代の話があったり、パ・マルワールドは順調に拡大中。
    どうやら続きもあるようなので、楽しみです。

  • とある商店街にある小さなフレンチ・ビストロ「パ・マル」。
    気取らないお店で、かつ、シェフの腕も確かで人気というお店。
    そんなシェフは頭も冴えていて、お店にやってきたお客さんたちの
    言動から日常の謎を解き明かす、そんなお話を集めた短編集。
    シリーズ第2弾。

    今作はシェフのフランス修行時代の話もあったり、
    シェフが恋をしたのか!?という話もあったりで前作以上に楽しめた。
    ただし、ミステリの部分は相変わらず難しかったな。
    一緒に探偵気分を味わいたい読者には不向きかも。
    個人的にはミステリよりもそれ以外の部分が面白かったので
    読めて良かったなと思えたし、不定期連載中の続編が一冊に
    まとまって刊行されるのが待ち遠しい!

  • 再読。kindle。『タルト・タタンの夢』に続く第2作。前作とはまた違った視点から話が展開していくが、謎解きの鮮やかさは変わらず。三舟シェフの修業時代も読めて、また物語の世界が広がった。どの章も甲乙つけ難いけど、やっぱり表題の一作がいちばん好きかな。ヴァン・ショー(ホットワイン)と同様にじわじわとあったかいお話です。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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