リアリティのダンス 無修正版 [DVD]

監督 : アレハンドロ・ホドロフスキー 
出演 : ブロンティス・ホドロフスキー  パメラ・フローレス  イェレミアス・ハースコヴィッツ  クリストバル・ホドロフスキー  アダン・ホドロフスキー 
  • TCエンタテインメント
3.49
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562474163675

感想・レビュー・書評

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  • 美術館でみる映像作品のような、詩を読んでいるような、サーカスみたいな映画。
    チリの歴史を不勉強のため、ストーリーが理解できない部分がある自分が悔やまれたけど、
    表現方法のパワーに圧倒された。
    最初は絶望的な状況にも思えるけど、少年を通して怖いけど目が離せない透明な世界が見えた。
    カラフルに飾られているから、そこに暴力があっても見ていられる。
    絶望のすみっこから希望が見えてくるのが良い。
    最後の自分自身の一部との別れは悲しさもあった。

    でもこの映画、見終わってもよく理解できない部分はやっぱり多い。正解は書いてなくてヒントが示されるのみ、みたいな。
    それが難解なのかわかりやすいのか、よくわからなかった。
    鑑賞後に歴史の事や監督自身のことを、いろいろ調べたくなった。

    劇中でホドロフスキーが子どもの頃のホドロフスキーにかける言葉
    〝苦しみに感謝しなさい
    そのおかげでいつか私になる〟。
    ホドロフスキー自身が子どもホドロフスキーを支える。
    息子を父と呼ぶ母。
    ホドロフスキーの本当の息子が父役を演じる。
    後で知ったのは、俳優も家族だったんですね。本当に家族の物語でした。

  • 途中まではガルシア・マルケス×バタイユみたいな感じで最高だったんだけど、中盤から急に失速。ホドロフスキー作品は大抵こう。最後は寝てしまった。

  • ファンタジックでカラフルな感じはとても可愛いけれど、暴力的な描写も多かった。自伝的映画だからしょうがないのかもしれないが、たくさんのエピソードを詰め込んでいて、まとまりがないような気がした。

  • すさまじいものを観てしまった。
    現実との境目がなくなってしまったサーカスのようだ。
    何よりも色彩感覚がすばらしすぎる。世界に原色が配されると、作品世界がふわりと現実から浮上する。

    そんな色彩世界のなか、ものすごく個人的であろう世界観や記憶を、ものすごく荒唐無稽に描いている。にもかかわらず、ひょっとしていつかこんなことがあったのかもしれないと思わされる瞬間がある。このなまなましさ。

    ときどき、アレハンドロ・ホドロフスキー自身が姿を見せもする。彼が背後から抱きしめる少年は彼自身か。その父親はスターリン主義者のマッチョで少年を虐待し、母親はふつうに話さない、歌でしか会話をしない。

    ガルシア=マルケスの小説みたいに中毒になりそう。
    これからできるだけ多くの人にすすめたい。
    だれが陶酔し、だれが目を逸らすだろうか。

  • 処理に時間かかる系でした!な・・・なんだこれあ・・・あと長い・・・ってなった

  • 監督、グイグイくるね。
    お母さんよかった。

  • だいぶ昔にエルトポを観た気がするんだけど読了に入ってないから観てないのかな?
    ずっと気になってた作品。マジでカオス。腕と足がダイナマイトでなくなった人たちの集団が店の前に襲撃してきたシーンなんてほんとシュールすぎてどうしようかと思った。久しぶりにみたなーこういう作品。わたしは好き。ぶっ飛び方が凄まじくて好き。
    息子役の子すごく可愛かった。金髪のカツラの方が似合ってた。

  • アレハンドロ・ホドロフスキー監督自身の少年時代のお話。

    南米チリでの歴史的背景に翻弄される家族を主軸に
    主に自身(主人公)の父親にフォーカスした様だ。
    幼い頃は母親からの(愛の)執着を一身に受けた。
    ブロンド長髪の鬘を被せられて、まるで少女のような
    出で立ちだった為に、同級生から異質な扱いを受け
    た。父は反対に男らしさを強要した。そんな父と母に
    存分に可愛がられた?!頃、時代は共産主義から資本主義への転換期を迎える。父は表向きは共産主義者だが、秘密裏に資本主義者として同志らと共に反旗を翻すタイミングを狙っていた。

    そんな父の命がけの政治活動は思わぬ所で失敗に終わる。その間、父とは生き別れ状態だった主人公。

    母もそんな父を愛していた故、心配していた。
    *母親のセリフは常にオペラみたいに歌っている。
    本業はオペラ歌手だけに美味いです。

    主人公を取り巻く人物が個性的であり、エピソードも
    強烈です。その人物像の強烈さに引けを取らない非現実的な光景。大量の魚が海岸に流れ着き、、父はペスト患者のデモに救いの手を差し伸べたはいいが、もみくちゃにされて自身もペストに犯されたのだが母の放尿(聖水)で一命を取りとめたり。。軍事政権下の大統領暗殺を目論むも同志が仕留め損なったのを踏み台に大統領を救った人物として誤解されつつ、大統領の愛馬の世話人となって虎視眈々と暗殺を狙っていたのだが、ついには殺すことが出来ずに行き場を探し求めて放浪する。母親と主人公2人暮らしで夜が怖くて眠れない主人公に対して母親は黒い絵の具?を息子に塗りたくり、自身も全裸なって全身真っ黒になってかくれんぼするという親子のふれあい?(闇は怖くないわ〜♪)その他、息子を差別する酒場に母親が全裸で練り歩く、、(ユダヤ差別は許さない〜♪)
    父はもうこの時点で正気を失い、何も失うものがない状態で自分を匿ってくれる人々と出会い少なからず良い方向に進むかと思うと匿って面倒をみてくれた人たちが死んでゆく、、。最後にナチスの捕虜となり激しい拷問を受けた。。その後ナチスが崩壊し新時代が開かれた時に民衆によって助け出される。

    、、そんな激動の時代を生きた波乱万丈の父と無事に
    母&息子(主人公)家族が再開し家族3人で旅立つのです。

    時々、監督自身も出演され主人公(=自身)の行くべき道を諭すのだ。。
    あの頃の自分が感じてきた何かと、父が不在中であった間の父の行動(ここは好きに描いた感が、、)が愛混じり家族の数奇な運命が鮮烈に描かれている。

  • 訳分からんけど、ストーリーはちゃんとある(笑)

    なんだか理性をすっとばしてる映画やから、惹きつけられてもうた(^_^;)

  • 監督や作品そのものの予備知識なしに観た。

    出生以来の母子一体からの分離、父権との対峙、外の世界に足を踏み出した時の不安、憧憬、等などをこれほど象徴的に表現してみせた映画が現代に存在したことに感奮させられた。

    フリークスやらナチスやらの登場が、現代日本の過剰な表現規制にウンザリしていた身としては、強烈なカタルシスとなった。

  • ホドロフスキー節炸裂 ホドロフスキーの子供時代の話なのかな?少年から大人になるまでの過程をお伽話的な演出を交えて描いている。

  • LA DANZA DE LA REALIDAD
    2013年 チリ+フランス 130分
    監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
    原作:アレハンドロ・ホドロフスキー『リアリティのダンス』
    出演:ブロンティス・ホドロフスキー/パメラ・フローレス/イェレミアス・ハースコヴィッツ/クリストバル・ホドロフスキー/アダン・ホドロフスキー
    http://www.uplink.co.jp/dance/

    ホドロフスキーの自伝を自ら映画化した久々の新作。完成しなかったDUNEもそうだったけど、相変わらず四肢切断や去勢のグロテスクなモチーフは健在。とはいえ自伝ということで背景にチリの歴史なんかもあるので、今までの映画に比べたらわりと普通に見れる・・・ような気がしたけど客観的には異質かなやっぱ(笑)主人公はアレハンドロ少年かと思いきや、後半ほとんどお父さんの彷徨遍歴になっちゃってるし。

    少年時代のアレハンドロ役の子が超美少年でした!お母さんは息子を自分の父親の生まれ変わりと信じていて、金髪巻き毛のかつらをかぶせて女の子みたい育てるのだけれど、お父さんのほうは精神的マッチョで暴君的、サディスティックなまでに暴力や痛みで男らしさとは何かを息子に叩きこもうとする。どっちも極端で、どうなることかと思いきや、終盤どんどん家族の再生の物語になっていったのは意外でした。

    お母さんは、そ、それはメロンですか!?というくらいの巨乳で、元オペラ歌手ゆえ普通にセリフを喋ることは一度もなく、ずっとミュージカルのようにオペラ調の歌で表現。後半になるにつれて息子への愛情炸裂、夫への愛情も炸裂、おっぱいに負けないくらいの大きな愛で男たちを包み込んでくれます。終盤、ヒールで仁王立ちでお父さんをお姫様抱っこする場面はカッコ良かった!歌声もとても美しい。露出度も後半になるにつれて上がってゆくのだけれど、あのおっぱいはむしろ隠したままにしといてくれたほうが夢が詰まってたかも(笑)

    お父さんは序盤はいばりくさってて嫌なオヤジなんだけど、後半妻子をほっぽりだして大統領暗殺のために馬の世話係として潜入、失敗してからショックで記憶を失いスラムで暮らしたり、親切な家具職人に救われるも、うっかりナチスにたてついて拉致拷問、かつて神を信じなかった彼の姿は皮肉にもだんだんキリストに似てくる。最終的に彼が抱えていたもの、ユダヤ人であることのコンプレックス、もろもろの弱さが明らかになってゆく、その姿は父と同時にアレハンドロ自身にも重なります。

    お父さんを演じているのは『エル・トポ』の頃は子役だった監督の長男ブロンティス・ホドロフスキー。その他、謎めいた行者役のクリストバル・ホドロフスキーは『サンタ・サングレ』で主人公のフェニックスを演じたアクセル・ホドロフスキー!そしてさらにアナキスト役のアダン・ホドロフスキーは同じくフェニックスの幼少時をかつて演じていて、今回は音楽も担当と、ファミリー総出でこの家族の映画に彩りを添えています。

    コバルトブルーと鮮やかな赤のコントラストなど色彩も非常に美しく、真っ白い海に紫色の舟が消えてゆくラストシーンもとても美しかった。
    (2014/12/23)

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著者プロフィール

1929年、チリでロシア系ユダヤ人の子として生まれる。映画監督、映画プロデューサー、芸術家、劇作家、俳優、詩人、作家、音楽家、漫画作家、タロット研究家、サイコセラピスト。『エル・トポ』(1970)、『ホーリー・マウンテン』(1973)など前衛的作風の映画がカウンターカルチャーを代表する人々に絶賛され、カルトムービーの鬼才として名を馳せる。2013年には〈実現しなかった映画〉として知られる『DUNE』を題材とするドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』が話題を集めた。タロット研究家、サイコセラピストとしての活動も長年おこなっており、フィリップ・カモワンとともに製作した〈カモワン・タロット〉によるリーディングセラピーで知られるほか、芸術によって魂を解放する独自のセラピー〈サイコマジック〉の取り組みをライフワークとしている。現在はパリを拠点に活動しており、自伝『リアリティのダンス』を原作とする映画2作『リアリティのダンス』(2013)『エンドレス・ポエトリー』(2016)に続く3作目、『エッセンシャル・ジャーニー』を2021年現在製作準備中である。

「2021年 『サイコマジック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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