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- / ISBN・EAN: 4988003830755
感想・レビュー・書評
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20年ぶりに見た。もう、最初の色づかいから心を持っていかれる。昔から眠くなると評判のタルコフスキー作品だが、三人でトロッコに乗っているシーンはちょっと長い気がしたが、あとの映像では全く感じなかった。
「ソラリス」では美しい水が流れたが、こちらは濁ったり油が浮いたりしていて、タルコフスキーの心情の反映のよう。作家と教授はタルコフスキーではおなじみの役者で、ある意味安心感があるのだが、ストーカー役のカイダノフスキーの顔は苦しみと悲しみと緊張感に満ちていて、この役にぴったり。ストーカーの妻が椅子から身を投げ出して嘆く様子は、「ソラリス」でハリーが蘇生する様子にも似ているが、精神的な苦しみはより大きい。
ストーカーが暮らす家の近くに原子力発電所があるのも象徴的。
音楽はラヴェルのボレロとベートーヴェンの第九が一瞬。あとは効果音のようなシンセサイザーが出しゃばりすぎない程度。この音に厳しいところも、本当に素晴らしい。
それにしても、「ストーカー」には今のような意味がなかった頃もあったこと、ハリウッドはリメイクしそうにないこと(美人の出番がない、おっさん3人のみで物語が進行)など感慨深い。また、昔見たとき思ったことを今回も強く思った。「風呂入れ!!」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3.0
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誠に退屈であるし、旧ソ連の安っぽさがある。
にも関わらず、テーマは重めなのでチグハグ。
ソ連映画はキンザザみたいに突き抜けるのが一番なんでしょう。
知性によって聖なるものが一見失われた世界に綺跡が起こるっていうありきたりなテーマも良くないな。 -
未確認物体が落下したと言われる”ゾーン”へと入り込んでいく男3人のゾーン内での体験を中心に描いたSF的ドラマ。”ストーカー”とはその案内人のことらしい。
映像が美しい。 -
面白さの定義を変えないといけない。
面白いといえばすごく面白い。
でも、ずっと見ていると眠くなる。だから途中から、パソコンをいじりながら見た。それでときどきテレビ画面に目をやると、見入ってしまう。それからまた眠くなってパソコンへ、の繰り返し。
こんなに映画内で時間がゆっくりと流れる作品もない。 -
とりあえず長い。倍速で観たのに途中で寝てしまった。特に何も起こらず、全て観念的というのだろうか。その人の一番の望みが叶うという『部屋』、「幸せ」だの「信仰」だの「名誉」だの「不安」だのと登場人物達は実体のないものについて語り怯える。そして結局は怖じ気づいて何もせぬまま戻ってくる。SFではあるけれど現実だって同じ。結局実体のないものを頭の中でこねくり回して勝手に怯えているのだ。とにかく、これはSFとして観るのではなく、哲学的文学的な映画として観る覚悟が必要。
退屈だったけれど、映画の中で「弱いことは偉大だ」という長い語りと、作家の「人間が物を書くのは苦しみ疑うからだ」という台詞は印象に残った。