老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書) [Kindle]

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著者 : 鈴木大介
  • 筑摩書房 (2015年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (135ページ)

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老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

  • 「老人喰い」とは、特殊詐欺犯罪(例えば、オレオレ詐欺)。被害額は 、 2014年1月から11月で500億円に届く勢いだ。

    著者は貧困や虐待 ・育児放棄などの劣悪な家庭環境に育ち 、社会の裏側で生きるようになった若者を追うルポライター。本書は、被害総額が小規模の一部上場企業の売上まで来てしまった特殊詐欺を、犯罪者である若者の側から描く。したがい、詐欺防止のノウハウ本ではない。

    本書を読んで驚いたのは、詐欺集団が会社のように組織化し、犯罪者のモチベーションが非常に高いこと。そして、犯罪者養成の研修の完成度だ。

    例えば、研修の最終段階では、3000万円会員権のゴルフ場でプレイする老人たちと、貧相な服装で通勤バスから降りてコンビニで軽食を無表情で買う若者たちを同時に見せる。老人イコール悪であり、詐欺における大義名分を刷り込む。

    「その大義名分の中で問題なのは 『それが犯罪である 』ことだけで 、それ以外の部分に明らかな正論が含まれているからだ 。日本の高齢者が貯蓄を抱え込んで消費が活性化しないことも 、若者の低所得化や将来不安も 、逮捕されないグレ ーゾ ーンの悪辣な商法が横行していることも 、全て事実だ 。そして 、この刷り込みは 、いくら頑張ろうと経済的に報われることがあまりに少ない若者たちの 、 『経済的なルサンチマン 』を強く強く賦活する」

    詐欺組織には金主、番頭、プレイヤー、集金係がいるが、本書は彼らとのインタビューを通して如何に詐欺組織が運営されているかを描く。特にプレイヤーの研修、ヤクザとの絡みを描いた部分は濃い。また、プレイヤーを束ねる番頭役の若者の人間としての魅力の大きさに触れ、「『なんという人材と才能の消耗 ・浪費なのだろうか 』これが彼らを取材しての 、最終的な感想である 」と嘆く。

    一流のノンフィクションで、一気に読める。お勧めの★5つ。

  • 富が極端に高齢者に偏在している現代日本。老後を心配する高齢者は貯めこんだ資産を消費しないどころか投資も貸し付けもしない。ならば若者の生存する路は奪うことなのか。

    人材と才能を消費しながら展開される高齢者を喰い物にする詐欺は、社会の変化に応じて当然に生まれてきたものとも言える。

    高齢者が読めば胸糞悪く、2.30代が読めば共感するのかもしれない。

    長生きって本当にいいことなのかなとも考える。ケチになり、疑い深くなり、身体が不自由になり、不安と闘い、思考が衰え、奪われる。

  • およそ精神と肉体の極限を要求される訓練を彼らは嫌々とこなし、そして、最終的に5人の参加者が残った。いや……5人の詐欺師達だ。

    物語としても普通におもしろい。というか本当に同じ国に住んでいるのかと。

    親に読んでもらいたい本と言いたいが、おそらくターゲットになった時点で詰んでいる。

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