- Amazon.co.jp ・電子書籍 (329ページ)
感想・レビュー・書評
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主人公と同世代。それだけに読み始めた頃は気も重くなりました。
でも、最後の20頁くらいから、まだ終ってほしくない、まだまだ読んでいたいと言う思いが増し、生きることの嬉しさ、切なさ、悲しさ、そして美しさをひしひしと感じました。
物語は、認知症の主人公を通して語られていきます。病状が進む中、彼が自分の事を最後まで語ることができるのか、どう描くのか興味津々でしたが、最後まで彼の目を通して映し出され語られていました。彼にとって「リア充」となったその一日を。
実は私の母も認知症で今は介護中ですが、たとえ私の事を忘れられても「今」一緒に楽しいね、おいしいねと言える時間があるなら、それも幸せかなと思った次第。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろいろ勉強になりました。自分にあてはまりそうなところが出てくるとギクッとする。気持ちが共感できて、いい本でした。
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若年性アルツハイマーを患った男性の物語。この病気が自分や親が患ったらと置き換えて読んでいた。症状の進行や気持ちの持ちよう、周囲の反応、家族の愛情、引き込まれる要素が沢山。祖母が存命の時ボケてしまって悲しかったが、施設入ったら治って喜んだこと思い出した。
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若年性アルツハイマー型認知症になった50歳の広告代理店の営業部長。
いままで家族を顧みることなく仕事一筋の人生だったが、退職を余儀なくされる。
彼を支える妻。娘の結婚、出産。家族愛彼を救うのだろうか?
一日一日自分の記憶が抜け落ちていく。
今日は、いい天気だったので近所の神社の境内でベンチに腰掛けエンディング部分を読んでいた。なんだか涙がこみ上げてくる。
読み終え帰ろうと歩き出したら、声をかけられる。七五三の夫婦と男の子。カメラを渡され「はい、撮りますよ!」ちょっとは人の役に立ったかな?
娘の七五三を思い出した。アルツハイマー・・・こういう記憶もなくなってしまうのかと思うと余計に胸にこみ上げてくるモノがあった。