残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 橘玲さん、最高。
    橘玲さんの本を読むと浄化されます。

    しんどいことのあれや、これや、結局、人間ってそういうもんなんだ、本能、遺伝、DNAのせいなのねと納得ができました。

    2010年に書かれていますが、先の時代を見通した内容です。

    橘玲さんの本をたくさん読んでいるので、内容が被るところはあったのですが、後半になるにつれて、残酷な世界で生きている自分に希望が見えてくる感覚になりました。

    好きなことをして生きようという風潮は、だいぶ飽きてきていたところですが、自分の好きなことをもう一度思い出そうと思います。
    正直、好きなことすら、いまいちわからないので。

    これからは日本の会社も終身雇用が崩壊するかもしれないということで、会社に依存しない自分の力で稼ぐ方法を考えてみようと思います。

    あゆになれない自分でも、ロングテール、ニッチな世界で生きる場所を探して。

  • 少し古い本だが橘玲さんの他の本で主張されている「客観的事実」が幅広く要約されていると思った。

    ・能力は遺伝すること。努力する能力も遺伝するし、人間にはそれぞれの適正がある
    ・人間の感情を含めた心理もある程度遺伝すること。嫉妬心は自分の遺伝子を残すために必要な遺伝的心理学に本質的な感情である
    ・アメリカの成果主義の仕事が日本的なコンテクストで批判されることがあるが、日本の閉鎖的コミュニティでの相互評価のシステムのほうが不透明な減点法による評価でありストレスが大きい
    ・また日本は解雇規制が強固である反面で転勤の強制度が強く、労働者の幸福度は必ずしも高くない
    ・無償の評判獲得ゲームが金銭の介在によって機能しなくなる→会社が社員のモチベーションを維持するのは一筋縄デはいかない

    正直に言って、橘玲氏の薦める生き方が万人に当てはまるとは思わないが、読者層を考えると読んで満足を得られる一冊だと思う。

  • こころは遺伝するのか?という科学的な面にスポットを当てつつ、それが遺伝することを前提とするなら、努力だけでは報われない人もいるという現実があり、ならばいかに生きるかという問いかけ。

    最新の科学等から、こころも遺伝的要素が多いのは事実であると思う。しかし、だからと言って全ての人が努力を放棄する必要はない。一方で、遺伝的に優位であっても、報われない人もおり、幸福かどうかはやはり自分次第。このあたりが考えどころ。

    職業的方向性としては、起業を勧めているのだが、同意はするものの、それとて容易ではない事も多く、もう少し深い思想としては、やはり田坂氏の世界があると思う。

    親の出来ることは、子供にいい仲間環境を与えることだけ、という著者の持論。自分の幼少期の経験と子育ての経験から、これは確かにそういう面があると思う。自分自身、子供のころ、特に中学生までの環境は決して良いとは言えず、いわゆる「不良」や「悪友」に随分と囲まれ、影響を受けてしまった面が多い。親を責めるつもりは全くないが(親なりにベストを尽くした事は分かるので)、今振り返れば、当時の環境が違っていたら、その後の人生が大きく変わっていただろうと思う。
    これは自分の子育て論にも通じる点があり、正に実践中。

    この著者の書籍は、とても冷静に現実に向き合っている面があり、救われる人も多いかも知れない。

  • 『言ってはいけない 残酷すぎる真実』で有名な作者が書いた本。

    結論は明快で「自分の得意分野を生かしてその世界で生きろ」ということに尽きるのだけど、それ以外の言説も含めて非常に説得力があった。

  • 身体的な特徴や運動能力の遺伝は当然とされていて、知能や性格の遺伝は激しい抵抗にあうのはなぜか?

    お金は面白かったものを面白くなくしてしまう。

    報酬を与えると、それは面白かったものから仕事に変わってしまう。

    「評判獲得ゲーム」が金銭の介在によって機能しなくなる
    ←ハッカー・コミュニティの話

    評判を獲得しなければ出世できない日本型の人事制度

    日本的経営とハッカー・コミュニティは「評判獲得ゲーム」という同じ原理を取っているが、日本的経営では、獲得した評判は外に広がっていかない

    「情報の非対称性」この言葉は覚えておきたい。

    伽藍を出てバザールに向かう、恐竜のしっぽの中に頭を探す。

  • 「勝間は、料理教室でアップルパイをつくったり、自動車教習所で縦列駐車を教えるように、幸せになるための”レシピ”や”技術”を教えているだけだ。」

    知力は遺伝。
    しかし、「政治的に」遺伝してはならない。
    みんな自分が特別だと思っている。

    私は努力は意志の問題だと思う。できないのは頑張りが足りないからだ。もし本当に遺伝であれば、それこそ優生学が適用できる。

著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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