入門 犯罪心理学 (ちくま新書) [Kindle]

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著者 : 原田隆之
  • 筑摩書房 (2015年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (169ページ)

入門 犯罪心理学 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

  • Kindleのセールにて購入。

    う~ん、平易な内容だけど、エビデンスをもう少し丁寧に紹介して欲しいなぁ。

    細々と書く必要はないけど、何処其処でで探せばいいよ!みたいな。

    もちろん、参考文献一覧はあるけど・・・。

    素人は読まないし、分からないだろうから根拠は省略では

    著者が批判しているテレビの似非心理の専門家コメンテーターと変わらないかも・・・と思われかねないからネ (^^)

  •  ほぼ興味本位で買ってみたが面白かった。新書なので内容はさして多いわけではないが、従来のイメージ(または偏見、固定観念)が否定されることが多かった。著者によればこの分野の研究や手法が本当に意義あるものになったのは比較的最近のことなので、仕方ないのだろう。

     犯罪者を病人とみなし、単に厳しく処罰するだけでなく科学的な治療も行うという考え方は理解していたが、具体的にどのような治療が行われ、どの程度の効果を上げているかはなかなか知る機会がなかった。それ以上に、かつて意味あるものと考えられていた診断法や治療法が現在は否定されていることも少なくないという点については、ややショックを受けた。

     刑務所や病院で実際の犯罪者と数多く接してきた現場の人間として、著者が強く推進しているのはエビデンスを重視した手法の採用だ。これは医療分野におけるEBM(エビデンスに基づく治療)と同じ思想で、効果の有無を科学的に(つまり担当者の個人的な勘や経験に頼らず)立証された手法を用いるというもので、言われてみれば当たり前なのだが、つい最近まで当たり前ではなかったようだ。

     例えばロールシャッハテスト(インクの染みを見て何に見えるか答えさせて診断)やバウムテスト(木の絵を描かせて診断)などは意味がないことがすでに実証されているという。箱庭療法も日本独特でエビデンスのない奇妙な理論だそうで、日本の心理学がガラパゴス化しているとも指摘する。

     無根拠な「刑事の勘」で犯人を決め付けて冤罪を生んだエピソードなどはよくわかるが、医者がやっていた治療法まで実は意味がなかったと言われると少なからず衝撃を受ける。本書によれば犯罪心理学は1980年代以降に大きく進歩しているそうなので、それ以前の知見はいったん忘れたほうがいいかもしれない。

     また、犯罪に対して本書冒頭にある様々な「神話」が今も根強く信じられていることは、事件が起こるたびに語られるコメントを見れば明らかだ。こういう状況を改善していくことは彼ら専門家の仕事であると同時に、ネットで気軽にコメントできるようになった時代においては我々一般人の責任でもあると思う。

  • 飲酒運転事故が減ったのは、厳罰化の影響もあるかもしれないが、それよりも飲酒量の減少や事故が多い若年ドライバーの減少の影響が大きいとは言えないだろうか

    こういう視点を変えた物の見方するにはどうしたらいいのでしょう。仮設思考でも取り上げられていたように、幅広く考える方法として、反対側から見る、両極端に振って考える、ゼロベースで考える、の三つですかね。何事も実践、頭に置きながら考えてみたいと思います。

  • 筆者の主観で犯罪者の心理を分析したり、プロファイリングなどで一気に犯人像をとらえる、といった刑事ドラマの延長のようなものではなく、統計学的な視点を取り入れることで犯罪を科学的に考察し、そして対策を考えるとても真面目な本。

    構成は大きく下記のようになっている
     犯罪者の生い立ちや分類
     犯罪心理学の理論と検証
     犯罪者が持っている因子(犯罪につながりやすい要素)の特定
     犯罪者の治療(主に認知行動療法)

    本書を読んで気づいたのは下記のような点。
    犯罪の要因を過度に単純化しないこと
    ある犯罪事件が起こった場合「~(社会・親)が悪い」といった過度の単純化をおこなわないこと。そうした思考は単に誤っているだけでなく、差別や偏見や逆に犯罪を助長する可能性がある。
    統計学的な視点
    いままでも心理学者が精神分析などで犯罪者の思考を分析したりしたものはあれど、過去の膨大なデータベースや学術論文から統計学的手法を用いて犯罪や犯罪者を分析したものは少なかっただろう。本書ではなるべく統計学的根拠を用いて、犯罪者の分析をおこなっており、非常に説得力がある
    厳罰から治療へ
    ここが一番目新しいかも。犯罪を減らす方法の1つとして、犯罪者の厳罰ではなく治療にフォーカスを当てている。ともすれば感情論に走りがちな犯罪に対して、どうすれば犯罪をへらせるかという点で最も真摯に考えている。

  • 犯罪心理学というとプロファイリングのような話かと思ったが、そうではなかった。処罰は再犯リスクを抑制せず、再犯を防ぐための「犯罪者の治療」が重要であるという趣旨。公衆衛生や疫学、医療に通じる内容だと感じ興味深かった。

  • 再犯防止のため犯罪者に行うべき心理療法を通して、物事の単純化における危険性・エビデンスの重要性・思い込みの暴走性を説いている。犯罪者の心理だけてなく、犯罪者を見るマスコミや我々の心理的バイアスに気づかされた。

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