- Amazon.co.jp ・電子書籍 (276ページ)
感想・レビュー・書評
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点と点が繋がった。可南子と藤村、深澤の関係。
一見つっけんどんな深澤が、物語の鍵を握っていた。可南子の息子、孝太の成長が楽しみだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
記者であり”曰くつき未婚のシングルマザー”である主人公が、プロ野球選手としての引退or再起をかけた「トライアウト」の取材を行ったことをきっかけにある野球選手と出会うことで、父子・恋愛・キャリアの”終わらせ方”(気持ちの折り合いのつけ方)、そして再スタートの仕方を見つけていく話。
自分が執着していればいるだけ”引き際”を見つけることは難しいけれど、きちんともがいて自分の納得できる引き際を見つけることは、新しい道に繋がるということでもある。
~~”「人には、納得のいく終わりってのが、それぞれの形である。その終わりは、新しい方向へ向かうための終わりなんだ」”~~~ -
主人公にほとんど感情移入できないながらも、最後まで読んでしまうのは、作者も意図したキャラクター設定なのかなと思った。
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「人には、納得のいく終わりってのが、それぞれの形である。その終わりは、新しい方向へ向かうための終わりなんだ」
先頭でも、最後尾でも、誰でもそこから走ることができる!誰でも。どんな境遇でも。
勇気を貰える一冊。 -
「たかが野球、されど野球」、、、
たかが、勝った負けた、レギュラー補欠などで人間の価値が決まるはずがない。
されど、野球を通してどの道を通り、どんな挫折を乗り越えて、何をやり抜いたのか。人間力を積み上げたのか。
自分自身が選手を経て指導者であり、野球をやる子供を持つ父親として。 -
(2023/270)シングルマザーの可奈子は9歳になる息子の父親を誰にも明かしていない。東京の新聞社に勤務し不規則な時間で働いているために、息子は仙台の両親に預けている。そんな可奈子が運動部に異動となってトライアウトの取材に行き、自分が新人時代に高校野球を担当した際の甲子園優勝投手である深澤を見かけたことから歯車が回り始める再生の物語。藤岡陽子さんの小説、これまで全くハズレがない。