アメリカン・スナイパー ブルーレイ&DVDセット (初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
- ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4548967192674
感想・レビュー・書評
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イラク戦争の伝説のスナイパーを描いた映画。
クリンストイーストウッドの熟練ぶりがすさまじい映画。
反戦なのか、好戦なのか、わからない。
中間的な描写をしながら、中途半端に軽く薄っぺらくならず、腹にドスんとくる。
解釈は観客側に丸ごと預けられている。
こんな預け方、なかなかできない。
戦闘シーンはリアルで、フラットな描写。
ただただ、危険で、まさに殺し合い。
ヒロイズムは感じられず、見ているのがつらくなる。
(その場から、逃げ出したくなる)
日常の中にも恐ろしいことは常に流れている。その中で漂う私たち人間の危うさ。
最近のイーストウッド映画に共通する空気に、凄みを感じる。
観終わった後に、「どうしたらいいんだろう?」と途方にくれるような映画。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2003年よりイラク戦争へ4度参加し、米軍史上最多数を射殺した軍人クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。
味方からは英雄視される一方、イラクに潜む敵からは「ラマディの悪魔」と怖れられた。
そんな彼の素顔は、仲間や家族を一心に守り、良き夫、良き父でありたいと願う一人の心優しい男で…。
巨匠クリント・イーストウッド監督が《伝説のスナイパー》の4度にわたるイラク派兵とその半生を描く戦争ドラマ。
子供の頃から磨き上げた狙撃の腕を生かして祖国を守る番犬として戦うクリス・カイルの壮絶な人生を、戦争の残酷さと苦悩を絡めて描いた傑作映画です。
イラクの戦争で対戦車手榴弾を持った子供を狙撃したり、罪悪感と限度を超えた緊張からPTSDになり、家族関係も上手くいかないクリスの苦悩を、リアルな戦争の描写を絡めて、丁寧に描いています。
家族のために退役軍人の援助をしながらトラウマと向き合い家族の絆を取り戻していた矢先の死、やるせないものがありました。
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スナイパーの緊張感がとても伝わってくる。なんとも言えない後味の映画だが、それも最近のアメリカの一事情を提示できている。
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実話ということも知らず、前知識なしで鑑賞。ラストに驚く。
アメリカでは英雄扱いされるも、敵からは死神として恐れ、恨まれる。彼も相当数の敵を殺害したそうだ。
もし仮にこれが日米の戦いだとして、日本人を多く殺したアメリカ人が本国で英雄視され、亡くなってしまったとしたらどう感じるだろうか。
人が一人無くなるのは誰であれ残念である。しかし上記のように邪な考えを持ってしまうのが戦争なのだろう。 -
アメリカ イズ 正義
な考えを持つ登場人物が出てくるのだけど(志願兵たちだから当たり前といえば当たり前といえる)、でも根底に「そうだっけ?」と疑問を投げかける空気を漂わせながら進んでいく。
実話だけにリアルで淡々としているものを、戦場と家庭を交互に見せて行くことで抑揚をつけ、クリスの心情の変化もうまく見せていて面白かった。
自分の国を家族を守るために戦場へ行き、友を失い仲間を亡くしても国のためにと敵を倒してきたのに、国に戻ればそこではまるで戦争なんてないかのように笑いあい楽しく暮らす人々がいる。自分はなんのために戦っているんだ?と一瞬でも疑問に感じてしまわないように、国や家族を愛そう愛そうとする気持ちが、葛藤を呼び、PTSD状態と心配されてしまったとしたら、彼の心情はいかほどのものだったかと。
いろいろ難しい政治的なことなどを考えさせる一面も持ちつつ、映画としても単純に面白いという良い作品だった。 -
戦争が何をもたらし、破壊するのか。
クリス カイルの短い生涯を通じて描いた映画。
戦場で戦い、打ちのめされ、ようやく帰り着いた家庭でもこびりついた記憶に苛まれる。
笑いながら家族と過ごしているときも、戦争は続いているということが頭の片隅から離れない。
自分の息子に近い年齢の子供をスコープで狙い、トリガーに指をかけるクリスの苦悶が印象的だった。
正義のためと確信していても、命を奪うという行為が日常化すると、心は確実に蝕まれていく。
派手な演出はせず、しかしメッセージがずっしりと響く作品。さすがクリント イーストウッド。 -
* 精神的にどんどんぶっ壊れていくのが見ていて辛い。なぜ幸せな家庭が家にあって、あんなにもう行かないでと頼まれても中毒になったように戦争に行ってしまうのか。国の為なんて大義名分だけでここまで自分を犠牲にできるのって、アメリカ人ならではなのか、結局は理由が欲しいだけで別の何かが戦場に向かわせるのか。
* 最後のエンディングが悲しすぎる。事件は映画製作企画中に起こってしまったらしい。
* 結婚式でタヤが弟をジッと見るシーンが、最後に犯人を見るシーンと重なってすごく引っかかった。そして弟はあの先大丈夫だったのだろうか。 -
イラク戦争の実在するスナイパーを描く。
ブラッドリー・クーパーの体つきの変化はすごい。本人に寄せていってるのだろうか。
ベトナム戦争映画を思い起こす不毛を描くのはいいんだけど、そこに敵のスナイパーとの対決も混ぜるもんだから話が落ち着かない印象を受けた。
今も昔も戦争が人の心を蝕む現実は変わらない。 -
クリント・イーストウッド外れなし。
ブラッドリー・クーパー好きなのだが、ハングオーバーの時こそ至高。