村上さんのところ コンプリート版 [Kindle]

著者 :
  • 新潮社
4.23
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本棚登録 : 305
感想 : 17
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感想・レビュー・書評

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  • 少年カフカからもう13年!?
    時間の速さに驚きです。
    今回はウェブサイトの開設から毎日楽しみに読んでいて、書籍化も楽しみにしていました。
    思わず書き留めてしまうような素敵な回答があり、肩透かしのような回答もあり、でもやっぱり心の支えにもなりそうな素敵な回答もありでした。
    kindleデビューしたこともあり、コンプリート版を迷わず購入。私のkindleデビュー本となりました。
    ものすごいボリュームで、いつまでも読み終わらないような安心感があったのに、毎晩就寝前に少しずつ読んでいたら、読み終えてしまいました。
    最後のほうは、カウントダウンみたいになってちょっとやっつけっぽかったかな。
    いまは2巡目に入っています。
    村上さんのぶれなさ、信念、姿勢、ストイックさを感じることができて、大好きなシリーズです。

  • [わんさかわいわい]小説家の村上春樹が期間限定で開いた質問投稿サイト。寄せられた三万件を軽く超える投稿の中から選ばれた、単行本八冊分(!)の質問と回答を収録した作品です。今回はそれら質問と回答がすべて収められている電子書籍の「コンプリート版」を読破しました。同版には質問の傾向に関するデータなども記録されています。


    おそらく本書の概要を読んで思うことは、「村上春樹好き以外が手にとって楽しめる本なのか?」ということだと思いますが、ズバリ、楽しめます。ユーモアあり、親密さあり、そしてキツめのブラックジョーク(たまに笑えない)ありの会話を盗み聞きしているようで、読んでいる間になんとも言えない「小確幸」を感じる作品でした。果てしなく感じられる企画だったと思いますが、このような形で村上春樹の一端を知れる機会を設けてくれたことに感謝の限りです。


    村上春樹氏による回答が魅力的なことはもちろんですが、寄せられる質問それ自体にもいろいろな意味で心動かされました。個々の質問にという側面もあるのですが、何よりもこれだけ膨大な質問を総体として眺めると感じられる「いやはや」感(これはとっても前向きな「いやはや」なんですが)をぜひとも味わっていただきたく思います。

    〜恋というのはただ単にすとんと落ちるものです。落ちたらおしまいです。〜

    読んだ後の充実感が尋常ではない☆5つ

  • 当時、この本のベースとなったサイトへの投稿、更新された記事を読むのがほぼ日課になってました。削除、ブラッシュアップされてしまった内容もあり、ただそういうちょっと荒いところに、著者の違う一面がちらりと垣間見えた気がして楽しかった記憶があります。

  • ひょうひょうとした返しが面白い!作家さんが何を考えているかってすごく興味がある。村上作品をもっともっと読みたくなった。

  • 【村上春樹に人生の生き方を聞く】
    村上春樹に質問ができるウェブサイトが出来た際に(現在は閉鎖されているみたいだけれど)、質問を集めたときの読者からの質問と、村上春樹の回答をまとめて一冊。

    村上春樹の生き方、考え方が感じ取れてとても面白い。

    質問の多くは、
    ・小説について
    ・恋愛について
    ・ヤクルトスワローズについて
    ・人生の生き方について
    の4つに集約される。個人的には「ヤクルトスワローズ」と「恋愛」には興味がないので、「小説」「人生の生き方」がとても楽しかった。

    結構、ちゃんと回答しているものもある一方で、村上春樹のおふざけが見られるようなところもある。

    コンプリート版だと約4000くらいの質問と回答が載っているので、1つ1つ見ると相当時間がかかる。これによく回答したなと驚きでしかない。

    一番印象に残っているQ&Aは、これだった
    Q:「小説を書いていて、辛くなることってありますか?」
    A:「小説を書いていて、つらくなることはあまりありません。フルマラソンと同じできついなぁと思うことはよくありますが、これは仕方ありません。総力戦みたいなものだから。でもつらいと思う事はないです。もともとが好きでやっていることですから。誰かに頼まれてやっていることではなく、自分がやりたくてやっていることです。だからきついと思うことはあっても、つらくはありません。そこには大きな違いがあります」

    村上春樹は、一貫して「自分は好きなことをしている」「好きなことを続けるために、健康であろうとしている」のようなことを言い続けるのだけれど、これが非常に刺さる。

    いくつかの質問については、また読み直したくなる。

  • 作品について、恋愛の悩みや人生相談、音楽や走ること、ヤクルト・スワローズについてなど、さまざまな質問・相談に対する約3700通の回答をおさめたコンプリート版。面白いんだけど、どうでもいいような質問を上手くかわしたり、時には真剣に答えたりと、重すぎず、軽すぎず、的確で変化のあるキャッチボールがたっぷり楽しめました。電子書籍版は紙書籍の8倍ものボリュームがあってお得な上、23のテーマ別に読むこともできるのも便利。「世界の村上春樹さんにメールするだなんて申し訳ないから、私に質問しなさい!」と娘(=質問者)に迫ったというお母さんの話が素敵。
    「生きる意味は必要か?」という30代からの抽象的な悩みには「もっと別の事を考えましょう。……そこにヤクルトの投手ローテーションがあり、そこにあなたがいて、人生の意味があって、三角測量ができます」と答える。深入りしすぎず実際的なところが良い。(2015)
    <メモ>『神々の沈黙――意識の誕生と文明の興亡』ジュリアン・ジェインズ/『Rule of Bones』Russell Banks/ 『Evening(いつか眠りにつく前に)』Susan Minot

  • とにかく大ボリュームで読み応え満点。村上春樹もこの形式で読者メールに答えるのは二度と出来ないと書いていたけど、オイラもこの本を二回読もうとは思わないだろうな、と思うくらいの分量。ともあれ、書いてある内容は示唆に富んだ話が多く読んで面白かったし、電子版を買って悔い無しでした。ディープなファンは是非チャレンジしてみてください!

  • 初読。kindle。コンプリート版だから長いんだろうなあとは思っていただけど、長かった・・・。単行本8冊分?電話帳2冊分?って文中に書いてあったような気がするけど、それがどこに書いてあるかもう一度探すのも大変なので、あやふやな記憶だけ書き留めておく。電子書籍版のメリットを生かした付録的な編集も便利。読んでるだけでも、「同じような質問するなよ」ってイラっとしたけど、この全部に目を通した村上さんはスゴすぎる。中身も面白いですが、何よりもこの分量に頭が下がります。またこの企画をやってほしいなんてとても言えない。

  • 悩み相談にサラッと素敵に回答したり、たまに鋭い本質やめちゃくちゃ難しい理論があったり。ちょっとした暇つぶしに最適かと思います。友達がトイレに置いていたけど、ちょうど良い気がします。私は電子版で、電車の中で1-2個ずつ読んだりしました。

  • 長かった!いろんな人がいろんなことを悩んでる。村上さん、丁寧な仕事をしますね。改めて著者を人として見直しました。物語がいつも不健康そうだと思っていたけど、そうじゃなくて、当たり前に前向きにいろんなことに耐えたり楽しんでいるんだなと。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

村上春樹の作品

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